前回のおはなし
5月19日のブログ
「東奔西走:⑦西の猫たち~巣立ち。」

 

 

 

 

西の猫たち=M姉妹宅に集結していた保護猫たちのことですが、
とらこを除き、里親募集を開始した日から12日以内に
8匹全ての猫達のお見合い、お届けが済むという早い展開。

猫が一気にいなくなり過疎化・・・

ではないですね。
6匹が姉妹の室内飼いの飼い猫として残りましたし、
ベランダには、いつかは1軍に上がって来るかもしれない
とらこの母猫ときょうだい2匹がいます。
本人達が1軍昇格を目指しているかどうかは不明ですが。
(-_-;)     

 

ほごねこ幼稚園にゾロゾロ入園したと思ったら
飛び級で卒園していった感ありありの西組8匹と比べると、
東組はある意味、問題児クラス(在籍2匹)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保護から2日間、ちゃみはケージ内のハウスの中に籠城、
たまに繰り出す威嚇、空気砲、猫パンチ、噛みつきは
どこに出しても恥ずかしくない一流レベルです。
生後4ヶ月そこそこ、まだ小さく可愛い顔した女子ですが、
天下分け目の大戦、先鋒隊にぜひ1匹いかがでしょうか?
活躍すること間違いなしです!

 

 

 

小さいからといって侮ってはいけない。

 

 

 

そんなこと言ってる場合かい。

 

「見かけに騙されてはいけない。これは私には扱えないぞ。
申し訳ないが、もとのお宅にリリースしよう。」

襲撃に耐えつつ、ケージに手を入れ頭を入れてお世話すること3日。
同じ場所で生まれ育ったむうむがケージに加わると、
あれ?あれ?なんか戦闘能力が衰え始めた・・・。

 

 

 

 

 

ちゃみと一緒にケージに入れられたむうむは戸惑っている様子。
ちゃみがむうむを舐めたり、頭を擦りつけたりすると唸ります。
そんなこと気にもせず、むうむにぴったり貼り付くちゃみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全く知らない空間にひとりで閉じ込められていたちゃみは
怖くてたまらなかったのかもしれません。

「ねえちゃんだ、ねえちゃんだ!」
と思っているかどうかはわかりませんが、
むうむが合流して安心したのかも。
生まれは4ヶ月くらいの差ですが、2匹とも
春田アパートでずっと一緒に暮らしてきたきょうだいですからね。

 

むうむは全く攻撃性のない子です。
触っても撫でても全く怒りませんし、逃げ腰にもなりません。
ただ、それは人に撫でられるのが好き、という感じではなく、
どうせ私には逃げ場はないんだから、もうどうでもいい、
みたいに、諦めてじっとしているように思えました。
顔立ちのせいもあるのでしょうが、むうむはいつも悲しげな表情です。
今にもホロリと涙がこぼれそうな大きな目は
いつでも伏せ目がち。

 

 

 

 

 

 

 

 

避妊手術後の療養中に、この2匹をリリースするのか、
保護に切り替えて里親探しをするのか決めなくてはなりません。
何人かの知人に相談もしました。
で、結局は自分がどうしたいのか?
私は他の件でも忙しく動いていましたので、
あまり深く考えることもせず、
ま、ゆっくり決めようと思ってはいましたが、
行動は既に里親探しをする方向へと向かっていました。

捕獲時の通院では、避妊手術と駆虫しか行っていませんので、
このまま保護して里親募集をするのであれば、
血液ウィルス検査とワクチンは済ませておかなくてはなりません。

保護から1週間が過ぎ、2匹を洗濯ネットに入れて病院に連れて行きました。
むうむはおとなしい子ですから、手間はかかりません。

 

 

 

 

 

おとなしいむうむ。

 

 

 

 

ちゃみは、怖くて固まっているうちに何とか処置を済ませましたが、
終わって診察代からキャリーに入れようと洗濯ネットごと抱っこした時に
ガブリの本気噛み。

 

指に穴、ドクドク出血。

 

 

 

 

 

先が思いやられる・・・
血液検査の結果が陰性だったことは安心材料ですが。

 

 

 

 

反省して「しゃちほこる」ちゃみ。
(嘘)

 

 

 

 

その後里親募集を始めるまで、約10日間、様子をみていました。
ちゃみの噛み癖はまだ治りませんし、
どこでも好きなように触らせてくれるわけではありませんが、
私がケージに近づき、昼寝をしているちゃみを見ていると、
うす目を開けて微かにゴロゴロ音を発するようになりました。

