生まれたばかりの子猫がいたよ~
すごい小さかった!

( ̄□ ̄;)!!!

 

 

帰宅するなり、家人が言いました。
2018年9月15日のことです。

 

場所を聞くと、「頭の痛い」隣の△丁目でした。

△丁目の一番端っこに住むM姉妹が、
自宅に来る猫たち数匹の保護とTNR。
衣料品店主のTSさんが、♂のトラちゃんをTNR。
隣町に住む若い女性AYさんが、
長年餌だけあげて不妊手術を一切しない、
△丁目の居酒屋にわざわざ出向き、
成猫たちのTNRと子猫7匹の保護。

△丁目の地図を見るとわかりますが、
TNRが行われたのは、△丁目の縁の部分。
それ以外の△丁目の中心部には、
未不妊の猫たちが未だにうろうろしています。

 

家人が赤ちゃん猫を見つけたというその場所に、
すぐに行って確認をしてきました。

△丁目の真ん中より少し南西寄り。
交通量の多い一方通行道路に面した、
とある企業の事務所敷地内でした。
事務所の道路に面した部分は高い塀に囲まれて、
平均身長の人間が背伸びしても中を除くことは出来ません。
仕事の帰り、塀沿いに歩いていた家人=身長186㎝が
「ピーピー」という鳴き声を耳にして、
つま先立ちで塀の内側を除き、猫一家を発見したのです。

「鳴き声がするから、覗いて見つけたんだよ~。」

なかなか人前に姿を現すことのない幻の獣でも
発見したかのような口ぶりにドヤ顔です。

 

 

だから、私にどうしろというのかしら。
関係ない猫を保護したり預かったりはやめてよね、
と事あるごとに念を押して言う家人です。
生まれたばかりの赤ちゃん猫と、子育てしている母猫の話を、
どういうつもりで、私に聞かせたのか。

 

 

菅野さんが地域猫現場から、
キューちゃんを保護して連れて来てからまだ3週間、
ことりちゃんを保護して連れて来てからまだ2週間、
やまととあすかを保護して連れて来てから、
まだ1週間も経過していません。

私的には、子猫だらけ。

 

更に、数日前には、市内に住むANさんから、
庭に居着いた妊婦猫のことで相談を受けているし、
2日前には、「頭の痛い」△丁目の住人からの
相談ごとも、保健所を通して受けてしまった。
NGさん宅からNおじさま宅に移動した、
じゅんちゃんのこともあれば、
IKさんが最近保護した黒猫一家達のことも
早いうちに何とかしてあげたい。
翌月にはボランティアフェスティバル、
翌々月には市民まつりがあり、
そろそろ、その準備も始めなくてはならない。

頭がパニックになりそう。

そんなに、あれこれと複数の案件が並行している時に、
その子育て猫一家に関わっている暇はあるのか。

 

ない!

 

でも、私が動かないと、あの一家はどうなっちゃうの?
子猫達は成長し、散らばり、また△丁目に猫が増える。

 

年の初めに、無理をせずにきちんと生きると
自分で言い切っておいて、既に崩れかかってる。

 

でも・・・
うん、これを今年最後の案件にして、
もう少しだけ頑張ろう。

 

突然、やる気モードにスイッチが入り、
保護や預かりに否定的な家人にはっきりと告げました。

「私に、その一家のことを知らせたことを、
あなたは後々、後悔することになるからね。」

 

 

 

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◆9月15日(土曜日)◆

 

家人から初めて知らせを受けてから2時間後、
いいカメラ(笑)と双眼鏡と脚立持参で、
猫一家を見に行き、状況を確認しました。
塀の外側に置いた脚立に乗り、塀の内側を観察。
猫までの距離は2メートル以上あります。
むき出しの土の上に柔らかそうな草も少し生えています。
母猫は濃い三毛です。ミーコという名前にしよう。
赤ちゃん達は4匹。全て毛色が違っています。

細かいところまでは見えないので、双眼鏡を使うと、
1匹の子猫の腹辺りに、へその緒らしきものが見えました。
ということは、生まれてからまだ数日なのかな。

 

 

ミーコ達は、事務所建物と塀の間、幅70㎝程の通路の一番奥にいます。
本来ならば、事務所の裏口から通路に入れるはずですが、
資材が積まれていて、人間は通れないようになっています。
入ってはいけませんが、立って見れば通路の奥はよく見えます。

 

 

 

建物と塀の間が狭い為、建物の屋根が塀まで届いていて、
多少の雨では、通路は濡れないようになっています。

 

 

 

 

◆9月16日(日曜日)◆

 

夕方、またミーコ一家のチェックに出かけました。
同じ場所でしっかり子育てをしているようです。
9月も後半に入り、徐々に夜の気温が下がってきますから、
土の上での子育てで、赤ちゃん達が風邪をひかないか心配。

 

 

 

事務所の西に隣接して、個人商店があります。
広い敷地に、店舗とご自宅、倉庫がありますが、
敷地内に猫がいるのを、数年前から何度も目にしていました。
野良猫にご飯をあげているのかと思い、
ミーコ一家観察の帰りに、思い切って寄ってみました。

おばあさまが出て来て、少し話を伺うことが出来ました。
このお宅では野良猫に一切ご飯をあげていないどころか、
猫に大変迷惑しているとのことでした。

倉庫には商売品の食糧品が置かれていますが、
倉庫に猫が入りこんでしまい不衛生なので、
つい最近、金網のフェンスを取り付けたそうです。
倉庫には入らなくなったものの、猫がうろつくので、
毒物ではない猫避けの薬を撒いているとのこと。

