前回のお話はこちら。
2019年5月18日のブログ
「ミーコと赤ちゃん:②幸せな保護と切ないTNR」

ミーコと赤ちゃん:②幸せな保護と辛いTNR

 

 

 

10月11日に早朝に捕獲したミーコを、午前中、都内の病院に預けました。
その日の夜、避妊手術を終えたミーコを迎えに行き、
知人でペットサロンを経営しているKさん宅に連れて行きました。
ミーコは、Kさん宅裏にある犬猫専用部屋の個室ケージで、
5日間の術後療養過ごすことになります。

 

ミーコと一緒に、4匹の子猫たちも病院に連れて行きました。
駆虫薬滴下やワクチン接種にはまだ少し早い月齢ですので、
フロントライン(駆虫薬)のスプレーを少量手にとり、
それを指の腹で子猫達の体に軽く摺りこむ程度です。
子猫たちは生まれてからほとんどの時間を、
ミーコと一緒に箱の中で過ごしたこともあり、
比較的きれいな状態でした。
先生の性別判定の結果は、4匹全て女の子。
保護せずにあのまま放置していたら、1年後には、
隣の△丁目には爆発的に野良猫が増えていたでしょう。
想像しただけで恐ろしいです。

 

 

4匹の子猫たちに名前をつけます。
白茶の子は、毛色からストレートに、「ちゃこ」。
白×ポイントの子は、体がほとんどまっ白ですので、「ゆき」。
三毛の子は、華やかな色合いなので、「はな」。
グレーの子は、後々理由を説明しますが、「ほのか」。

 

 

 

子猫たちは皆、見た目は健康そうに見えましたが、
ほのかだけに異常がありました。
他の3匹のお腹は、赤ちゃん猫に良く見られる、
ポンポコリン状態でしたが、ほのかは遥かにそれ以上です。
まだ400グラムにも満たない体なのに、
お腹がテニスボール大に膨れているのです。

おしっこが溜まっているのか、それとも・・・。

この月齢の子達は、母猫がお尻を舐めて排泄を促します。
自力で排尿をするにはまだ少し早いのです。

タオル、ガーゼ、ウェットウィッシュ等を
ぬるま湯で湿らせ、それを指に巻いて
子猫の肛門あたりを、トントンとたたきます。
擦ったり押したりせずに、優しく、軽く。

 

昨日から今朝にかけて、ほのかだけが、
ミーコにお尻を舐めてもらわなかったか、
細菌性の膀胱炎になってしまったか。
最も怖いのは、猫伝染性腹膜炎(FIP)です。
腹膜炎の初期症状は腹水や、腹部膨満。
子猫の腹膜炎は致死率が非常に高い。

獣医さんは、
「腹膜炎の可能性も否定できないけれど、
熱はなさそうだし、元気がないわけでもない。
Hさん(私)がこれから~明日の朝にかけて、
指でトントンと排泄を促してあげて。
改善しなければ、明日もう一度連れてきて。」
とおっしゃいました。

 

 

帰宅して、ほのかのお尻を刺激してみましたが、
尿が出る気配はありませんでした。
ほのかも心配ですが、他の3匹の栄養も心配です。
母猫ミーコの授乳はもうありませんので、
人間がミルクを飲ませてあげなくてはなりません。

ぬるま湯で溶いた赤ちゃん用の猫ミルクを哺乳瓶に入れ、
順番に飲ませると、ものすごい吸い付きです。
お腹がペコペコだったのでしょう。
ほのかも一生懸命飲んではいますが、
これ以上お腹が膨れたらどうしようと不安になります。

 

ミルクを飲み終わり、排尿を促しましたが、
どの子もおしっこをしようとはしませんので、
後でまたトライすることにして、ケージに入れました。
5分程はピャーピャーと騒いでいましたが、
突然スイッチが切れ、長い長いお昼寝タイムに入りました。

 

 

 

この後、仕事や用事で外出しなければならず、
子猫たちには10時間近くの留守番をさせてしまいました。

帰宅して、ケージを覆った布をめくって中を覗くと、
4匹はそれぞれの寝相で爆睡中です。
人間の夕食中、ケージの中でもそもそと音がしました。
食べ物のにおいにつられてお腹がすいたのかな。

哺乳瓶でミルクを順番に与えた後、
子猫用のペースト状フードを皿に盛って、
子猫の目の前に置いてみました。

 

食べてます!

