増えていた。:②カミュ

2月19日,2026 | TNR活動, サポート, 保護猫, 日々活動

前回のお話はこちら↓。
2026年2月6日のブログ:
「増えていた。①カミオ」
https://nekohan.jp/archives/987511471

 

 

 

 

カミオのTNRが終わり、これで1匹済。あと3匹。
続けてどんどん捕獲してしまうのがベストですが、
現実はなかなかそうもいかないものです。

 

 

時はコロナウィルス感染拡大がピークに達した最初の夏。
6月に入ると、先日ブログで紹介した「ウレタン事件」から始まり、
ここでも、あそこでもと、関わる案件が重複するようになりました。
捕獲作業、通院、保護、お見合い、お届け等で、
仕事以外の時間は、常にあちこち車で出歩いているような状況。
庭の地域猫ポッちゃんや、保護した子猫サブローの看取りもありましたし、
私自身もちょっとした病気のため通院をしていました。
膨大な量のパソコン作業、そして始まるカレンダー制作・・・。
今、考えるとよく体がもったものだと思います。

 

ウレタン事件に関しては以下のブログを参照ください。
2026年1月15日
https://nekohan.jp/archives/987511353

ポッちゃんに関しては以下のブログを参照ください。
2021年9月8日のブログ
https://nekohan.jp/archives/13528

 

 

 

 

 

この年はコロナウィルス感染拡大を理由に、いちかわ市民祭りの開催が
見送られることがわかっていました、
開催見送りは残念なことですが、準備に非常に時間がかかる、
数か月先のイベントのことを考える必要がなくなった、
という意味では、気持ちに少し余裕があったように思います。

 

 

 

日々の仕事と雑用と他の場所でのボランティア活動に追われ、
白黒猫捕獲ミッションに戻ることが出来たのは、9月末でした。

 

 

 

 

 

 

残る3匹をKさん宅で捕獲できればそれに越したことはないのですが、
Kさん宅の外階段下はスペース的にちょっと厳しいと判断。
外階段下のスペースには、木材、ビールケース、
古いプランターや植木鉢、自転車等が、雑に置かれた状態。
そこになんとかスペースを確保し、
ご飯をあげている3匹の猫達が休めるような、
発砲スチロールのハウスを置いていますので、
捕獲器を仕掛ける場所が地面に残っていないのです。

 

 

 

Kさん宅は1階、そして2&3階の2世帯住宅となっていて、
Kさん宅が面している道路から外階段までの間の通路には
1階宅への玄関があります。
1階宅へも、上階宅へもその狭い通路が唯一の通り道なので、
人の出入りが頻繁。捕獲器設置場所には向きません。

 

 

 

 

 

 

 

さて、どうするか、と考え、目をつけたのが、
Kさん宅と塀を接している、Tさん一族の敷地です。

 

 

 

 

 

道路に面した場所に、Tさんが院長を務める病院、その後ろには
Tさん宅、Tさんのお嬢さん一家のお宅、路地を挟んで反対側には
Tさんの弟さんご一家の邸宅があり、
路地は、道路から奥の3軒の住宅に入るための車用の道で幅も広い。
全て合わせて広大な敷地です。

Kさん&Oさん(前回のお話参照)宅と、Tさんの敷地の間の長いブロック塀。
この上を猫が歩いて移動していますが、ブロックは幅が狭いですから、
そんな不安定な場所に捕獲器を置けません。

 

ブロック塀のすぐ下はどうだろうか。
そこはTさん一族所有の路地=私道ではありますが、
市道と間違えられるほど、幅も奥行も広がりがあります。
市道と私道の境目にある電柱から、2メートルほど私道を入ったところに
捕獲器を置かせてもらえたらやりやすい。

 

 

 

昼休みの時間帯を狙って病院を訪ねてみました。
まずは、呼び鈴に応対して下さった看護婦さんに事情を話すと、
看護婦さんが年配のT先生を連れて出てきて下さいました。

 

もともと表情にあまり変化のない静かな雰囲気のT先生に、
路地に捕獲器を置かせていただき、1匹づつ合計3匹の猫を捕獲したい旨を、
手短に説明しました。

 

年齢的に仕方ないのかもしれませんが、
先生はTNRというものをご存じなく、
また、迷惑な猫は保健所に引き渡せばいいと
思っていらっしゃるようでした。

 

「うちは病院で、妊婦の方が来院しますから、猫がいるのは好ましくないんですよ。
あなた知っていますか?猫の糞に含まれるトキソプラズマというものが、
妊婦の体には非常によろしくないんです。
時々、病院の植え込みに猫の糞があり、非常に困っている。
うちの路地での捕獲は構いませんが、捕獲して手術したら、
ここに戻すようなことはせず、どこか他の場所に連れて行ってくれませんかね?」

 

すると、年配の看護師さんが、

 

