前回のお話はこちら。
東奔西走スピンオフPART(2):Family Tree「ミア」と「みかん」
ある日、どこかから移動してきたミア(こむぎちゃん)は、
M姉妹宅に辿り着き、ご飯や寝床を提供してもらいました。
そのうちに、みかん(カプ君)という彼氏が出来ました。
子猫達を産み育て、子育てから解放された時に、
縁あって優しいご夫婦の家族として迎え入れられ、
幸せな飼い猫になりました。
ミアがM姉妹宅にやって来てからの詳細がわかると、
それ以前のミアの歴史について興味を持ちました。
ミアにも、親やきょうだいはいるはずです。
でも、ミアはどこからやって来たんだろう?
基本に戻って考えてみます。
ということは、遠くの場所に住む人間が、
ミアをこの地に連れてきて遺棄したのではない限り、
ミアはこの地域のどこか近くにいた猫だということです。
この地域やその周辺の猫達に関わってもう6年になります。
その間、あちこちで猫を見かければ写真を撮ったり、
メモをとったりして、私なりに記録を残しました。
ピンボケ画像や殴り書きまで含めると、かなりの量です。
今となっては、訳のわからない画像やメモもありますが、
その時は「記しておかなければ」と思って残した記録です。
パソコンに案件ごとに保存しているファイル、
旧パソコンやスマホから転送したままのファイル、
未整理のままのごちゃまぜファイル。
ミアに繋がる情報は何かあるかしら・・・。
時間のある時に1枚1枚開きながら、確認していきました。
ある時、普段のたわいもない会話の中で、
ねこ藩・菅野さんが言いました。
「菜花ちゃんはどうしているのやら。」
その帰り道、私の頭の中で何かが起こりました。
数字がピタリと合い、カチっと音を立てた金庫の扉のように。
帰宅して、久しぶりに菜花ちゃんの想い出の画像ファイルを開き、
「そうか!」と、私は声を上げてしまいました。
◆ 菜花ちゃん ◆
2014年の夏に、少し離れた場所にある小さな公園で
菜花ちゃんというとても可愛い成猫と出会いました。
時々公園に立ち寄り、菜花ちゃんを見守っていたのですが、
人慣れした可愛い菜花ちゃんをどうしても放っておけず、
翌2015年の春に思い切って保護しました。
菜花ちゃんと公園で出会う。
保護後、避妊手術を終えた菜花ちゃん。
出会ってから保護するまでの約9ヶ月、
時々、公園を訪れては菜花ちゃんと触れ合っていました。
公園には菜花ちゃん以外に、私が見ただけでも、
大きな成猫や生後1年未満くらいの若い猫、
併せて7-8匹の猫がいたように記憶していますが、
人を全く怖がらずに、トコトコ近寄って来て、
頭や体を触らせてくれるのは菜花ちゃんだけでした。
菜花ちゃんのそばには子猫が2匹いました。
生後半年以上の大きさだったと思います。
1匹はキツイ顔をしたきれいなグレーの男の子で、
菜花ちゃんの後ろに隠れてこちらの様子を伺っていました。
生後半年に満たないグレ太
もう1匹は、菜花ちゃんの容姿をそっくり受け継いだ、
ムギワラのようなサビのような女の子でした。
その女の子は警戒心がかなり強く、私が手を差し出すと
ものすごい速さで植え込みの中に逃げ込みます。
そして、私が菜花ちゃんと触れ合っている間は。
決して植え込みから出てきませんでした。
2015年春、菜花ちゃんを保護することに決め、
夕方になってから公園に向かいました。
菜花ちゃんは抱っこできる猫でしたから、
キャリーバッグでの確保でも良かったもしれませんが、
万が一のことも考えて、捕獲器を持参しました。
結局、菜花ちゃんは、私の誘導でステンレスケージに
のそっと入ってくれました。
その作業の間、公園の隅に無造作に置いた捕獲器に
近寄った猫達がいたので、撮影したのが下の画像です。
菜花ちゃんといつも一緒にいた、菜花ちゃんの子。
暗かった為、画像修正し、色が少し薄く見えますが、
菜花ちゃんとあの子は、顔立ち、毛色や色の配分等、
猫に興味がない人でも「これは親子?」と推測するでしょう。
菜花ちゃんの子とミア(こむぎちゃん)を比べてみると、
共通点が多いというより、ほぼ同じです。
菜花ちゃんを保護してから1ヶ月程経った頃、
そして、その後も何度か公園に足を運んだのですが、
菜花ちゃんのもう1匹の子供・グレ太を見ることはあっても、
あの女の子を一度も見かけませんでした。
誰かに保護されたか、どこかに移動してしまったか、
あるいは亡くなってしまったのかもしれないと思っていました。
私が菜花ちゃんを保護した頃、
公園からあの子が消えました。
ちょうどその時期、M姉妹宅に、
やって来たのがムギワラのミアです。
距離的にあり得るだろうか?
女の子がそんなに移動するものだろうか。
野良猫の行動範囲は、♂猫で半径200~500m程度、
♀猫はその半分と言われています。
野良猫の行動範囲の中には、エサ場、寝床、トイレ、
日光浴スポット、猫ミーティングの場所などが含まれていますが、
移動した先が、自分にとってもっといい環境だと判断したら、
猫が移動先に落ち着き、テリトリーを変える可能性は大です。
ソフトを使って公園とM姉妹の直線距離を調べてみました。
人間が、公園からM姉妹宅まで行こうとすると、
直進、右折、直進、左折、直進左折と、
330メートル以上は歩かなくてはなりませんので、
イメージ的にはかなり遠く感じていました。
しかし、猫道だと直線で100メートル足らずでした。
行動範囲としては充分、難なく移動できる距離です。
今、改めて、2匹の画像を比べてみて、私は確信しています。
公園にいた菜花ちゃんにそっくりだったあの女の子が
M姉妹宅に長い間居候することになるミアであり、
我が家から卒業していったこむぎちゃんだったと。
こむぎちゃんを家で保護していた時、
なぜそのことに気付かなかったかのが不思議です。
菜花ちゃんがいつからあの公園で暮らしていたのか
詳しいことはわかりません。
こむぎちゃんが、何月何日に生まれたのか、
グレ太の他にきょうだいがいたのか、
それも私にはわかりません。
ある日、何かのついでに、出会ってしまい、
私の中の菜花ちゃんとこむぎちゃんの歴史が始まりました。
いつか、あの公園の猫達に詳しい人と知り合うことがあったら、
菜花ちゃんの出自が明らかになるのかもしれません。
公園で暮らしていた菜花ちゃんが1代目。
公園から移動した菜花ちゃんの子供・こむぎ=ミアが2代目。
そして、こむぎ=ミアが産んだ、チャップ、凪ちゃん、みいが3代目。
みいが産んだ、ナッツ、アグー、ニア、よつば、ゆずが4代目。
ナッツが産んだニック、ココ、カシューと、
ゆずが産んだ産んだあんず、あけび、ざくろが5代目。
M姉妹と私が共有した情報をもとにした、
「ミア」のFamily Treeです。
To be continued・・・