増えていた。(完):④地域猫活動は誰にでもできるものなのか?

3月5日,2026 | TNR活動, サポート, 保護猫, 日々活動

前回のお話。
2026年2月26日のブログ
「増えていた。:③カミリアとカミラ」
https://nekohan.jp/archives/987511506

 

 

 

 

 

4匹のTNRが済んだKさん宅。
その後のKさん宅の状況を振り返ってみます。

 

 

【パステル三毛のうすこ】
ある時を境に不在がちになり、やがて姿が見えなくなって心配していましたが、
Kさん宅の通りを南に少し下ったところにお住まいのHさん宅で、
地域猫としてお世話になっていることがわかりました。
その後室内に入り、現在はHさんの飼い猫として暮らしています。

 

うすこについての詳細は2023年3月9日のブログをご覧ください。
「地域猫が家猫になる:(01)うすこちゃん」
https://nekohan.jp/archives/13935

 

 

 

 

【ムギワラのサバちゃん】
Kさんが思い出せなくくらい昔からKさん宅に居着いていたそうですから
高齢猫だったことは間違いありません。
常に猫風邪の症状が出ているように見えましたが、全く人慣れしていないため、
病院に連れて行ったことはないとKさんはおっしゃっていました。
2022年4月に、外猫ハウスの裏で亡くなっているサバちゃんをKさんが発見。
極端に痩せているとかお腹が張っているとか、外見上の異常は見られませんでしたが、
口の中を覗いてみると口内環境はかなり悪くなっていました。
Kさんと一緒にお花で飾り市の施設で弔ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

【三毛猫のミーコ】
私が近所の事務所で2018年秋にTNRして以来、
しばらく姿が確認できていませんでしたが、
実はKさん宅に居着いていたことがわかりました。
最近では来たり来なかったりだそうですので、
恐らく他の食堂(ご飯を貰えるお宅)や宿泊所(ハウスなど)を見つけたのかもしれません。

 

 

 

ミーコについての詳細は2019年5月16日のブログをご覧ください。
「ミーコと赤ちゃん」:①見つけてしまいました。
https://nekohan.jp/archives/10883

 

 

【白キジのモッチー】
2017年12月にTNR後、2軒のお宅を渡り歩き、最終的に
2024年1月にKさん宅のハウスに居着くようになりましたが、
それから1ヶ月もしないうちに、ハウスの入り口で亡くなっていました。

 

 

 

 

 

 

モッチーについての詳細は2024年2月26日のブログをご覧ください。
「悲しいネコの日」
https://nekohan.jp/archives/16952

 

 

【カミオ(今回TNR)】
2026年現在、時々、Kさん宅にご飯を食べてきているようですが、
ハウスに入ることはないので、定住はしていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

【カミュ(今回TNR)】
TNRのあとしばらくして、我が家のある通りにも姿を見せるようになり、
近所のM姉妹宅でご飯を食べ、ほぼバルコニーに定住するような形になりました。
2022年3月にM姉妹は隣の〇丁目に家を購入し引っ越しましたが、
その際、庭で世話をしていたシンバとカミュをそのまま置き去りにせず、
一緒に新居に連れて行ってくれました。
新築住宅の1階に作った保護部屋でシンバと仲良く過ごし、
2024年夏にシンバが亡くなった後は、
M姉妹が近所で保護したチャシーと一緒に保護猫生活を送っています。

 


M姉妹宅でのシンバ(左)とカミュ。

 

 

 

【カミリアとカミラ(今回TNR)】
TNR後、Kさん宅に来たり来なかったりでしたが、
今では完全に姿が見えなくなりました。
もっといい居場所があるのか、亡くなってしまったか。
本来、メスというのはあまり遠くに移動していかないものなので、
どこか近くにいるのではないかと思っていますが、
目撃情報が全くないので、所在不明のままです。残念です。

 

 

 

 


TNR後、ご飯を食べるカミュを見下ろしているカミラ。

 

 

現在、Kさん宅に来ているのは、ミーコとカミオのみ。
ご飯を食べたりハウスで休むことはあっても、
住み着いている、とは言えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

Kさん宅前の集合住宅に住むTさんが以前撮影した画像。
写っていた子達はどうしていたのか。
白黒4匹のTNRを行った4ヶ月の間、
私自身は現場で他の猫を見かけませんでした。

 

 

 

 

 

白黒4匹TNRを始める直前、2020年7月の画像です。
右側、壁の上に載っている大き目の白黒猫はカミラ。
恐らくカミラは母猫で、廊下にいる子猫達はカミラが産んだ子なのでしょう。
廊下の真ん中にいる白黒子猫はカミリア。
小さな白キジ1匹とキジトラ2匹も写っています。

白黒4匹TNRの際、歯の状態、体格などから、
だいたいの年齢を獣医さんが判断して下さいますが、
そこからすると、カミオ、カミュ、カミラがきょうだいか血縁、
カミリアを含む計4匹がカミラの子と推測。