ずっと三段ケージの中での生活ではストレスが溜まる。
飛んだり跳ねたり走ったりして遊ばせてあげたい。
それにケージを置いた場所は窓から遠く、陽が入らない。
ただ、我が家の飼い猫2匹のことを考えると、
一緒の空間に放すのは賢明ではないし、
どこでもフリーにしてしまうと、確保が難しいだろうし、
我が家の飼い猫の体調が悪くなってしまう。

 

そこで、このようにしました。

①午前中:ご飯の後ケージを居間から玄関廊下に移動して、
ケージに日光が入るようにする→昼寝。
②午後:昼間1時間程、ケージの扉を開けて、廊下で遊ばせ、
昼ご飯の後、またケージ内に戻ってもらう→長い昼寝。
③夕方~夜:ごはんの後ケージの扉を開けて、廊下~書斎でフリーにする。
遊んだり、おやつ食べたり、隠れたり、寝たり、好きなように。
④夜中:ケージに戻し、居間の定位置にケージを移動→就寝。
⑤翌朝:①に戻る。

 

 

 

 

 

日光を浴びてお昼寝。
これでビタミンの体内生成が出来ますね。

 

 

 

 

 

ちゃみとむうむが自由に動き回れる空間は廊下と書斎のみ。
廊下はコの字型で直線では5.6メートル、
全体では7メートルくらいありますから、
走って遊ぶには問題ないでしょう。
書斎も6メートル近い直線距離はとれますし、
棚や箱や机がありますので、隠れたければ隠れられます。

2匹ともフリーの状態から捕まえようとすると逃げますが、
逃げ込む先が必ず廊下の三段ケージ。
ケージの中にいる間は大丈夫と学習しているのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段、書斎で仕事をしている時、
足元や机の上で寝転がってリラックスするのは
我が家の飼い猫2匹なんですが、
それが一時的にちゃみとむうむになったわけです。

ちゃみとむうむがフリーになっている間、
居間やキッチンから廊下~書斎に通じる
ガラスのドア2ヶ所は閉まっていますので、
飼い猫2匹は出入りが出来ません。
ガラスドアの向こうて鳴いている飼い猫くりことこまつ。
可哀想で申し訳ない状況になってしまった、ごめんね。

 

 

 

 

 

書斎の椅子の上で。

 

 

 

 

 

活発なちゃみは、何でもおもちゃにして遊びます。
走って跳んで追いかけて、おやつ食べて寝る。
ずっとその繰り返し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が何か他のことをし始めると、
「もう遊ばないの?」とでも言うように
私をワクワクした目で追うようになりました。

 

 

 

 

 

 

「どうした、ちゃみ?」と、ヒソヒソ声で話しかけると、
微かにゴロゴロ音が聞こえてきます。
ふふふ、かなり気を許し始めたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ちゃみが「動」なら、むうむは全くの「静」です。
丸型爪とぎボックスの中に坐ってる。
机の下の段ボールの上でずっと寝てる。
書斎奥に置いたハウスに籠ってる。

カロリーを出来るだけ消費しないよう・・・
ってことじゃないんでしょ、まさか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もともと動くのが好きではないおとなしい子なのかな?
この状況がいまだに理解出来ずどうしていいかわからないのかな?
恐らく後者なのかもしれません。

見ているとこちらまで悲しくなる・・・
そんな表情をしているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

里親募集を始めると、ふわっとした可愛い茶トラ女子のちゃみには
お問い合わせが立て続けにありました。
里親募集詳細にハッキリと記してあるにも関わらず、
条件や居住地の点から「×」のお問い合わせが多い。
「詳細をご一読いただけていますか?」と返信すると
一切連絡が来なくなるパターンばかり。
画像だけ見て、思いつきや感情に流されて気軽に応募し、
後で条件を知り、「やーめた」となるんでしょう。
こういったメール等のやり取りは結構時間がかかるものなんです。
その点、もう少しよく考えて応募していただきたいと、
つくづく思いました。

 

 

そんな中、とても好感の持てる方々が2組いらっしゃいましたので、
早速、お見合いにいらしていただきました。
しかし、ちゃみはまだプチ怪獣の域を出ていませんでしたから、
ちゃみがダメなら他の子をと、
IKさん保護の茶トラ2匹を揃えてお見合いに臨みました。
(画像左から、ちゃみ、ミルキー、みらい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前中お見合いにいらしたのは都内にお住まいのMHさんとご主人。

ケージ内にいるちゃみを私が撫でるところを見ていただきました。
毎日同じ場所でちゃみと暮らし、
ちゃみの世話をしている私が触るのは、この段階ではOKです。
他人が同じことをしようとすると、ケージの端っこに移動し、
目を大きくして構えます。
他の人ではどうか。このままでは難しいでしょう。

「抱っこは難しいですか?」
MHさんが尋ねます。

洗濯ネットに入れたら何とか抱っこくらいは出来るかな。
ケージの中に体を入れ、上から覆いかぶさるようにして
ちゃみを洗濯ネットに入れました。
ご主人は優しく穏やかて、いかにも猫に好かれそうな雰囲気の方です。
ちゃみin洗濯ネットをご主人にそっと手渡しました。
ご主人が顔周りを撫でようとした時に、固まっていたちゃみが
やらかしてしまいました。

ガブリ!