「先生、これは次の世代が生まれないよう不妊手術をして、
猫を見守っていく地域猫活動というものですよ。
ボランティアの方々だって一般市民ですから、
あちこちから猫を引き取るようなことははできないでしょう。」

と良い助け船を出して下さいました。
よくご存じだな・・・と感心しました。

 

 

 

 

 

手術後の猫が元の場所に戻されることに納得したくない先生は、
何度もトキゾプラズマという言葉を口にしました。

 

病院を経営する立場だったら、誰でも同じように思うかもしれません。
自分の病院に来る患者が、入り口近くの植え込みにある猫の糞尿のせいで、
トキソプラズマ症に感染してしまったとしたら大変です。
病院側の衛生管理が問われるかもしれません。

 

ただ、今、問題になっている猫達は、どこか他の場所から連れてきて、
T先生の病院に放されたわけではりません。
生まれては育ち、生まれては育ちの繰り返しで、ずっと昔から、
この病院界隈に根付いてしまった命の連鎖です。
人間が介入しなければ、今後もずっと同じことが続いていくのです。

この地域、もっと狭めれば広い自分の敷地内に猫がいることは好ましくない。
野生の生き物だから仕方がないのはわかっているが、猫がいることが非常に迷惑。
とおっしゃる先生に、私はこう付け加えました。

 

「困ると言うだけでは、問題解決には繋がりませんし、
嫌だからと猫を捕まえて他の場所に持っていくことも法律的にはアウトなんです。
今すぐに猫がゼロになるという状況が作れたら、先生もほっとされると思いますが、
残念ながら、誰もそのような状況を作ることはできません。
かと言って問題を放置しておけば5年後もまだ同じ状況か、もっと悪化するはずです。
もし、5年前に、このブロックでTNRが行われていたら、今は全く違う環境になっていたはず。
もしかしたら、もう野良猫はいなくなっていたかもしれません。
そのくらいの長いスパンで考えないといけない問題。
とにかく、私がボランティアとして今できることは、
将来を見据えての猫の繁殖制限しかありません。
今やるかやらないかで、数年後の状況が大きく変わることは間違いないので。」

 

T先生は最終的に、

●病院の診察時間内には捕獲作業をしないこと
●車が路地を通る時に邪魔にならないようにすること
●付近に迷惑がかからないようにすること

と前置きして、路地で捕獲作業をすることにOKを出して下さいました。

 

 

 

 

数日間、現地に通い、様子を見てみました。
どの子が捕獲器に入るかわかりませんが、付近で3匹の姿は確認できています。
一度、夜間に1時間ほど捕獲器を置いて、離れたところから観察してみましたが、
猫は捕獲器を見ているだけで入りませんでした。Kさん宅でご飯を食べたのか、
お腹がすいていなかったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

青い縦線はブロック塀。
赤いマークは、捕獲器設置場所。

 

 

 

 

 

10月3日午前中。捕獲作業開始です。
他の猫案件も同時進行していますから、
何時間も現場に張り付いて捕獲器を見張る余裕がありません。
そこで、仲間達に応援をお願いしました。
Tさん敷地のすぐ近くに住む保護猫預かりのMKさん、
我が家の近所に住むM姉妹、Kさん宅前の集合住宅に住むMTさん(奥様)、私。
30~120分毎とシフトを決めて、順番に捕獲器チェックをすることにしました。

 

 

 

自分の番が終わり、家に着いた時、MTさんから着信がありました。
「猫が捕獲器に入っています。」

駆けつけると、捕獲器に入っていたのは既にTNR済のカミオでした。

 

 


また捕獲器に入ったカミオ。
猫の捕獲作業あるあるで、オスがこうなりやすい。

 

 

 

 

カミオを追い出し、近所のKMさんに新しいペットシーツを持ってきてもらって、
捕獲器を再度セットしている時に、路地に車が入ってきました。

 

運転席の窓が開き、40代くらいの男性が顔を出しました。
「あの、ここはうちの土地ですけど、何してるんですか?」

 

 

院長のT先生に許可をいただいての捕獲作業であることを手短に話すと、
男性は「ああ、そうですか。」と言って窓を閉め、奥に入っていきました。
あの家に入っていったということは、この人が、
嫌な感じの人・・とKさんが逝っていたT先生の娘婿か。

 

捕獲器のセッティングをしていると、
奥に車をとめた先ほどの男性が徒歩でこちらに歩いてきました。
ポケットに手をつっこんだまま立ち尽くして、こちらの作業を見ています。

 

 

「うちの敷地で猫を捕まえるって・・・他人の土地でこういうことされてもね。」
「猫嫌いなんだよね、どこかにやってしまうこと出来ないんですか?」
「植え込みに猫の糞もあって迷惑だから、うちも困るんだよ。」
「そこのKさんが猫に餌をやるからこういうことになるんじゃないの?」

 

 

これ全部T先生の義理の息子さん=ネッチー氏の独り言。
私に直接話しかけるでもなく、微妙な音量でボソボソとずっとつぶやいています。

 

