10年。これを区切りとしよう。
昨年からそのように考えていました。
2015年に初めてのカレンダーの制作販売を開始してから、
10年間、合計11冊のカレンダーを皆様にお届けしてきました。
全てのカレンダーを購入して下さった方々、
途中から定期購入して下さるようになった方々、
配布用にと毎年十冊単位で購入して下さっていた方々。
多くの方々に支えられながら、考えたり迷ったり、
時にはほぼ徹夜の作業に没頭したりしながら、制作を続けてきました。
今後も楽しみにして下さっている方々が多いのは十分承知しています。
ですが、10年の間に人間も年をとります。
思考力、集中力、気力、体力が10年前に比べ劣っているのも事実。
製作中は楽しかったはずなのに、販売、発送の段階となると、
膨大な交信量や梱包作業が徐々にプレッシャーとなってきて、
年々、気疲れするようになってきました。
「カレンダー販売から得られる利益は、
飼い主のいない猫達のために役立てられる」
という強い想いのみが、年代物のエンジンの導火線。
本格的な夏が始まる頃からカレンダー制作の準備を始め、
いよいよ冬の到来という時期にカレンダーが完売するまでの5ヶ月間、
イベント準備などと合わせて、自分自身、家族、
そして飼い猫達のための時間が大幅に削られることになりますが、
これもまた毎年、悩むところでした。
人間は他の部分で埋め合わせたり都合をつけられたりしますが、
猫は違います。
飼い猫達もハイシニアに近づき、通院することも多くなりました。
ただご飯をあげて水を変えてトイレの片づけをすればいいというものではない。
猫の一生は人間の一生よりずっとずっと短いのです。
もっともっと、飼い猫たちや、自分が保護した猫、地域猫達と向き合い、
愛情を注ぐ余裕が欲しいと思うようになりました。
そのためには日常の作業のいくつかを縮小あるいはカットする必要があります。
カレンダー制作販売と、2つの仕事のうち1つ。
これを今の自分の日常から外すことにしました。
また、カレンダーのデザインと編集作業を10年間、無償で引き受けてくれた友人。
彼女の協力なしでは、ひと月分のページさえ、作ることはできませんでした。
毎年仕事で忙しい時期に、彼女にとっては何の得にもならないカレンダー制作作業を
厳しい日々のスケジュールの中に組み込んでくれました。
掲載する文章、言葉、表現方法についてのアドバイスとともに、
私が集めまくって選んだ膨大な量の画像と向き合い、
センスの良い、クオリティの高い作品を作り続けてくれました。
多趣味な彼女ですから、他にも色々とやりたいことがあったはずです。
本来ならば自由に使えるはずの彼女自身の時間を取り上げてしまっていたこの10年。
感謝と同時に申し訳なく思っています。
10年間11冊。約4000冊。
購入者の方々からは、カレンダー購入という形で多大なご寄付をいただいたことになります。
それが猫の処遇や運命に繋がっていくことになるのですから、皆様には感謝しかありません。
カレンダーを手にした時の皆様の笑顔と優しい励ましや感動の言葉。
それを心の中にしまい、時々思い出しては懐かしみます。
ありがとうございました。
集大成と言うにはあまりにも大袈裟ですが、
10年間11冊のカレンダーを簡単ですが、振り返ってみようと思います。
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◆2016年カレンダー(2015年販売 100冊+α 卓上)
「わたしはあなたの隣に住んでいました」
イベントに参加するために急遽ねこ藩を立ち上げ、販売用にと急いで準備したカレンダーです。
とにかく地元の方々に野良猫問題に関心を持っていただきたいと思い、
「あなたはどうしますか?」と裏表紙で問いかけています。

◆2017年カレンダー(2016年販売 200冊+α 卓上)
「みんなねこ」
2冊目の卓上カレンダー。猫は、ショップやブリーダーにお金を払って購入するものだと思っている方々に、
「保護猫を迎えるという選択肢もありますよ」、「売られている血統種も、野良出身の雑種も同じ猫ですよ」
というメッセージを届けたかった。

