我が家の近所には飼い主のいない猫=野良猫が結構います。
過去のブログで何度か書いていますが、 私が野良猫製造工場と呼んでいる場所が3か所あります。
3か所には共通点があります。
「個人宅である」
「不妊手術は一切していない」(重田邸のケースは一部例外)
「常に置き餌をしている」
「隣近所の住人は不満を漏らすが、何らかの働きかけをしない」。
そのような場所があり、ご飯は食べられる状況にあるから、
我が家の庭に現れる猫達はみなぽてっとした体格をしています。
前回のブログで、 近所の駐車場の車の陰で発見した母猫1匹と子猫3匹が、
次のTNRのターゲットになるかな、と書きました。
その一家は我が家の方まで来ることはありませんでしたし、
後日、この一家4匹を含めた近所の猫たち数匹は、
ある方がお世話をしている猫達だとわかりました。
2017年が明けてから、他の地域での活動や、様々なお手伝いが続き、
我が家付近の野良猫状況をしっかりと把握出来ないでいました。
これはまずい、少しづつでも不妊手術を進めなくてはと思い、
夏にラテ彦と凪ちゃんのTNRを行いました。
その後、しばらく新しい猫を見ることはありませんでしたが、
年末くらいから、1匹、またもう1匹と新顔が庭に現れるようになりました。
11月~12月は、野良猫製造工場2ヶ所でTNRを行っていましたので、
捕獲器と手が足りず、我が家での捕獲作業は少し先延ばしにしていました。
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(1)ニャース・・・不妊手術の記録091。
我が家の庭や、隣宅の庭にぼーっと坐っている姿をよく見かけるようになりました。
怪我か病気か右目が少し小さくなっています。 人からご飯を貰うことに慣れているようでした。
ある時、倉庫敷地内で、 そうこちゃんと一緒に仲よくご飯を食べているのを見かけました。
しばらく見ていると、重田邸のおばあさん・重田さんがお皿の回収にやって来ました。
おばあさんの話によると、ニャースはそこから更に200メートルくらい西にある
居酒屋さんのところからやって来た猫だそうです。
その居酒屋さんはここ半年くらい私がマークしている場所で、
第4の野良猫製造工場として要注意リストに加えなければと思っていました。
オスメスたくさんの猫達が集まる(というか置き餌に集まってくる)中で、
気の弱いニャースは猫達の輪に入って行けなかったようで、
力で負け、押しやられ、居酒屋近辺から東方面へと流れてきているそうです。
我が家の玄関を開けた時に、ぷわーんとにおってくる強いマーキング臭は
このニャースのものでした。
2月20日の夕方、駐車スペースに仕掛けた捕獲器にニャースが入り、
ひと晩、我が家で待機して、翌日、去勢手術に連れて行きました。
手術の際に、先生が右目の簡単な外科処置を行って下さいました。
膜の切開と洗浄、消毒、軟膏塗布です。
術後、またひと晩、ニャースは我が家の玄関内で過ごしたわけですが、
柔らかいフカフカの敷き物を敷いたケージの中で、
ニャースは緊張するでもなく、むしろ、 くつろいでいるように見えました。
ケージの扉を開けても逃げようとはせず、
差し出したスプーンから、ちゅーる3本分をペロペロと舐めました。
捕獲直後のニャース
ケージ内にはトイレを置くスペースがありません。
ニャースは夜中に大量のおしっこをしたようで、
明け方、2階の寝室まですごい臭いが漂ってきました。
まあ、においなどは人間側が数時間我慢すれば済むことですが、
いくらフカフカで居心地がいいからと言っても
おしっこで濡れてしまったその敷き物の上に半日以上坐っているのは、
ニャースにとって気持ち悪いに違いありません。
手術翌日の夕方リリース予定でしたが、
ちょっと早め、昼前に庭に放してあげました。
2日後、倉庫の前で見かけた時には、右目はだいぶ良さそうでした。
前は我が家の外猫ハウスによく入っていましたが、
術後はふらりと訪れる程度になり、
代わりにポッちゃんが居つくようになりました。
右目が早くよくなりますように。
2月20日:捕獲
2月21日:去勢手術
2月22日:リリース
ニャース:茶白、体重5.2kg 推定年令3才位
医療費:
・去勢手術+抗生剤
・アドボケート(駆虫)
・目の外科処置
合計7500円
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(2)くらら・・・不妊手術の記録092
白三毛が我が家の敷地に現れるようになったのは、
2月に入ってからです。
