前回のお話はこちら。
2019年5月20日のブログ
ミーコと赤ちゃん:③離乳期のこねこ
◆10月16日(火曜日)◆
10 月14日にボランティアのNさん宅に移動し、
きっちりお世話をしてもらっているミーコの子猫たち。
移動から2日後、ほのかだけが数時間外出です。
行き先は、菅野さんが保護した子猫・やまととあすかを
保護以来、ずっと預かって育てて下さっている上村さん宅。
9月末にあすかの里親申し込みをして下さったIMKさんが
あすかとのお見合いに来ることになっているからです。
で、なぜ、そこにほのか?
IMKさんは子猫から2匹で飼いたいというご希望があり、
可能であれば、グレー系の猫を、とのことでした。
あすかにお申し込みいただいた時、
ほのかはまだ事務所でミーコと暮らしていましたが、
そのことをIMKさんにお伝えして写真を送ると、
「ぜひ、そのグレーの女の子にも会いたいです。」
と喜んで下さいました。
他の3匹には色柄から名前をつけましたが、
グレーの子猫だけは、あすかの希望者IMKさんが、
保護前から譲渡を前向きに考えて下さっていましたので、
とりあえず、あすかと同じような名前、
最後が「か」で終わる名前にしておきました。
IMKさんは妊娠5ヶ月、翌年の4月にご出産予定です。
これまで何件か里親に応募しましたが、
「妊娠中」を理由に断られてしまったという経緯があり、
そのことをとても気にされていました。
子供が生まれて、しばらくは子育てで手一杯の時に、
生後1年未満の飼い猫の世話をきちんと出来るのか。
生まれた子供が猫アレルギー持ちだったらどうするのか。
そういった理由が、里親応募を断られた原因だったとのこと。
考え方は人それぞれですが、私自身の考えでは、
それはお断りする理由には成り得ません。
ご主人、ご家族等のサポートがありそうですし、
お子様が猫アレルギーだったら、こうする、という
ご本人のお考えもしっかりしていらっしゃいます。
こちらとしては何の問題もありませんから、
あとはIMKさんが、実際にあすかとほのかと対面し、
どうなさるか決めていただくだけのこと。
あすかちゃんとほのかちゃん、
一緒にお願いします。
お見合いの場で即答でした。
IMKさんとは、事前に、様々な点について
メールでじっくりと話し合っていましたのでね。
里親さまが決定しましたので、そのままお届けの日まで、
上村さん宅で過ごすという方法もあったのですが、
上村さん宅には、活発なやまととあすかの2匹がいましたし、
あすかのトレイ問題に上村さんが手を焼いていましたので、
3匹のお世話となると、ちょっとしんどいかも・・・
ということで、お見合い終了後、ほのかは、
またNさん宅に戻って1週間過ごすことになりました。
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この後の1週間は忙しくて目がまわりそうでした。
市川市ボランティア協会が年に1回開催する
ボランティアフェスティバルが21日(日)にあり、
その準備を含めてドタバタな毎日。
フェスティバルの前日には、
先月末に譲渡が決まっていたやまとを
里親さまご夫婦が、迎えに来て下さいました。
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◆10月23日(火曜日)◆
この日は、9日間、お世話になったNさんご一家にさよならをして、
ほのかとはなが卒業準備の為、上村さん宅に移動しました。
やまとが卒業して、3日間、
ひとりで過ごしていたあすかに
小さな友達が2匹合流です。
そのうちの1匹は、あすかと一緒に
一生を過ごすことになるほのかです。
たった1泊だけですが、3匹は仲良く過ごしました。
◆10月24日(水曜日)◆
上村さんと一緒に、里親さま宅にはなをお届けに伺いました。
実は、1週間ほど前にはなの里親さまが決まっていたのです。
質問書への回答もお見合いもありません。
私も上村さんもよく知っているご一家だったからです。
はなを迎え入れて下さったのは、1年ほど前に
百音ちゃんの子猫、タルトとカヌレを、
2匹一緒に貰って下さった、Kさんご一家です。
Kさん宅にはタルト(現こんぶ)とカヌレ(現ぼんず)の他に、
先住猫のしらす君がいますから、はなで4匹め。
Kさんご一家にとっては初めての女の子になります。
Kさんははなの為にケージを用意して下さっていましたが、