◆2018年カレンダー(2017年販売 300冊+α 壁掛け)
「ねことあなた」
猫を飼っている方々、猫を飼おうとしている方々向けに、「どうして猫は○○なんでしょう。」的な軽い語りで、
各月に猫の実態に関する短い説明文を添えました。
卓上カレンダーではひと月に1匹のモデル猫でしたが、
壁掛けタイプにすることでひと月に複数の猫達が掲載できるようになりました。
担当者が画像の切り貼り加工を頑張ってくれましたが、ハードな作業で苦労したと思います。

◆2019年カレンダー(2018年販売 300冊+α 壁掛け)
「When you open your door to us ……」
保護と譲渡が頻繁で、次々と里親の方々や猫関係者と知り合うようになっていた時期でした。
飼い主のいない猫とはなんだろう?飼い主のいない猫と人間の関わりあいとは?をテーマにしています。

◆2020年カレンダー(2019年販売 400冊+α 壁掛け)
「ほごねこになる。」
小さくて可愛らしい子猫ばかりに注目が集まりがちですが、
大人の猫でも寄り添って過ごすうちにかけがえのない存在になる。
外から保護した成猫に偏見を持たないでくださいという願いが根底にあります。

◆2021年カレンダー(2020年販売 400冊+α 壁掛け)
「Now or Never. You or No One.」
体調の悪さを隠して、悟られないようにする猫の本能。
そばにいる人間が気付いてあげなければならない時、
それに対して早急なアクションが求められる時があります。
様子見というのは放置といっしょ、あなたがやらなくて誰がやるの?というメッセージ。
自分への戒めでもありました。

◆2022年カレンダー(2021年販売 400冊+α 壁掛け)
「ちいさくておおきい Small, Weak, but Irreplaceable.
前年のテーマを引き継いでいます。
猫は人間と比べると本当に小さなサイズの生き物ですが、その存在感は絶大だと日々感じています。
1匹の猫との出会い。その猫のために何がしてあげられるか。
何にでも後悔はつきものですが、自分の本心に従った行動は、どういう形であれ、
その時点での最善であったはず。私自身の実体験が大きく影響しています。

(2022年カレンダーには、保護猫、地域猫を紹介する別フライヤーを
折り込みました。)

◆2023年カレンダー(2022年販売 500冊+α 壁掛け)
「ねこいろ ねこがら ねこもよう ~A variety of Cat Coat Colours and patterns」
これまで自分の考え方や想いをカレンダーに添えてきましたが、
ここでは猫という生物の歴史に触れ、猫の色柄はどう表現するか、
色柄はどのようにして決定するのかという猫辞典的な内容にしてみました。

◆2024年カレンダー(2023年販売 500冊+α 壁掛け)
「The Definition of a Cat 飼い猫の定義」
芸術家、作家、詩人、学者達によって書かれた、猫に関する有名な、面白い言葉を紹介。
猫の本質について書かれた文章の行間には、飼い猫に対する愛情が見え隠れしています。
猫を飼っている方なら、自分の飼い猫の性格や行動を観察して、
ユニークな名言をいくらでも生み出せるはず、と思いました。

◆2025年カレンダー(2024年販売 300冊+α 壁掛け)
「Nine Lives. One Life.」
自分が関わっている、関わったことのある地域猫、保護猫達の死を経験する度に、
「Nine lives(猫には9つの命がある)」と言う言葉が頭を過ります。
亡くなっても、すぐにまた蘇る・・・本当にそうであればいいのにと
常々思っていた気持ちがテーマになっています。

◆2026年カレンダー(2025年販売 500冊+α 壁掛け)
「One Step Forward ~飼い主のいない猫のために 地域のために」
ねこ藩が制作販売するカレンダーということで、テーマについては色々と悩みました。
外で生まれた野良猫達が地域猫や保護猫、そして飼い猫となっていく過程では、
必ず人間との出会いがあります。
その人間=多くの猫に関わってきた仲間達に焦点をあて、
また、表紙と裏表紙には私のボランティア活動の原点となった猫一家を登場させました。
The end.
