SD2の一画で飼い主のいない猫を管理しているSBさんとTRさんのお宅から
歩いて3分程の場所に、ハルコさんが住んでいます。
長年その土地で商売をしてきたハルコさんは、数年前に廃業してからも、
以前の従業員が餌付けし敷地に居着いてしまった野良猫達の世話をしてきました。
2015年夏、まだ「ねこ藩」というものはありませんでしたが、
Ｈ個人で、 敷地内にいたヤギくん(011)とグレコ(010)の不妊手術を手伝い、
グレコの産んだ4匹の♀の子猫を保護して飼い主さん探しをしました。
シゲちゃん(K-023)、カラちゃん(K-024)、めめちゃん(K-026)、
そして、生まれつき脳性マヒで寝たきりの未来ちゃん(K-025)です。
未来ちゃんについてはこちら↓をどうぞ。
幸せな未来に向かって生きる・前編
幸せな未来に向かって生きる・中編
シゲちゃん
カラちゃん(右)とめめちゃん(左)
未来ちゃん
グレコ
その後、古い店舗と住宅を取り壊し、新しい賃貸物件を建てることになりました。
庭にいた猫達のうち、他の猫とうまくいかない白猫のももちゃん♀は、
ベテランボランティア三木さんの尽力で飼い主さんが見つかりました。
ハルコさんによく慣れている白猫のへーすけ♂と、
慣れてはいないがハルコさんが可愛がっていた白黒のグー太♂は、
ハルコさんが仮住まいをする住宅に連れて行き、 室内で世話をすることにしました。
人慣れしていない3匹の猫達、グレーの美しい猫・グレコ♀(避妊済)、
シロキジのヤギくん♂(去勢済)、尻尾のないキジトラ・スマくん♂(未去勢)、
は庭に残されることになりましたが、
ハルコさんは、毎日工事現場に通い、3匹の猫達にご飯を与え続けました。
工事が終わった2016年夏の終わり、へーすけとグー太を連れて、
ハルコさんは新しく完成した敷地内の住居に戻ってきました。
グレコはその少し前から姿を消し、現在も行方不明です。
ヤギくんとスマくんは、ハルコさんに段ボールのハウスを貰い、
玄関前で寝泊まりしています。
2016年末、ボランティアの三木さんから、
「ハルコさんのところに新しいメスが2匹来ている。
あの場所は一通り不妊手術も済み落ち着いているのだから、
新しく来たメスをTNRしておかないと…。」
と連絡が来ました。
お金の問題、時間、これまでの経緯…いろいろ考慮した上で、
三木さんではなく、ねこ藩がお手伝いをすることになりました。
直接話を伺おうと、久しぶりにハルコさんを訪ねました。
どうやらそのメス２匹は来たり来なかったりで、
ハルコさんもどのタイミングで捕獲器をセットしようか…と思案していました。
メス2匹が現れないまま時間は過ぎて行きました。
庭にいた猫で１匹だけ不妊手術がまだだったキジトラのスマくんも
この際去勢手術をしてしまおうということになり、
ハルコさんは首尾よく、スマ君を捕獲器で捕獲しました。
メールの行き違いがあり、「捕獲しました~」と連絡が来たのは、
捕獲から1日近く経過した頃。
スマくんをこれ以上狭い捕獲器の中で待たせるのは可哀想ですから、
何とか時間を作って、スマくんを夜病院に連れて行き、
先生はその場ですぐに去勢手術を行って下さいました。
ハルコさんは数年間、スマ君の世話をしてきました。
寝床を用意し、ご飯も毎日与えて。
しかし、スマくんは警戒心が強く触れない猫でした。
麻酔が効いて動かなくなったことを確認すると、
先生はスマくんを抱き上げて、ハルコさんの膝の上に置きました。
「抱っこしたことないでしょ？はい、どうぞ。」と。
ハルコさんは「わっ」と一瞬びっくりしていましたが、
膝の上のスマくんに手を添えて、
「キミはこんなに重かったんだねぇ。」と言いました。
手術台で先生が処置をして下さっている間、ハルコさんは
スマくんの爪切りや耳そうじやブラッシングを手伝い、
ウェットティッシュでスマくんの体を拭いてやっていました。
「長年の汚れね。少しでもきれいにしてあげよう。」
ウェットティッシュは真っ黒になりました。
触れるうちにしてあげられることはやっておく…
その晩玄関内で、金属ケージに入れたままのスマくんを休ませ、
翌日庭にリリースしました。
ハルコさんの庭はスマくんの長年の住まいですから、
もちろん今でもスマくんは庭にいます。
ヤギくんとスマくんは段ボールの中で寒そうに寝ていましたので、
発砲スチロールの猫ハウスに変えたらどう？と提案すると、
ハルコさんは「じゃ２つお願い」と、箱の代金を支払って下さいました。
◆2月3日◆
スマくん・キジトラ♂
体重：5.4㎏
推定年齢：3-4才？
医療費：9000円(去勢手術と三種混合ワクチン)
(ハルコさん手術代負担6500円・ねこ藩ワクチン代負担2500円 ）
To be continued ……….