猫の捕獲作業とその理由について、T先生ご自身は納得し理解して下さっていても、
それが敷地内に住む他の家族の方々には、全く伝わっていないのだと思いました。

 

 

念仏のようなネッチー氏の独り言ですから、特に返事はしませんでしたが、
ずっと近くに立っていられることにイラっとしてきたので、

●T先生の許可をいただいて行っていること
●捕獲作業が終わったら引き上げること
●跡が残らないように掃除すること
●仕掛けた捕獲器に近寄ったり、猫を追い払わないこと

と再度ポイントを伝え、引き上げました。

 

 

 

 

結局、日中は猫を捕獲出来ず、捕獲作業は夜まで続けました。
ネッチー氏は窓から常に外の様子を見張っているようで、
私が捕獲器の様子を見に行くと、必ず玄関から出てきて、
少し離れたところから腕組みをしてこちらを監視しています。

「他人が自分の土地にいる限り、見張ってなくてはいけないでしょ。」
と言っていました。

 

夜の9時に最後のチェックをしに来て、そこで捕まっていなかったら、
今日の捕獲作業はやめて、また明日トライすると伝えると、
ため息&舌打ちの返事が返ってきました。

 


捕獲器に近づくものの、入らないカミュ。

 

 

翌日の昼前に再度捕獲器を仕掛けに現場に行くと、
ネッチー氏は不在のようで、ちょっと気が楽になりました。

 

2匹目の猫「カミュ」は、正午過ぎに捕獲器に入りました。
いつもお世話になっている病院は日曜日の午後が休診ですから、
カミュには可哀想ですが、明日の朝まで待機してもらわなくてはなりません。
その日は、ご両親が既に他界されて今は誰も住んでいないという、
Kさん宅1階のお部屋にカミュの入った捕獲器を置き、
翌朝、別案件で捕獲したジュリという猫を連れてきた仲間のANさんと一緒に
カミュを病院に連れていきました。

 

 

 

 


手持ちのケージがなかったので、
ワイヤーネットを使って急遽作成。

 

 

 

 

術後のカミュは、Kさん宅1階玄関内に設置した即席ケージ内で療養。
すぐにケージから脱走しましたが、バタバタ暴れることもなく、
狭い廊下スペースで過ごし、予定通り、療養後は外に戻りました。

 


術後ケージ内でこのように休んでいましたが、
すぐに脱走し、ケージの上や裏側に移動。

 

 


リリース時。玄関の扉を大きく開けているのに、
カミュはなかなか出て行こうとはしませんでした。

 

 

リリースしたカミュは、
その日のうちにKさん宅にご飯を食べに来ていました。
ハウスの上に座ったりもしていましたから、
もしかしたら、女子3匹に混ざって、
カミュもKさん宅に居候する猫になるのかもしれません。

 

 

 

 


リリース直後のカミュ。空腹だったようです。

 

 

 

カミュをリリースした後、Kさん宅の入り口付近で、
ケージや捕獲器を片付けていると、
ネッチー氏がこちらに歩いてきました。

 

「今日もまた捕獲するんですか?ずっとやられるのは困るんだよね。
こっちも色々と用事があるから。」

 

やはり、捕獲作業の間は監視を続けるつもりのようです。
このネッチー攻撃から出来る限り早く離れたい・・・
と思っていましたので、

「お宅の土地ではもう何もしません。これで終わりです。
ご協力ありがとうございました。」

と、会話を終わらせました。

 

 

 

後日、T先生を尋ね、ネッチー氏の件については一切触れずに、
2匹の捕獲は終わり、路地での作業はもうするつもりがないことを伝えました。

「最初の話では、もっと猫がいたはずだと思いますが、そうですか。」

相変わらず興味がないといった無表情でした。

 

 

誤解のないように付け加えておきます。
今回のT先生の描写は、野良猫の件に絡め、私の方が見て感じたもので、
医師としてのT先生はまた別の話です。
私も過去に何度かT先生の診察を受けたことがあります。
確かに無表情ですが、T先生は高圧的なところのない穏やかな先生です。

 

 

 

さて、あと2匹TNR予定の白黒がいます。
Tさんの敷地での捕獲作業はもう諦めましたので、
Kさん宅に捕獲器を仕掛けることになります。
庭を何とか片付けていただかなくてはなりませんね。

自転車をもう少し奥の方にしまい、プラントなどを移動して、
もうちょっとだけ、1階玄関前にスペースを作りましょう、
ということになりました。
その場所は人が頻繁に出入りする場所ですし、
猫の居場所になっている外階段下のスペースに通じる道ですから、
3匹の猫達の誰かが捕獲器に入ってしまう可能性は高いし、
捕獲予定の2匹の警戒心が増長するかもしれません。
でもそれはもう仕方がない。
ターゲットでない猫が入ったら出てもらい、
またセットして仕掛ける。
地道に繰り返していくしかなさそうです。

 

To be continued ・・・・

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