前回のお話
4月17日のブログ
東奔西走:③東の猫たち~見切り発車的な。

 

東組=春田アパートでの、残りの捕獲作業について報告する前に、
ジャングルハウスTNR作戦に至る経緯を記しておこうと思います。

未開の地、ジャングルハウス、ついに着手!

(そんな大袈裟な話ではない)

 

 

 

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◆猫を探して◆

 

2017年5月31日に突然1匹だけで現れた黒い子猫・はやて。
我が家の庭で捕獲→保護から2週間で譲渡と、あっという間の展開でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんであんなに小さい子が1匹だけいたの?」
「はやての母猫は? 他のきょうだい達は?」

あの頃、怪しいと思われる猫が周りにいなかった為、
重田のおばあさん宅にいる猫達の一味かも、と思いました。

 

7月の終わりだったと思います。
何だったんだろう、何か予感めいたものがあったのか。
買い物の帰りにふと思いつき、近所の駐車場に行ってみました。
通りに面したIRさん宅の裏にあるIRさん所有の駐車場。
その北側の塀の向こうはジャングルハウスへの通路になっています。
駐車場の一番奥の車まで歩き、そっと覗いてみると、
車の陰に、猫の一家が寝ていました。
母猫の腹に、だいぶ大きくなった子猫が吸いついています。
近くで見ようと足をそーっと一歩踏み出すと、
母猫は警戒したようにむくっと首を持ちあげました。
ポケットを探り、スマホを…
あっ、しまった、家に置いてきた!

撮影出来ないのであれば、記憶に留めるしかない。
じっと見ていたら、一家はもそもそ動き、車の下に隠れてしまいました。
しゃがんで覗きこみましたが、はっきりと数がわからない。
母猫は茶トラ、生後3ヶ月以上の大きさになっている子猫達は、
キジトラっぽいのが1匹と黒っぽいのが2匹…かな?

 

駐車場を借りている人間以外はほとんど出入りしない場所です。
それ以降、出かける際には時々あの駐車場に足を運び、
猫の姿を探しましたが、時間もまちまちだった為、
あの一家の姿を見ることはありませんでした。

 

 

駐車場の一番奥。
塀の向こうはジャングルハウスに通じる道。
 

 

 

 

 

 

 

イエローの部分に猫一家がいました。
ジャングルハウス側の木々は
全く手入れされていないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆猫の目撃者:ISさん◆

 

駐車場通いをしていたある日、駐車場の奥にある住宅の掃き出し窓が開き、
「こんにちは。もしかして猫のことをやって下さってるHさん?」
と話しかけられました。
90代のお母様と二人暮らし、70代のISさんという住人です。
声も話し方も若々しく、とても70代とは思えない社交的なおばさま。

ISさんは、だいぶ前に、
「Hさんという方が、この辺で野良猫の不妊手術をしていますよ」と、
ご近所さんから教えられ、一度、話をしてみたいと思っていたそうです。
ここのところ何日かおきに、探し物でもしているのか、
駐車場をうろうろしている女性(私)が居間の窓から見えたので、
あれがHさんだな、と思い、声をかけて下さったのでした。
ISさんのご招待を受けて、ちょこっとお家にお邪魔しました。

この辺りは地道にTNRをしていますので、
爆発的に猫が増えることはないと思っているんですが・・・、
と話す私に、ISIさんはため息をつきました。

「いやいや、それはHさんが知らないだけだと思う。
ここんとこ、うちの庭はもう猫だらけよ。
大きいのから、こーんなに小さいのまでちょろちょろと。
庭の花壇を掘り返したり、糞尿したり、走り回ったり。
どうせまたSさん(ジャングルハウス住人)が餌をばらまいてるんでしょ。」

 

ショックでした。

 

同じ通りでも一歩奥に入ると私の知らない世界。
猫達がたくさんいても、その猫達が道路を超えて我が家方面に来なければ
目撃することもないし、存在を知ることも出来ない。
結構頑張ってTNRしてきたと思っていたのに、
自分は甘かった・・・と思い知りました。

 

ジャングルハウスを取り囲む地域に現れる猫をTNRしなくては!
と焦る私に、
「Sさんの所に行くなら、言って。私も一緒に行ってあげる。」
とISさんはおっしゃって下さいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きれいに手入れされたISさんのお庭ですが、あちこちの花壇が掘り返されています。
イエローの←の部分に、ジャングハウスの木が塀を越えて生い茂っているのが見えます。

 

 

 

 

 

◆猫好きな森本さん◆

 

10月頃、近所の森本さんが困っているという話を耳にしました。
森本さんはカプ君の飼い主宅のお隣に住んでいて、
3年前、カプ君が外に出されたままになってからは、
ずっとカプ君にご飯をあげてきた方です。

外猫として世話をしていたさくらちゃん(オスだけど)が春頃自然死してしまい、
出入り自由で飼っていたパピちゃんというオス猫も夏頃亡くなってしまいました。
猫がいなくなってしまって森本さんは寂しかったのだと思います。
自宅前を通る猫にご飯をあげていたら、猫に子供が生まれたらしく、
徐々にその数が増えていき、やがて団体ご一行さまで通ってくるようになってしまった。
あちこちで会う人会う人に、これは不妊手術をしないとまずいわ~困ったわ~、
と話をしていたのが、 まわりまわって私の耳に入ってきました
近所なんだから、直接私に言って下されば話は早かったのに。

 

 

 

 

奥の←が森本さん宅。
ジャングルハウスから出て通りを渡ってくる
猫達ご一行は、この袋小路でうろうろしています。

 

 

 

 

 

 

以前、保護猫・百音ちゃん一家の医療費でねこ藩の資金を使い果たしてしまい、
確かそんな話を森本さんにそれとなく話した記憶があるので、
森本さんは気にされていたのかもしれません。

