5月。
知人のボランティアKさんに協力し、
里親探しのお手伝いをすることになった3匹の子猫たちは
みなそれぞれ素敵なご縁に恵まれました。
最後のつばさをお届けして、ほっと一息。
それから、2週間後の6月17日の早朝、
上村さんからLINEが来ました。
「夜明け前から鳴いていた子猫を保護しました。
親猫とはぐれたみたいで、1匹だけいました。
隣の駐車場の横にあるお宅の庭先にいたんです。
まだ生後1ヵ月にもなっていないと思います。」
上村さんご一家は、乳飲み子の預かりを引き受けて、
協力して下さるとても有難いご一家で、
私も絶対的な信頼をおいています。
その上村さん宅に子猫が現れた!
乳飲み子を育てることに長けている上村さんの側にやって来て、
小さな体に大きな声で一生懸命SOSを呼び掛け、
上村さんに見つけてもらい、抱きあげてもらって、
なんて要領のいい(笑)子なんでしょう。
翌日、上村さんと一緒に子猫を病院に連れて行きました。
280グラムという体重から推測するに、
まだ生後13日目の小さな赤ちゃんです。
隣の土地で保護したから、名前はりん(隣)ちゃん。
まだ幼な過ぎるため、行える医療行為は限られています。
フロントライン(駆虫薬)のスプレーを少量手に取り、
そっと体に擦りつけるぐらいしか出来ません。
本格的な駆虫もワクチンもまだまだずっと先。
あと1ヶ月半くらい、まめにお世話をして、
健康な子猫へと成長してもらわなくてはなりません。
里親さん探しは、まだ、先の話・・・
と、普通はそういうものです。
ところが!
なんと、上村さんが保護した日から11日目に、
りんちゃんは早々と卒業していきました。
実は、上村さんから「子猫を保護しました」と連絡が来た3時間後に、
市内にお住まいのSTさんから、こんなLINEが届いていたのです。
「そろそろ、2匹目の猫を迎えたいと思っています。
里親会等ありましたら、日程を教えていただけませんか?」
あら~、なんというタイミングでしょう。
STさんご一家は、2017年夏に、IKさんが保護した子猫、
カイくんを貰って下さった里親さまです。
当時は1匹飼いを希望ということでしたが、あれから時間も経過し、
そろそろカイくんにお友だちを…と考えていらっしゃるのです。
STさんは、生き物の発するエネルギーを見ることができる、
ちょっと不思議な力をお持ちなのです。
カイくんの気持ちや無言の呼びかけも、時々、
言葉となって心に聞こえてくることがあるそうです。
「ちょうど今朝、本当に小さな子猫を保護したんですよ。」
早速りんちゃんの画像を送ってみると、
すぐに、STさんから返信が来ました。
「家族に見せました。みな可愛いと言っています。
私も今リンちゃんのエネルギーを見たのですが、
この子はカイくんとの相性がとても良さそう。
おおらかでいい子というイメージですね。」
それから数日後、STさんはご主人と一緒に
リンちゃんに会いに、上村さん宅にやって来ました。
懸念材料は、血液ウィルス検査結果です。
先住猫のカイくんが、猫エイズ・猫白血病共に陰性、
つまりノンキャリアの猫ですから、
リンちゃんも陰性であって欲しい、とのこと。
翌日、事情を理解して下さった獣医さんが、
リんちゃんの血液ウィルス検査を行って下さり、
現時点での結果は陰性とわかりました。
上村さんは、6月末にご一家で、数日間、帰省する予定があり、
その間、私がリンちゃんを預かるつもりでいましたが、
専業主婦で家にいるSTさんが、
「私、子育てやります。大丈夫です。」
と言って下さいましたので、上村さんの旅行に会わせる形で、
リンちゃんはSTさんご一家に移動することになりました。
STさん宅に到着~。
普段は穏やかで優しいカイくんです。
最初は、小さなリンちゃんの出現に驚き、
ママをとられないかと不安に感じていたようですが、
時間の経過とともに、リンちゃんを受け入れてくれました。
大切な子猫の社会化の時期に、1匹にならなくてよかった。
カイくんという教育係を得て、時には怒られたりしながら、
リンちゃんは仲間との付き合い方を学んでいくのです。
上村さん宅での保護期間中、
上村さんが排泄を促してあげた時に、
トイレ(小)をしていたリンちゃんですが、
STさん宅に移動する前日、まるで卒業に合わせるかのように、
自力で初トイレ(小)を、その夜には、初トイレ(大)も済ませました。
また、早い時期に離乳食に興味を示し食べ始めたものの、
またミルクに逆戻りしてしまったり、
便秘が続いたり、と心配もありましたが、
STさん宅に移動したその日に、リンちゃんは
離乳食をぺロリと完食し、自力排泄も出来ました。
子猫は日々成長していくものですが、
リンちゃんの成長は、頼もしく思えるほど順調のようです。
まだ掌サイズだというのにしっかりとした表情、
物怖じせず精力的に動き回り、
ひとり遊びをしては、ひとりでベッドに戻る。
あまり手のかからない赤ちゃんだったリンちゃん。
まれにみる可愛らしさ!と上村さんご一家は大喜びでしたので、
あまりに早い卒業にちょっと寂しさを感じていたかもしれません。
幼猫の子育て経験が豊富な上村さんの前にリンちゃんが現れ、
ほぼ同時に、「猫を迎えたい」とSTさんから連絡。
とても自然な流れだったように思います。
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こねこの話はこれで終わり・・・
ではありませんでした。
上村さんから「子猫を保護した」という連絡のあった
6月17日からわずか5日の間に、近隣地域2ヶ所で、
計14匹の子猫を保護することになってしまったのです。
To be continued・・・
リンちゃんは生命力の強い運のある猫ちゃんだと思いました。保護してくれた上村さんのお家にお邪魔した時に何て小さいのだろうと
びっくりしたのを覚えています。
一人で一生懸命に鳴いて上村さんを呼んだのでしょうね。
私が連絡したのも三時間後だったようで、驚きました。実はその今朝方にたくさんの猫が夢に出てきて、
助けないとって思ったのです。
リンちゃんはうちに来た時も赤ちゃんとは思えないぐらい自立していました。
生きる術を身につけているかのように順調に育っています。
つい先日もリンちゃんから、ありがとうと言われたんです。不思議な出来事でした。
リンちゃんに合わせてくれた上村さんに心から感謝をしています。