 

【白キジ子猫】

 

上記の廊下画像とほぼ同じ、7月に近所で撮影されたもので、
生後3-4ヶ月ほどに見えます。ということは、
白黒最後の猫カミラをTNRした12月には8カ月くらいになっていたはず。
きょうだいと思われるカミリアの避妊手術の際、
成長具合や口内チェックから、カミリアは
生後7-8カ月くらいの子ではないかと獣医さんがおっしゃっていました。
その後、この白キジの目撃情報はありません。

 

 

 

【キジトラ】

 

 

 

 

左のキジトラは、カミラを捕獲した12月に、別の場所で撮影されたものです。
生後8か月というより、成猫に見えるのですが、どうでしょうか。
右のキジトラは翌年冬にKさん宅で撮影されたものです。
この2匹は一見似ていますが、尻尾が微妙に違って見えます。
どちらのキジトラも目撃情報は入ってきていません。

 

 

 

 

 

 

 

前回のブログの最後に、地域猫活動について触れました。

 

 

市川市には60以上の「地域猫登録団体」というものがあります。

市川市の一般市民が3名以上のグループを作り、
地域猫活動のルールを守ることを前提に、
自宅の庭で地域猫の世話をする。
そして、市にグループ登録をする。

それが「団体」。
そう、猫の世話をする住人の集まりです。
「団体」ときくと、「動物愛護団体」を
思い浮かべる方もいるかもしれませんが、
基盤、規模、内容、そして関わる人間が全く違います。

市川市は公共の場で地域猫活動をすることができませんので、
個人の敷地、あるいは使用許可を得た他人の土地に限られます。

 

 

 

 

【地域猫活動の目的】

地域住民が主体となり、
野良猫に不妊手術を施した上で適切な管理を行い、
野良猫の数を減らしていくことが、
地域の野良猫問題の解決に繋がり、
住みよいまちをつくる。

 

【地域猫活動のルール】

①不妊手術:
繁殖制限をすることにより、これ以上野良猫が増えない。

②適切な給餌:
決まった時間に決まった場所で手術済の猫に給餌をする。
置き餌をしない。

③排泄への対応と周辺の掃除:
近くに猫の排泄場所を設置し、
排泄のみならず近辺を掃除することで、
地域猫活動場所の衛生面が保たれる。

④活動の周知:
地域住民や自治会等の理解を得られるように努める。

⑤その後の管理:
これらのルールに従い、責任を持って務める。

 

 

 

 

これが守られていないと、地域猫活動ではなく、
単に、個人による猫へのエサやり行為とみなされます。

 

 

 

 

 

 

つまり、「地域猫活動」と「個人による猫へのエサやり行為」の大きな違いは、
このルールに従った行動ができるか否か、になります。

「野良猫問題=地域の環境問題という認識を持っているかどうか」は
非常に大切なファクターですが、その認識を持っている人間が全て
地域猫活動に身を投じるわけではありません。
というより、むしろ、大多数の人間は、その認識を持っていても
地域猫活動には無関心か、消極的であるという印象を私は持っています。

「猫が好きだから」「猫が可愛いから」「猫が可哀想だから」というのは、
個人の嗜好・感情の話ですが、
そこが地域猫活動をスタートさせる理由になった方もいらっしゃると思います。

 

 

 

いずれにしても、地域猫活動を始めようと思うのであれば、
ルールに従う必要がある。

ご自宅の敷地内で、TNR済の猫に餌やりをしている方、
または今後そうしようと思っている方には、
市が推奨しているこの「地域猫活動」と
「地域猫団体登録制度」についてお話することがあります。
しかし、それはあくまでも、地域猫活動のルールを守り、
それを継続していくことが出来そうな方々のみが対象です。

 

地域猫の世話というのは、飼い猫の世話とあまり変わりません。
責任というものが伴います。

 

 

【庭に住み着く猫達。通ってくる猫達。
ハウスを置いて餌をやるKさん。】

地域猫現場として成り立ちそうな要素はありますが、
地域猫団体登録には向いていない場所、向いていない方だと思い、
市の登録制度についてお伝えすることはやめました。

地域猫活動のルールに沿って考えてみれば明らかだったからです。

 

 

 

 

①不妊手術:
繁殖制限をすることにより、これ以上野良猫が増えない。

Kさんは自ら進んで野良猫の手術をしたことがありません。
それはKさん宅に現れたうすこ、ミーコは既に不妊手術済の猫で、
さばちゃんにも長年妊娠の兆候がなかったため、
ご自身で不妊手術をする必要がなかったからです。

そして、次に現れた白黒の猫達。
このままにしておけば、猫が増えることは予想できましたが、
Kさんは不妊手術はせずにエサだけあげていました。
ご本人んからの相談はなく、健康食品の配達をしている知人から聞いて
私は初めて知りました。
もちろん、捕獲作業や術後のケアにはKさんは喜んで協力して下さいましたが、 
地域猫活動の最も大切な部分である野良猫の不妊手術、
これを先延ばしにしたり、他人をアテにしたり、あるいは適当に流したり…
という対応は望ましくありません。もう少し危機感を持つことが大事です。