11月の市民まつりの際、森本さんは、
『猫が好きとか嫌いとかそういうのはどうでもいいから、
ねこ藩さんのカレンダー買ってあげてよ~』
と、ご自身の友人達数人の手を引いて、
ねこ藩のブースに連行してきて下さいました (^_^;)。

 

 

ある日、森本さんは、言いました。
「無料で不妊手術をしてくれる人がいるっていうから、その方にお願いする。」

 

えー。
そんな奇特な方いるの?
もぐりの獣医師とか?
その話おかしい。

 

 

 

◆猫好きなスミさんと、Kご夫妻◆

 

私もよく存じ上げている、近所の衣料品店に勤めているスミさんが、
森本宅にご飯を食べにやってくる猫ご一行さまの話を聞き、
「無料で猫の不妊手術をしてくれる人がいるから聞いてみるわね」
と、森本さんに持ちかけたそうです。

「親切なガイジンさん」という追加情報でピンときました。

ああ、それは、距離は少し離れているけれど、
私と同じ町内に住むKさんご夫妻のことだ。
奥様は日本人のKKさん、ご主人はカナダ人のKTさん。
Kさんご夫婦は、これまでにもう何匹も自費で野良猫達の不妊手術を行っています。
ご近所からの苦情に悩みながらも、術後の猫達にご自宅の敷地でご飯をあげて
世話をしていらっしゃるのです。

 

スミさんが勤務している店の、道を挟んで反対側にある店舗があります。
その店舗の店主とは、カプ君を外に放り出して
沖縄に引っ越したもと飼い主(20代の女性)のオヤジです。
ノルウェジアンかメインク―ンの血でも入っているかのような
グレーの長毛=つみれちゃんが、常に彼の店舗を出入りしていました。
餌をやったりやらなかったり、世話をしているのかしないのか。
娘が残していったカプくんと同じ扱い。似たもの親子。

 

 

 

 

カプ君

 

 

 

 

留守がちなオヤジの店舗の前で、いつもご飯を待って坐っているつみれちゃんを
不憫に思ったスミさんとご同僚が、きちんと餌をあげるようになりました。
「つみれちゃんに不妊手術をするべきではないか」
スミさんはオヤジに助言しました。

 

オヤジは、顔見知りだった、慈愛深いカナダ人のKTさんに
不妊手術をお願いしました。
その際、KTさんはお金を受け取らなかったそうです。
恐らく、1匹くらいならと、困っている知人に対しての
KTさんなりの親切だったのかもしれません。
以来、Kさんご夫婦には、
「タダで不妊手術をしてくれる人」
という誤った形容詞がついてしまいました。

 

「よく考えてみればそうよね。
私が感違いして紹介したりして、
ほんと、悪いことをしてしまったわ~。」
と、後日、スミさんは申し訳なさそうにおっしゃっていました。

 

しかし、その時既にKTさんは動きだしており、
森本さん宅で1匹、白キジを捕獲していました。
オスでしたので近所の病院で去勢手術。

 

 

 

 

KTさんがTNRして下さったキジ白。

 

 

 

 

 

私もよく知っている奥さまの方=KKさんは
「森本さんは、無料だと思っていらしたんですよね。
今更、手術代を請求できないので、この1匹分は私達が負担します。」
とおっしゃって下さいましたが、
事情を知った森本さんは、
「いやいや、そんな厚かましいことは出来ない(当たり前です)」
と。KKさんに10000円を渡しました。

「これからHさん(私)、何匹もTNRでしょう?この10000円、どうぞ使って下さい。」と、
KKさんはねこ藩に寄付して下さろうとしましたが、
そのお金はKさんが立て替えた分ですからと、
そのままKさんご夫婦の懐に収めていただきました。

 

 

 

 

 

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ということで、ジャングルハウス側のTNRも、
猫についての知識が不足したままスタートした形になりました。

いったい、何匹いるんでしょうか。
森本さんも、8匹、いやそれ以上かも、と曖昧です。

「森本さん、ご飯を食べに来ている猫を観察して、
色柄・特徴をメモっておいて下さいますか。
出来たら写真もお願いします。」
「はい、わかりました、やっておきます!」

その後森本さんから来たメール。

「今日は、私がしっぽちゃんと呼んでる可愛い子が来ました。」
「とらちゃんが食べてました。」

 

 

誰それ。

 

 

 

えーと、そうではなくてですね。
てか、森本さん、もういいや。

 

 

 

休みの1日を使って、何度か違う時間帯にあの辺りを観察しに出かけました。

午前:
猫ゼロ。

昼過ぎ:
キジ白が通りを横切る。多分KTさんが手術したオス。

夕方:
森本さん宅のある袋小路の通りにわらわら。
生後2-3ヶ月くらいの子猫2匹、
若いキジトラっぽいのが2匹、白黒猫1匹。

夜:
猫ゼロ

夜中:
団体様登場。
ジャングルハウス手前の駐車場に6匹。
急いで家に戻り、ご飯と猫じゃらしを持ってくる。
大き目の猫は白黒、白キジ、キジトラ。
小さい子はキジトラっぽいの1匹、サビ1匹、白が多い白キジ?
あと車の下に隠れている猫が2匹くらい。

別の日夕方:
我が家の私道に、先日目撃した白黒猫らしき姿。

 

 

 

 

 

夜中の駐車場。

 

 

 

 

うわ~、本当にいた~。

 

下調べとか言ってる場合じゃないよ、もうこれ。
手あたり次第、どんどんやってしまわないとダメだ~。

 

 

 

 

 

 

赤の数字は目撃数。

 

 

 

 

 

そして、この西組=ジャングルハウスも、
東組・春田アパートと時をほぼ同じくして着手することになったわけです。