白三毛=メス確定ですから、避妊手術が必要です。
時期的に堕胎手術になるかもしれないとも思っていました。
白三毛は日中は決して姿を見せず、
暗くなってから(たいていは夜中)現れるので、
くららと名付けました。
ご飯を食べる時も常にまわりを気にしている様子で
警戒心が非常に強い猫です。
くららには、数日間、捕獲器ダミーでご飯を食べてもらう練習をしました。
ニャース捕獲から数時間後、ダミーとすり替えた本物の捕獲器にくららが入りました。
数時間前に先に捕獲器に入ったニャースと
並んで、翌日の手術を待ちます。
知らない猫のにおいに興味を示して
うちの飼い猫こまつがうろちょろしています。
特にお腹が大きいようにも見えませんでしたが、
手術の開腹の際、まだサイズの小さな胎児が6匹お腹にいたそうです。
可哀想ですが、堕胎手術になりました。
術後は我が家の廊下に設置した2段ケージで療養してもらいましたが、
温度の低い日が続いていましたので、療養2日目、
玄関に近い廊下から居間の中にケージを移動。
廊下と違って、居間は暖かい。
人を全く信用していない野良の顔をしています。
くららは全く人に慣れていない猫で、
威嚇もすごく、固まったまま、 瞬きもせずにこちらを凝視しています。
空き箱で作ったベッドも繰り返し破壊。
飛び散ったトイレ砂や、こぼれたフード&水で汚れた床掃除をする為に、
1日に1度、ケージ内に頭を入れて作業していたのですが、
療養4日目、頭にくららからの強烈猫パンチを食らいました。
掃除の後、キッチンで夕食の支度をしている時、暑くもないのに、
額からたらーっと汗が流れて来ました。
何だろう?と手の甲で額をぬぐい、野菜を切ろうとした時、
手の甲が地で真っ赤になっていたのには、驚きました。
くららに猫パンチされた時、特に痛みも感じなかったのですが、
鏡で髪をかき分けて調べてみたら、結構大きな傷口でした。
患部の血を押し出し、消毒を繰り返しましたので、
その後、何ともありませんでしたが。
くららは全く動かない。毛づくろいさえしませんので、
お腹には、絆創膏がまだしっかりとついているのが見えました。
体毛もボサボサです。
毛づくろいする心の余裕さえ
無いのかもしれません。
5日間の療養後リリースする予定でしたが
、何度かくしゃみをしていましたので、
抗生剤を食事に混ぜて飲ませ、更に2日間休ませました。
飼い猫こまつが1日に数度、中のくららを観察しようと、
ケージに手をかけて覗き込んでいましたが、
箱ベッドの中のくららは低い声で唸っていました。
手術からちょうど1週間、くららを庭にリリースしました。
ケージを今から廊下に移動し、
玄関の扉、ケージの扉を開けて待ちましたが、
くららはなかなか出て行こうとはしません。
なんだかんだ言って、ケージ暮らしが気に入ったのかしら。
20分後、ようやくのそのそと出ていき、
ぐいーんと伸びをして、とことこと歩き出しました。
外への扉は開いているのに、ケージに留まるくらら。
後をつけてみたのですが、我が家に隣接する敷地の奥にある
草ぼうぼうの空家に帰っていきました。寝泊まりする場所かな。
それにしても、あの空家にはいったい何匹の猫が出入りしているんだろう…不安。
そしてその数日後には、やはり重田邸からのそっと出て来るくららを目撃。
やっぱり、そこか。
2月20日:捕獲
2月21日:避妊手術
2月22日:リリース
くらら:白三毛、体重4.2kg 推定年令1才過ぎ
医療費:
・避妊・堕胎手術+抗生剤
・アドボケート(駆虫)
合計7500円
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(3)ポッちゃん・・・不妊手術の記録094
ポッちゃんを初めて見たのは2年前、重田邸の庭です。
「この子もうちの餌を食べにくるけど、
足が悪いからすぐにどっかに隠れちゃうよ。」と
重田のおばあさんが言っていました。
2016年1月、
重田邸で撮影したポッちゃん。
そう、ポッちゃんは足が悪いのです。
交通事故の後遺症か生まれきかわかりませんが、
右後肢の膝関節が曲がらず、斜め後ろに伸びきったまま。
歩く時はびっこをひいていますし、
坐る時も肢を変な方向に投げ出しています。
重田邸で初めてポッちゃんを見て以来、
隣の敷地内でも、別の場所でもポッちゃんを見かけていました。
いつも顔に小さな傷をいくつか負っていましたので、
脚のハンデがあるにも関わらず、 喧嘩が強いのかもしれません。
くららがまだ我が家で療養中の2月24日、
野良猫製造工場のひとつ、春田宅の前を通りかかったら、
