この数年間、ホームページ、InstagramのDMに送信されてきたメッセージの数々。

最も多い内容は以下。

①里親希望の問い合わせ
②捕獲に関する問い合わせ
③お手伝いに関する問い合わせ

 

 

①里親希望の問い合わせ。

これは、保護猫の里親募集をご覧になっての問い合わせですから、
一部の「?」なお申し込みを除いては嬉しいメッセージです。
「ペットのおうち」や「ネコジルシ」等の
里親募集サイトに掲載していることがほとんどなので、
回り道になってしまいお手数をおかけしてしまいますが、
そちらから改めて申し込んでいただく形をとっています。

 

②捕獲に関する問い合わせ。

捕獲に関しては、捕獲器を借りたい、病院を紹介してほしい、
母猫はTNRで子猫を保護して里親探しをしたいので流れを知りたい等、
ご自身で動こうとする方方々からの問い合わせがほとんどです。
それだけ世間一般にTNRの考え方が広まってきた証拠ですから、
これも嬉しいニュースではあります。

(親猫の手術をして子猫の保護をして下さいという、
こちらに丸投げのお問い合わせも時々ありますが、
そういった依頼は理由を話してお断りしています。)

 

 

③お手伝いに関する問い合わせ。

これがよく対応に悩む問い合わせなのです。

「可哀想な猫を減らす為に何かしたいのですが、
お手伝いさせてください」

そのお気持ちは充分にわかります。

「どういうお手伝いがしたいのですか?」と問えば、
「どういうお手伝いがあるのですか?」と返ってくる。

そこで、ねこ藩が必要だと感じていることをリストにあげて説明します。

捕獲作業、病院への運搬、子猫、または術後の大人猫の預かり、
捕獲器や備品のお届け等、外での活動。
ハンドメイドグッズの考案・製作、フリマ販売品の寄贈、
イベントでの運搬、設営、販売等、活動資金を得る為の活動。
チラシや広告、ポスター等の広報活動。

 

すると、こういう返答になります。

●ペット不可の賃貸に住んでいるので、部屋に猫を入れられない
●車を持っていないので、猫や物資の運搬は出来ない
●会社員で週末は他の用事もあるので、月に1度くらいしか時間がとれない
●不器用なので手芸や裁縫はできない
●絵は描けないし、文章力がないのでチラシや広告は作れない
●フリマに出せる不用品がほとんどない
●朝が弱いので、イベント時の早朝の手伝いが出来ない
●対面販売が苦手なので、販売のお手伝いができない
●スマホは使えるが、パソコン作業が得意ではない

 

もちろん人には得手不得手がありますから、
出来ない手伝いというのもあるでしょうが、
ここまで「手伝いが難しい」条件が揃ってしまうと、
お申し出はとても有難いですが、まず「撃沈」でしょうね。

 

「どうしてもお手伝いがしたいのであれば、
大きな保護団体さんに問い合わせてみてはいかがですか。」

そのように提案すると、

「大きな団体さんを教えて下さい。大きな団体さんでは、
どういうお手伝いを必要としているのですか。」

と返ってきます。

 

えーっと・・・
自分で調べてみては?

 

 

しまいには、こう来ます。

「私には何が出来るんでしょうか。
こちらで何か出来ることがあれば連絡下さい。」

 

さあ、何が出来るんでしょうねえ。

 

 

 

ねこ藩では、イベント参加予定がある場合には、
ホームページやInstagramで告知し、
お手伝いさんを募集することがあります。
それをご覧になって、連絡を下さるのは大歓迎ですが、
こちらがよく知らない方々にわざわざ連絡して
「手伝っていただけますか?」とは訊ねません。

「お手伝いして下さる気があるのならば、
イベント予定をご自身で確認して、そちらからいただけますか。」

とお願いすれば、

常にブログやInstagramを見ているわけじゃないんだから、
イベントに気付かない。手伝いが必要ならそっちから知らせろと。

 

 

なにそれ。

 

 

菅野さん、IKさん、M姉妹等、
個人的によく知っている方々は、
ねこ藩のスタッフのような存在ですから、
こちらから直接LINEや電話で、
「○月○日のイベント、どうかしら?」
と打診します。

意地悪な言い方をすれば、

「ボランティア活動をしてみたいので、
どなたか、無理のないきつくない範囲で、
私が楽にボランティア活動が出来るように
計らってくれませんか?」

という風に聞こえるのです、私には。

 

こちらが全てお膳立てをしなくては、
あなたは何も出来ない方なんですか?
インターネットという情報源があることはご存じ?

まずは自分で調べてみることですよ。

 

猫が可哀想。
だから猫を救う手伝いをしたい。

その想いはわかります。
でも、まず、その「猫を救う為の活動」の
全体像を知ることから始めていただきたい。

今の社会で、どういった活動が、
可哀想な猫を減らすことに繋がっているのか。
活動には常に動きがあり、流れがあり、仕組みがある。

そういった基本を理解しようとせずに、
「ボランティアをしたい」と考えているのであれば、
それはもしかしたら、本心から真剣に
「ボランティアをしたい」と考えているのではなくて、

「ボランティアをするなんて、自分はちょっといけてるかも!」
という想いがどこかにあるのかもしれないですよ?

 

 

就職と似ている部分があります。

「この企業で働きたい」

ではこの企業の経営理念は何か。
この企業がどういった形で社会と関わっているのか。
その大きな組織の中で、自分が小さな歯車になるとしたら、
どんなことで貢献していけるのか。

そこまで考えて、この企業に就職したいと思っているのか。
それとも、この企業で働いていると言えば、一応格好がつくからと、
企業のネームバリューだけを重視しているのか。

 

何でもそうだと思いますが、
自分が手伝いをしたい、歯車になりたいと思ったら、
自分なりにビジョンを持つことが大切です。

受け入れ側がどういったことで手助けを必要としているのかを知り、
その中で自分が出来ることは何かと他人に聞く前に、
自分なりに考えて、ある程度の答えを見つけておくことが
必要になってくるかと思います。