 

 

②適切な給餌:
決まった時間に決まった場所で手術済の猫に給餌をする。置き餌をしない。

外階段の下にいつもお皿がおきっぱなしで、
お皿が空になったことに気づけばフードを足しておく。
外階段2階の玄関から階段下のスペースまで降りてきて、
猫が来ているかどうか、常にいちいち確認するわけではなく、
皿にフードを入れておけば誰かしら食べるだろう・・・というやり方。
つまり、どの猫がどの時間にエサを食べているかなんて、Kさんにはわかりません。

さらに、台からずり落ちないようにと、皿は両面テープで台にがっちり固定された状態です。
洗ったり汚れを拭き取るということもしませんから、皿が不潔です。
このやり方をしているからカラスや鳥も集まり、
Kさん宅の敷地や塀は常に鳥の白い分で汚れています。
場所は決まっていても、決まった時間に給餌が出来ない(しない)ということになります。

 

 

 

 

③排泄への対応と周辺の掃除:
近くに猫の排泄場所を設置し、排泄のみならず近辺を掃除することで、
地域猫活動場所の衛生面が保たれる。

Kさんは物の片づけや掃除が得意な方ではないとお見受けしました。
ちらりと拝見した家の中は物があふれ、整理整頓されていませんでしたし、
庭も同様で、プランター、箱、コンクリート、不要品が乱雑に置かれています。
かろうじてスペースを作りハウスを2つ置いていますが、
猫トイレを設置する場所もありません。
もしトイレを設置したとしても、Kさんの性格から、
まめにトイレを片付けるということはしないでしょう。
ハウスはこちらから提供しましたが、一度も掃除をしたことがないと思われる状態で
置きっぱなしになっています。
地面には常に枯れた葉や小さなゴミがたくさん落ちていて、
箒を使っての庭掃除は行き届いていません。

きちんと掃除されていない、物が積み上げてある、鳥の糞で地面が汚れている。
つまり、衛生的に汚く、見栄えが悪い。
これは、近隣住民から文句を言われる
「猫のエサやりさん宅」によく見られる光景ではないでしょうか。

④活動の周知:
地域住民や自治会等の理解を得られるように努める。

Kさんは猫が好きで、お腹が空いては可哀想、
居場所がなくて可哀想という気持ちからエサやりをしているのだと思います。
「地域猫活動としてしっかり管理していきますのでご理解をお願いします」という、
近隣住民への周知、そしてそれを理解していただこうと努めることはしません。

隣の敷地に住むネッチー氏が時々、塀の内側を覗き込み嫌味を言うそうです。
確かに彼のネチネチ感はいやですが、隣接する家の衛生状態が良くないのですから、
彼の気持ちもわかります。

猫にエサをやっている方々の中には、出来るだけこっそりやりたい、
近所に頭を下げつつ(下げたくなくても)説明して回るなんてとんでもない
と思っている方がよくいますが、Kさんも多分そうだと思います。

 

⑤その後の管理:
これらのルールに従い、責任を持って務める。

 

敷地に住み着く猫、ご飯を食べに来る猫を拒まない。
これはKさんの優しさです。この優しさによって命を繋げた猫は、
これまでにもいたことでしょう。

ただ、「管理」という意味での地域猫活動はKさんには難しいと思われます。
また、Kさんは70代半ば。数年前にはご病気もされたと聞きました。
世話をしている猫の頭数と寿命によって、地域猫活動の期間は違ってきますし、
これからも新しい猫が流れてくる可能性は常にあります。
管理をしつつ、見守り、看取り、減らしていくという意識がなければ、
地域猫活動は続けられません。

地域猫活動は、野良猫ゼロを目指すための手段のひとつですが、
自分流にやってしまうことは周辺住民からの反発を招くことにもなりますし、
「地域猫活動なんて、どうせ、猫好きが勝手に猫にエサをやっているだけのことでしょ。」と、
地域猫活動というものが誤解される原因にもなります。

 

恐らくKさん宅のようなケースは、市内にもたくさんあるでしょう。
クレームが出た場合、エサやり本人と反対住民で話し合い妥協案を探っていかなくてはなりませんが、
どちらの側も自分の主張を譲らず衝突すれば、野良猫問題の解決には繋がりません。

 

こういった相談は時々あり、当事者たちは揉め事の真ん中に、
クッションか調停委員のようにボランティアを立たせようとします。
この役割を行政が担って下さったらどんなにいいか・・・と常々思っています。

 

 

 

外で生きる猫を助けたいという共通の思いはあっても、
人それぞれ性格も考え方も違います。
地域猫活動に向いている人と向いていない人に分かれてしまうのは、
当然のことなのかもしれません。

 

 

 

 

The end.

 

 

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