 

本気噛みです。ご主人の手からみるみるうちに血が流れてきます。
ちゃみはご主人の膝から逃げ出し、大パニックで床をあたふたと走り回り
(洗濯ネットに入っているから思うように走り回れませんが)、
ケージの隣、キュリオの下の奥の方に潜り込んでしまいました。

ちゃみ、レッドカード、一発退場。

 

急いで消毒液とティッシュペーパーをご主人に。
あれ?床が濡れている・・・ちゃみ失禁です~。

MHさんとご主人にお詫びしながら、せっせとフローリングの床を
拭きまくる私とIKさん。

「穴が開いたけど、大丈夫です。」
ご主人はおっしゃって下さいましたが、すごく痛かったと思います。
本当に申し訳ないことになってしまいました。

気を取り直して、ピンチヒッターのミルキーを見ていただくと、
「可愛い・・・いい子ですね、この子は~」
とご夫妻はミルキーを気に入って下さいましたので、
「じゃあ、今日からトライアル開始にしましょうか。」となり、
「クリスマスに思いがけないプレゼントです~」
とご夫妻は喜んで、ミルキーを連れて帰って下さいました。

 

夕方は成田市からMSさんと奥さまのMMさんがいらっしゃいました。
午前中の出来事と併せ、ちゃみの噛み癖についての懸念、
フリーにするとまだまだ確保が容易ではないことをお話ししました。
「ちゃみの現状はこんな感じです。男の子ですが、
ちゃみよりはずっと扱いやすいみらいに会ってみますか?」と
IKさんのもう1匹の保護猫みらいをお薦めしました。
IKさんはみらいを連れて一旦ご自宅に戻っていましたので、
我が家からIKさん宅に移動して、みらいとのお見合い。

みらいも保護してまだ1週間でしたから、
IKさん以外の人にはどうなんだろう、と思っていましたが、
なんと、みらいはMMさんに抱っこされて落ち着いていました。
こうして、みらいも里親さまが決まりました。

*ミルキーとみらいに関してはこちら↓でも報告しています。
2018年2月24日のブログ:
「続・野良猫放置地区:⑤庭猫から家猫へ」
http://nekohan.zkz.jp/2018/02/24/7637/

 

 

 

IKさんの保護猫達が決まって良かった!
安堵しつつ、その夜、私はケージの前で腕を組み仁王立ちです。

なんてことするのあなたは。
そんなんじゃ困りますよ?
ガブガブ、凶暴な子は嫌われるんだよ?

 

 

ふーんだ。

 

 

 

 

 

 

年が明け、都内のご一家からお問い合わせをいただきました。
噛みグゼがあり、撫でる際には注意が必要なこと、
慣れるまで時間がかかることをしつこく説明しましたが、
それでもやはりお見合いを希望されるとのことで、
一家6人でお見合いにいらしていただきました。

お見合いの場で、突然ちゃみが人懐っこくなり
どこ触ってもオッケー、抱っこもオッケー、なんでもオッケー!!
なんて状態になるわけはありません。

ケージ内のちゃみを見る一家のお顔には
わかり過ぎるほどハッキリとした落胆の色が現れ(特に奥さま)
いらしてからお帰りになるまで、終始ネガティブな空気が漂っていました。
その夜、「撫でられないとやはり厳しい」とご辞退のメールが届きました。

だ~か~ら~!!
それは事前に伝えましたよね?
承知の上でお見合いに来たんですよね?

ダメだとわかっていたけど、やっぱりダメだって、
なんなんですかそれは。
こういうのを、双方、時間と労力の無駄というんですよ。

 

 

何だって?
やっぱダメ?
あ、そう。

 

 

 

 

長い期間、家の中に保護猫がいると、
飼い猫がストレスを感じてしまうことを
家人は心配しています。

かと言って、この子達を今さら元の場所に戻せない。
なるべく早く里親さまとのご縁を繋げたいと思っても、
希望して下さる方が現れなければ、こちらとしても為す術がない。

ちゃみにはポツポツと問い合わせメールが来るものの、
むうむに関してはまだゼロです。

うーん、困りましたねえ。

 

 

To be continued ・・・