はなは簡単にケージの柵の間から出てしまいました。
柵の間から出られる程、はなはまだ小さいのです。
子猫は、離乳も済み体調も安定する、
生後2ヶ月過ぎ~3ヶ月くらいの頃に
里親さまに引き渡すのが理想的なのですが、
Kさんご一家は猫の飼育経験が豊富ですから、
心配不要。あとのことは安心してお任せです。
ケージから這い出したはなは、
新しい環境に臆することもなく、
床に転がったり毛繕いをしたりして、
ひとりで好きなように遊んでいました。
新しい名まえは、あんずちゃん。
◆10月25日(木曜日)◆
この日は、あすかとほのかが卒業しました。
東京の西、郊外にお住まいのIMKさん宅へのお届けです。
IMKさん宅はまだ新築の一軒家。とてもステキなお住まいです。
ケージや、かくれんぼできるような箱型の爪とぎ、
おもちゃ、ベッドと、色々とご用意下さっていました。
新しい名前はあすかがシマちゃん、
ほのかがトロちゃん。
あすかはサバトラのしましま猫ですし、
ほのかはトトロの色ですからね。
活発なちび女子2名と、来年の春に出産予定のお子様。
賑やかなご一家となることでしょう。
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はな、ほのかのお届けも済み、あとはちゃことゆき。
お問い合わせもちらほらありますが、
いちかわ市民祭りへの参加等、慌ただしい日が続きますので、
ちょっとひと息、中間休みという感じです。
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◆11月13日(月曜日)◆
我慢をしているわけではないのですが、
私は普段から割と熱や痛みに強い人間です。
しかし、イベント終了後から、微熱が出始め、
昨日からは38度の前半~後半を行ったり来たり、
さすがに、だるさを感じるようになりました。
が、今はそんなこと言ってる場合じゃない!
薬を飲んで、ケージを組み立てなくては。
夜、Nさんからゆきとちゃこを引き取りました。
卒業する日まで、2匹は我が家で過ごすことになります。
NIさんは2匹を私に引き渡す際、少々涙ぐんでいました。
そのお気持ちはよくわかります。
はなとほのかは早い時期に卒業しましたが、
ゆきとちゃこは保護から約1ヵ月、
NIさんご一家と一緒に過ごしてきたのですから。
新しい環境に移動して、怖気づいてしまうかな?
と思っていたら、そうでもありませんでした。
ベッドの上で、2匹バタバタと暴れて遊び、
少しだけミルクを飲んで、バタンキューでした。
成長期の子猫はとても可愛いです。
何にでも興味を示し、いつまででも遊んでいます。
しかし、動きが可愛いからといって、
人間の都合で遊ばせるのはあまりよくありません。
もちろん、適度な運動は必要ですが、
しっかりと育ってもらう為には、
充分な睡眠も不可欠だからです。
◆11月14日(水曜日)◆
ゆきをご希望のOさんご夫妻がお見合いにいらして下さいました。
他の3匹と少し違い、ゆきは長めの毛をしたふわふわの子猫です。
そんなゆきを気に入って下さり、週末にお届けすることになりました。
◆11月17日(土曜日◆
ちゃこをご希望のKNさんがお見合いにいらして下さいました。
事前のメールでのやり取りの中でも感じていましたが、
KNさんは、出来ることなら、猫をまとめてお願いしたいくらい、
とてもしっかりとした、責任感の強い方です。
子猫ですから、すぐに新しい環境に馴染むとは思いますが、
一応、先住猫さん2匹との相性もありますし、
お届けを先延ばしにすることもないと思い、
ちゃこはそのままお持ち帰りいただきました。
夜から、即、トライアル開始です。
ちゃこが去った後、ゆきは、
生まれて初めてひとりで過ごします。
寂しくて鳴いてちゃこを探すかもしれないと、
思っていましたが、私の杞憂に終わりました。
ひとりでボールを追いかけて遊んでいます。
疲れてくると、私の膝の上に登ってきてひと休み。
また、遊び初めては、また休み・・・の繰り返し。
こちらもずっと付き合っているわけにはいかないので、
ミルクとおやつをあげて、ベッドに連れて行きました。
◆11月18日(日曜日)◆
4日前にお見合いにいらして下さったOさんご一家に
最後の子猫・ゆきをお届けに伺いました。
先住猫さん1匹(そらくん)がいる4人家族で、
無駄な物が置かれていないすっきりとした
