保護猫の譲渡の流れ
猫を1匹保護して里親に譲渡するまで、これだけの手間と時間がかかります。SNSに画像を流して、欲しいと言ってきた人に『ハイどうぞ』ではありません。
①募集
「ペットのおうち」「ネコジルシ」等の里親募集サイトに掲載します。
「ジモティ」という地域掲示版的なサイトもありますが、里親募集に特化した他のサイトに比べると、「下さい」と言えば、気軽に猫を貰えると思っている方や、譲渡条件について熟読していない方からの応募が多いのが難点です。
お問い合わせがあったら、
- こちらの譲渡条件を理解・了承して下さっているか
- 質問書への回答を理解・了承して下さっているか
を再度確認し、OKならば、質問書へのご回答をお願いします。(質問書への記入はお見合い時にお願いすることもあります。)
②質問書
お問い合わせを下さった方(将来飼い主となる可能性のある方)には、住所氏名・連絡先・年代・職の有無・家族構成・留守番時間、住居形態に関する飼い主様個人の情報、飼育経験の有無や、先住ペットの有無、飼育環境に関する情報、更に参考として、飼い主さまの性格に関することなど、20-25問程度の質問書への回答をお願いしています。
回答を拝見して、疑問に感じることがあれば、更に詳しくお話を伺ったり、説明していただいたりします。
1匹の保護猫に複数のお問い合わせが集中した時などに、回答内容から、お見合いの順番を決めることがあります。抽選や、早い者順で里親様を選ぶことはしません。
こちらの応募条件を無視して申し込みされて来る方は、質問書への回答内容で、だいたいわかってしまいますので、この時点でこちらからお断りすることがあります。(例:高齢者のみの世帯や、ペット不可賃貸の居住者など)
③お見合い
質問書への回答後、お話をすすめても大丈夫だと判断した場合に、お見合いについての案内を送ります。ほとんどの場合は、希望者の方に保護主宅まで来ていただき、実際に猫に会っていただきます。譲渡会等に参加して、その会場をお見合い場所とすることもあります。
お見合い後に、トライアルをご希望かどうかお知らせいただきます。
④トライアル
トライアルは猫にとっても人にとっても試練です。
トライアル期間は、目安として1ヵ月ですが、先住ペットがいない場合、子猫をご希望の場合は、もっと短期間になることもあります。
また、トライアル無しで、そのまま譲渡になるケースもあります。
トライアル開始の際は、住環境を確認させていただく意味もあり、必ずこちらから猫をお届けに伺います。
どう考えても猫の飼育に相応しくないと判断せざるを得ない場合、こちらからトライアル及び譲渡の話はお断りします。(お届に伺ったお宅がゴミ屋敷だったことが過去にありました。)
⑤譲渡
トライアル期間が終了する頃合いを見て、こちらから里親様のご意志を確認させていただきます。
猫が問題なく馴染んでいるようであれば、トライアルから正式譲渡になります。
里親様が少々の不安をお持ちであれば、状況を詳しく伺ってトライアル延長することもありますし、またはトライアル中止・キャンセルとなって、猫が戻ってくることもあります。
⑥その後
こちらからリクエストをせずとも、何かの折りに画像や動画と共に近況報告を送って下さる里親様は5割くらいいらっしゃいます。
Instagram等、SNSアカウントを持っている里親様の場合は、わざわざ近況報告を送って下さらなくても、こちらがフォローすれば、猫の日常を拝見できます。
1年に1-2度、こちらから連絡を差し上げた場合にのみ、近況をお知らせ下さる里親さまもいます。
約2名程、連絡の取れなくなってしまった里親様がいます。(実は非常に心配です。)
このようにして、保護猫たちは、
新しい家族のお宅で飼い猫になっていくのです。
●質問書になぜ答えなければいけないの?
里親希望者さまに記入していただく質問書のなかには、家族構成と住居形態に関する質問もあります。これに関して不快感を持たれる方もあるかと思いますが、重要なことですのでお答えいただきたいです。
猫を家族の一員として、最後まで責任持って飼って下さること。
猫が健康でストレスの少ない幸せな毎日を送れること。
これが一番大切なことです。
それを実現する為には、脱走や家庭内での不慮の事故にも気をつける必要があります。譲渡側の個人的な興味で質問するものでありません。
一人暮らしなのか、同居のご家族がいるのか。高齢者や小さいお子様がいれば、玄関の開け閉めに気をつけなくてはなりません。
一軒家にお住まいなのか、集合住宅なのか。両者には、出入り口や窓の数とタイプに違いがありますから、講じる脱走対策もそれぞれ違ってくることがあります。
そのような飼育環境をある程度把握しておいた方が、こちらもアドバイスはし易いし、ご相談にも応じられるのです。
Our Policy
ねこ藩の方針
保護猫の預かり
個人の方が保護した猫・子猫の預かりはねこ藩では出来ません。ねこ藩に保護部屋やシェルターはなく、また預かりをお願い出来る協力者がこの地域にほとんど見つからないからです。ひとりでも多く、保護猫の預かりを申し出て下さるお宅を見つけるのが今後のねこ藩の課題です。
保護猫の里親探し
個人の方が保護した猫・子猫に関して、ねこ藩ではネットでの里親探しをお手伝いします。これまでに知り合った保護主の方々が、パソコン作業の不得意な比較的ご高齢の方々が多かったという理由です。
注意事項
どこそこに子猫がいるから何とかして…という、労力・時間・費用、全てこちらに丸投げの報告・依頼に協力するつもりはありません。ねこ藩の人間は仕事をしながら普通の生活をしている地域住民だからです。猫がかわいそう、何とかしてあげて、と思う気持ちがあるならばまずご自身で行動をおこす、あるいはその努力をしてみて下さい。ねこ藩はそういう方々には喜んで協力いたします。