アパートの階段下に、ポッちゃんが坐っていました。
「あら、ポッちゃん、ここまで来るようになったの。」
その後、コンビニで買い物をして自宅に戻ると、
さっきまで春田宅にいたポッちゃんが、 先回りするかのように、
今度は我が家の前庭に来ていました。
たまたまパトロールで通りかかったのかと思いましたが、
翌日も同じ頃、我が家の庭にいましたので、
ご飯をあげて様子を見ることにしました。
春田宅の敷地にいたポッちゃん。
それからポッちゃんはきちんと通ってくるようになり、
我が家の庭に常に置いてある外猫ハウスで寝るようになりました。
ひとつ心配なことがありました。
ポッちゃんが日光浴の為に坐っていた場所に、
まだ新しい血痕がありました。
どこか怪我をしているようです。
これは、早目に捕獲して病院に連れて行き、
ついでに診ていただこう。
我が家の敷地。
手前の段ボールは、急いで用意したハウスです。
羽毛布団を切って加工したものが敷いてあり、
かなり暖かく居心地がいいみたい。
ポッちゃんが定着してから4日、捕獲器を置いてみました。
「やけに美味しいにおいがする・・・が、変だ。
いつもはピンクのいれものにご飯とミルクが入っているのに
今日はこの変な箱の中にご飯が散らばっている・・・
この箱はやばい気がする。」
恐らく、ポッちゃんはそう考えたのだと思います。、
明らかに捕獲器に不信感を抱いているようで、
捕獲器のまわりでうろうろしています。
では、作戦「その2」開始。
まず、ダミー捕獲器の中に、 いつもと同じ容器に入れたご飯とミルクを置きました。
ポッちゃんのお腹が満たされてしまっては困りますので、 量はいつもの4分の1くらい。
ダミー捕獲器のすぐ隣には、焼きささみを釣り餌に本物の捕獲器を置きました。
ポッちゃんはまずダミーに入り、食事をしています。
明らかに少ない食事量に不満なポッちゃんは、
ダミーから出ると、 隣の捕獲器に頭を入れました。
曲がらない肢で、捕獲器に入りにくそうにしていました。
「箱に入っても何も起きなかったから、こっちの箱も大丈夫だな。」
と学習したポットちゃんは、点々と置いたささみを食べ、
肢を何とか中に引き入れると、迷わず奥に進み踏み板を踏みました。
ガシャン。
捕獲されたポッちゃんは、ビックリしてじっとしています。
すぐに捕獲器を古いシーツでさっとくるみ、
ウール100%のイギリス製毛布(当然古いやつ)を 上にかけて、
我が家の玄関内に入れました。
「しまった、2つ目の箱は罠だったか・・・」
翌日、ポッちゃんの去勢手術でしたが、ついでに肢の触診と怪我の治療も
お願いしました。怪我の箇所は尻尾の付け根の内側です。
「喧嘩による噛み傷かもしれないですね。」
先生は傷を洗い、消毒して薬を塗って下さいました。
右の後肢ですが、膝の関節を巻き込んだ骨折の後、
そのまま変な位置で固まってしまったのかも、と先生の診断。
尻尾のキズ。
毛を剃って処置して下さいました。
術後は我が家でひと晩休みましたが、
意外とおとなしくていい子でした。
セレブ感を醸し出す(笑)毛足の長いボアの敷物・・・ですがぐちゃぐちゃ。
上から見ると頭部分と背中部分が白い毛で区切られ、特徴的な柄です。
曲げられない右後ろ肢を前方に出して座ります。
リリース後もポッちゃんは毎日我が家に来ています。
カプ君、チャップ、ニャース・・・
我が家をセカンドハウスのようにして過ごすオス猫達は、
何匹かいますが、交代性なのか、最近はポッちゃんがレギュラーです。
ポッちゃんが坐っている場所にはもう血痕は見られないので、
傷は乾いて快方に向かっているのだと思います。
2月28日:捕獲
3月1日:去勢手術
3月2日:リリース
ポッちゃん:灰白、体重5.18kg 推定年令5才くらい
医療費:
・去勢手術
・外科処置
・アドボケート(駆虫)
・コンべニア(持続性抗生剤)
合計12042円
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我が家の庭に捕獲器を置いて捕獲する猫達のことを、
私は「ねこ藩城下の猫たち」と呼んでいますが、
ほとんどの猫たちは、近所の野良猫製造工場(3ヵ所+新規1ヶ所)出身です。
工場の手入れを行わないと、ねこ藩城下には猫が次々と来ることになります。
先にも書きましたように、ブログでの報告は遅れていますが、
昨年11月末から2ヶ所の野良猫製造工場で断続的TNRを続けています。
現在確認できている未不妊の野良猫はオス2匹です。
オスは出産しませんが、オスがいてメスは妊娠するわけですから、
このオス2匹も近々TNR予定です。