清潔感あるれるお宅です。
広いお部屋には、ナイロンケージ、
ベッド、トイレがゆきを待っていました。
先住猫のそらくんはおとなしい子だということですので、
ご家族同様、ゆきを温かく受け入れ、仲よくしてくれるでしょう。
お届けの晩の画像です。
甘えん坊のゆきは、すっかりご家族に馴染んでいます。
新しい名前はノンちゃんになりました。
◆11月25日(日曜日)◆
保護主として最後のDutyです。
トライアルに出ていたちゃこに会いに、
KNさん宅にお邪魔しました。
あいちゃんという名前をつけてもらったちゃこ。
ずっと昔からKNさん宅に住んでいる、
飼い猫のようなふるまいです。
何の問題もありません。
そのまま正式に譲渡となりました。
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生後3ヶ月未満の子猫というのは、体調が安定しないことも多く、
保護期間中もそうですが、お届けしてからも心配は尽きません。
新しい環境に戸惑って、便に異常があったり、
食欲の異常が見られたり、元気がなくなったり。
ミーコの子猫達は、深刻な病気を患うようなことが
なかったのは幸いでしたが、
「えっ、大丈夫?」と思うようなことはしょっちゅう。
4匹4様、皆それぞれ、日替わりで状態が変わります。
ほのかは保護時にテニスボール大のお腹をしていましたが、
全てすっきりと排泄してしまってからは元気になりました。
はなは離乳食から普通食への切り替えがゆっくりで、
頻尿の時期もありました。
ゆきは他の子に比べ体重がなかな増えませんでした。
また、里親さま宅に移動してからはトイレの問題がありました。
ちゃこは健康優良児。食べ過ぎで嘔吐したくらいです。
NIさんは、子猫達の健康状態に常に留意して下さり、
何か少しでもおかしいと感じると、
すぐに病院に連れて行って下さいました。
今回、ミーコの子猫たちを保護しようと考えたのは私です。
保護主である私は、子猫達の命の責任者でもあります。
保護後の子猫たちを引き受け預かって下さったNIさんは、
今回の私の保護活動のサポートをして下さったわけですから、
NIさんに金銭的な負担がかかるようなことがあってはいけません。
医療費、お世話をして下さっている間のフード代等、
私の方で負担するのが当然のことだと思いました。
しかし、NIさんは、
「我が家にいる間は我が家で費用を持ちますよ。
私も何とかしてあげたいと思っていた子達ですから。」
とおっしゃって下さり、お代を受け取りませんでした。
正確には、いったん受け取って下ったのですが、
後日、同額を寄付して下さいました。
私に大きく不足していた部分を補って下さったNさんには、
感謝の気持ちと同時に、申し訳ないという気持ちでいっぱいです。
NIさんも、この数年間、お住まいの地域で、
個人でコツコツとTNRと保護を続けています。
ねこ藩のイベントの手伝いをして下さるだけではなく、
グッズやカレンダーまで買って下さっているのに、
ご自身の家庭内不要品を持ってでフリマに参加した際には、
売上で得た金額の一部をねこ藩に寄付して下さいました。
NIさんには、お世話になりっぱなしです。
どうぶつ基金の無料不妊手術チケットを
1枚提供したことがあるくらいで、
こちらがNIさんに何かしてあげたことなんて
ほとんどないに等しいのです。
今後、機会があれば、こちらも出来る範囲で、
Nさんの力になってあげたいと思います。。
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4匹一緒に生まれたミーコの子猫たちですが、
これから15~20年という長い猫生の中では、
きょうだい一緒に過ごした期間など、
ほんの一瞬、点のようなものです。
はなとほのかは生後1ヵ月ちょっと、
ゆきとちゃこは生後2ヶ月ちょっとで、
新しい家族との暮らしが始まりました。
事務所で生まれ、保護猫として過ごした日々の記憶、
そして、ミーコという賢い母猫がいた記憶は、
ミーコの子猫たちには、もうないでしょう。
でも人間は知っています。
可愛い子猫たちを産んで育てた後、
ミーコが外で一人で生きていくことを。
ずっとそうやって生きてきたのです。
これからもそれは変わりません。
全ての猫を保護してあげたいと思う気持ちはあっても、
なかなかそうしてあげられないのが現実なのです。
To be continued ・・・