 

 

お皿の中にペチャっと顔ごと突っ込んだりして、
ぎこちないし下手ですが、一生懸命です。

 

 

お皿から離れた順に子猫を抱き上げ、
子猫トイレの上で排尿を促します。
チャコを持ちあげてお尻を刺激しようとすると、
くねくねと、嫌がる仕草を見せました。
試しにチャコをトイレの猫砂の上に置いてみると、
なんと、自分でおトイレをし始めました。

続いてそばにやって来た、はなのお尻を刺激してみました。
はなも猫砂の上に坐り、おしっこポーズをとっています。
ゆきもほのかも興味津津で、次々とトイレに入ってきます。

もしかして、もう私の手は必要ないのかな?
私は数分、子猫たちを自由にさせておきました。
皆、トイレから出てきて、床を歩き探検し始めました。

ほのかだけは、きちんと排尿をしてもらわないといけません。
ほのかを持ちあげて、またトイレに戻しました。

あれ?

ほのかのお腹がぺちゃんこになっています。
平らになった分、お腹の皮がしわしわ。

 

よく見てみると、トイレの下に何枚か広げて敷いた
ペットシーツの上に、大量のおしっこがありました。

やった~! すごいよ、ほのか!
お腹苦しかったね、もう大丈夫だよ。

身軽になったほのかは、他の子たちを追いかけて、
ポコポコと小走りをしています。

 

少しの間、注意して見守りながら子猫たちを遊ばせた後、
食事で汚れた口の回りと、トイレを済ませたお尻を
ウェットティッシュできれいに拭き清潔な状態にして、
全員をケージの中のベッドに戻しました。

夜中に一度起きて、ミルクを飲ませ、ペーストを食べさせました。
この感じだと、あと2-3日もすれば、フード主体に切り替えられそうです。

 

 

◆10月12日(金曜日)◆

 

この日も、また、あちこち出かける用事があり、
日中、子猫たちは長いお留守番です。
自分は子猫の保護には向かないと、つくづく思いましたが、
既に保護して、室内でお世話を始めた以上、
子猫たちにも頑張ってもらわなくてはなりません。

 

そういう時に心強いサポート!
菅野さんから「2泊3日で子猫たちを預かるよ~」と
連絡が来ました。ご主人が旅行で不在だそうです。
夕方、ケージごと、菅野さん宅に子猫たちを移動しました。

私の週末は外出の用事で埋まっていましたので、
こういう協力は本当に助かります。

菅野さん宅には飼い猫が3匹います。
茶太郎、ミホちゃん、四肢不自由で寝たきりの未来ちゃん。
庭には14年以上も頑張っている外猫のこすずがいます。
更に、菅野さんは地域猫達の世話もあり、
そこに4匹の赤ちゃん達がお邪魔するのですから、
あっちの世話、こっちの世話と大変な忙しさです。
ゆっくりとご飯を食べているひまもありません。

サトウのご飯の上に塩昆布だけ。
送られてきた画像を見て、失礼ですが、笑ってしまいました。

 

 

 

◆10月14日(日曜日)◆

菅野さん宅でのお泊りを終え、2日ぶりに我が家に戻って来た子猫たち。
この時期の子猫の成長は本当に早く、毎日毎日新しいことを覚えていきます。
お皿からミルクを飲むのはまだ下手なので、しばらくは哺乳瓶からになりそう。
でも、お皿からフードを食べるのはかなり上手になりました。

 

夕食終え、ひと眠りすると、今度は
保護前から預かりを申し出て下さった、
ボランティアのNさん宅に移動です。

 

Nさんご一家には、しばらく、子育てでお世話になる一方、
私の方では急いで里親募集を開始しました。

 

 

 

その時、その時で動ける人間が率先して動き協力し合うと、
最初は難しく思えたことでも、成し遂げることがことが出来る。
こういった活動をしていると、本当にそうだとつくづく思います。

この日から、ミーコの子猫たちは、
通院、お見合い、通院と、
あちこちに移動を繰り返し、
忙しい日々を過ごすことになります。

 

To be continued・・・