昨年、2018年(平成29年)の年明けにアップしたブログです。
「数字の変化:本当の意味で?」~2016年(平成28年度統計資料)
https://nekohan.jp/archives/7261
そして、これが昨年12月に環境省が公表した最新の資料です。
「2017年(平成29年)度の犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h30_3_4_3a.pdf
平成28年度と平成29年度の千葉県の数字を比べてみます。
幼猫の殺処分数は、半分以下になっています。
所有者不明の幼猫引き取り数も減少しています。
野良猫が出産して困ってるから引き取って~、のことだと思います。
【平成28年度は29654匹のうち千葉県の幼猫殺処分数は674匹でした。
この「674匹」という数字を1年間、頭の中に置きます。】
と、昨年のブログで書きました。
ねこ藩ホームページTOPにも1年間、この「幼猫殺処分数=674」を
表示していました。今から1年間、この数字が「302」になります。
「302」が来年、さらに少なくなっていることを願います。
もちろん、幼猫だけではなく、成猫に関しても同じ。
減少した幼猫殺処分数とは対照的に、
29年度の成猫殺処分数は、28年度の倍になってしまっています。
関連があるかどうかはわかりませんが(いや、きっとある)
眉をひそめたくなる数字が青字の部分。
飼い主からの引き取り数が増えています。
これは、「飼い主が飼育を放棄した」ということです。
やはり、人間の高齢化と関係があるのでしょうか。
高齢の飼い主が猫の世話をしきれなくなって放棄。
あるいは、高齢の飼い主が亡くなって、その遺族、ご近所さんが、
「飼い主がいなくなり、誰もこの猫を飼えません」と
愛護センターに持ちこんでくるとか。
昨年も同じようなことを書きましたが、
自治体が殺処分を減らす為には、
持ちこまれる猫の引き取り拒否をするか、
受け入れた猫の譲渡を促進するか、
猫ボランティアに引き取ってもらうか、です。
自治体にも改善の余地はまだあるとは思いますが、
それよりもまず、ペットを飼う人間の責任と意識です。
自分が死んだあとのことまでわからない、では無責任。
ペットが取り残される状況になったらどうするのかを
飼う前に、飼っている間に、しっかりと考えて
決めておかなくてはなりません。
平成28年度は、引き取り数1667匹のうち、
返還と譲渡で902匹の命の灯が消されずに済みました。
しかし、734匹の猫(うち幼猫は674匹)が葬られ、灰となりました。
平成29年度は、引き取り数1526匹のうち、
命が繋がった猫は1102匹、全体の70%です。
しかし、残り3割の猫はガス室送りでした。
10匹のうち3匹が生きることを許されなかった。
私個人としては、殺処分ゼロは不可能ではないかと思っています。
でも、ゼロは無理でも、ゼロに向かって数字を下げることは可能だと思う。
「No kill」ではなく、「Low kill」。
ねこ藩がこれまでにやってきたことなど、
サハラ砂漠を構成する砂のバケツ一杯分くらいにしかならないでしょう。
それでもいいと思っています。
バケツを持って砂漠に立ったことに意味があると思うようにしています。
未不妊の三毛猫ミー子から生まれた子猫4匹(2018年10月撮影)。