私は、となりの事務所で今起こっていることと、
この界隈の住人達で何らかの手を打たないと、
野良猫はいつまで経ってもいなくならないこと、
そしてTNRや地域猫についての説明、
さらには、住人の方々の協力があるならば
お手伝いできることをお話ししてきました。

 

おばあさんは、息子さんにもそのことを話し、
懇意にしている△丁目の自治会役員達にも
相談してみるとおっしゃっていました。

(結局、私の話は聞き流しただけ・・・・と、後日、わかりました。)

 

 

 

◆9月17日(月曜日)◆

 

このままミーコの子育てを見守っていければいいのですが、
神経過敏になっている母猫は、危険を感じると、
子猫を咥えて移動し、子育て場所を変えてしまいます。
あまりしつこく覗かないように、かと言って、
ずっと放っておくわけにもいかない。
でも、あの場所にずっといてもらうにはどうずればいいか。

ここが子育てをするのに安全でcomfortableな場所だと
ミーコが思ってくれるように、快適なハウスを用意しよう。
9月の台風情報もちらほら入ってきていますから、
やはり、屋根付のハウスは必要になるだろうし。

家にある材料を利用して、一家が楽に入れるハウスを作ります。

 

 

 

 

◆9月18日(火曜日)◆

 

やっと連休が終わり、事務所に職員の姿がありました。
所長さんと会って、今回の計画について話を聞いていただきました。

●職員達が入れない通路で、数日前に猫が出産して
子育てをしていること。
●この地域は野良猫の不妊手術が進んでいないので、
機会があれば(捕獲出来れば )、1匹でも多くの♀猫に
避妊手術を行いたいと思っていること。
●手始めとしてまずミーコを避妊手術する予定であること。
●ミーコは子育て中なので、1ヶ月の授乳が終わるまで、
このまま気付かないふりをして見守っていただきたいこと。
●1ヶ月後、子猫を保護し、ミーコを捕獲予定であること。
●通路に私が入れるように、資材を一時的に違う場所に
移動してもらいたいこと。
●その為には私も資材の移動を手伝うつもりであること。
●私が頻繁に敷地に入ることを許可していただきたいこと。

 

所長さんは、私の計画を理解して下さり、
自分も職員も何もしないつもりなので、
ご自由になさって下さって結構ですよ、
とおっしゃって下さいました。

自転車で通勤している職員さん達は、
毎日、裏口から出入りしているのに、
通路の奥に猫一家がいることに気がつかなかったそうです。
所長さんと職員さん達は、そうっと通路の奥を除いて、
「本当だ、あそこに猫がいる!と驚いていました。

 

最後に、気まずそうに訊かれました。
「お金を請求されたりしないですよね?」
そのことだけを心配されていたようですが、
それはありませんと、キッパリとお伝えしました。

事務所の方々にしても、隣の個人商店さんにしても、
自分の敷地にいる野良猫のことなのですから、
500円とか1000円とか、少額でもいいから、
金銭的な協力をして下さると有難いな・・・
なんて思ったりしますが、
まあ、現実はこんなもの。想定内です。

 

 

資材を移動する件。
事務所の2階を、個人の清掃業者さんに貸していて、
通路を含め、敷地内に置かれている資材は全て
その清掃業者さんの私物なんだそうです。
所長さんは、その業者KGさんの連絡先を教えて下さいました。

すぐにKGさんに連絡を取り、
所長さんに説明した内容を繰り返し伝えました。
敷地内のあちこちに勝手に資材を置きっぱなしにして、
常々申し訳ないと思っているので、
スケジュールを調整しつつ、1ヵ月以内に片付けます、
とKGさんはおっしゃって下さいました。

所長さんに許可もいただきましたので、
早速、ミ―コが外出している間を狙って、
ハウスを設置したいところなのですが、
その日は、何度訪れても、
ミーコが子供達にぴったりくっついていました。

◆9月19日(水曜日)◆

 

午後帰宅すると、すぐにハウスを持って事務所に向かいました。
ミーコは外出中。チャンスです。

 

 

資材が移動されるまでは、通路には入れませんので、
子猫達のいる通路の一番奥の塀の上から、傘の持ち手を遣い、
クレーンのようにしてハウスを通路地面にに下ろしました。

 

 

本当は一番奥にハウスを置きたかったのですが、
その場所には子猫達がいますので、
少し手前に下ろさなくてはなりませんでした。
子猫達はハウスの登場に気付いてもいないようです。
どうか、帰ってきたミーコが、子供達を
ハウスの中に運び入れてくれますように・・・。

 

 

 

 

ハウスを置いたことで、通路の環境は変わりました。
その上、人間がしょっちゅう覗いたのでは、
ミーコは恐らく警戒心を高めてしまうでしょう。

大丈夫、屋根があり危険のないこの場所を
子育て場所に選んだミーコですから、
必ずきちんと子育てをするはず。
そんなミーコの子供達もきっと元気に育つ。
確信ではなく、願いです。

私は、ミ―コと子猫達の無事を祈り、
1週間、一家をそうっとしておくことにしました。

 

 

とは行っても、家人は、毎朝、通勤の際、
塀の内側を覗いてミーコチェックを続けていて、
職場に着く頃に「今朝も無事でした。」と
私宛にLINEを送ってきていましたから、
ミーコ達が元気でいることはわかっていました。

 

 

To be continued ・・・