前回のお話。
2020年7月17日のブログ
「依頼者が消えました。:④ルルの一族(前編)」

依頼者が消えました。:④ルルの一族(前編)

 

 

 

 

常に疲れているのは、どの猫ボランティアさんも同じ。
11月のイベント2つが終わるまでは、
最低限の睡眠で何とか乗り切らなくてはなりません。

 

すぐに気持ちを切り替えて、
ルルちゃん一家とイベント準備に集中、集中。

 

 

 


ルルちゃん

 

 

 

 

ルルちゃんの子猫は上村さん宅2匹と、
我が家2匹に分かれて、コクシジウムの退治中。

毎回トイレ掃除をしなくても済むように、
トイレの底に大きな厚手のビニールを敷き、
汚れたら、ビニールと猫砂ごと捨てて、
また新しいビニールを敷いてその上に猫砂を。
この方法で、少しは手間が省けたような気がしました。

 

 


上村さん宅のちゃお(左)とてん(右)


ねこ藩H宅のはみ(左)とちゃま(右)

 

 

 

連続10日間の補液が終わったルルちゃん。
ルルちゃんの責任者=保護主、は私ですから、
いつまでもボランティア・Kさん宅に
お世話を任せておくわけにはいきません。

 

 

 

今度どのようにしていくかを考えなくては…と、
思っていたところ、ちょうどいいタイミングで、
Aさんから連絡がありました。

 


ルルちゃん、うちでお世話しますよ!

 

Aさんは、隣の駅近くにお住まいの方で、
2019年春に、コリーナリンの2匹を一緒に
迎え入れてくれた里親さんです。

 


コリーナ(左・現あさりちゃん)とリン(右・現しじみちゃん)

 

 

これで、しばらくはピンチを乗り切れそう・・・。
Aさんの申し出を甘んじて受けさせていただき、
ルルちゃんはKさん宅からAさん宅に移動しました。

腎臓治療薬をシリンジで飲ませる作業も、
Aさんが引き続いで下さいました。

 

 


約3週間過ごした1段ケージから、Aさん宅の3段ケージに移動。

 

ルルちゃんと子猫達、けいちゃんとひめちゃんが、
とりあえずそれぞれの場所に落ち着きました。

そうなると、あとは先伸ばしにしていたことを、
やってしまわなくてはなりません。

細谷さん宅バルコニーで暮らす3匹の男の子たちです。

 

 

 

ルルちゃんが移動したその日の晩、
細谷さん宅に、捕獲器1台とキャリー2つを届けました。

一番人慣れしていないタイガを捕獲器で、
細谷さんに慣れているプーちゃんととらのすけは、
それぞれキャリーに入れて・・・のはずでしたが、
翌朝、3匹を受け取りに伺うと、
捕獲器に入っていたのは一番おとなしいとらのすけ。
警戒心が一番強いタイガはキャリーの中で唸っていました。

また最も人慣れしているプーちゃんは、
いきなり箱に入れられてビックリしたのでしょう。
キャリーの中で、肛門腺から分泌液を発射し、
強烈なかおり(笑)がそこいら中に・・・。

 


タイガ(左)、プーちゃん(真ん中)、とらのすけ(右)

 

 

 

預かった3匹のうち2匹(タイガとプーちゃん)は、
ボランティアのKさんが病院に連れて行って下さり、
私はとらのすけを引き受けて、別の病院へ。
その日のうちに去勢手術を済ませた3匹を、
夜、細谷さん宅にお届けしました。
翌朝、細谷さんはバルコニーに3匹をリリース。

これで、橋本さん宅、細谷さん宅併せて、
不妊手術が必要だった猫達5匹の手術が全て終わりました。

 

 

 

ルルちゃん一家の保護から1ヵ月と1週。
厄介なコクシジウム駆虫も済み、
やっと初回ワクチン接種を終えたところで、
一斉に里親募集を開始しました。

 

 

 

◆ちゃみとはみ◆

 

予想した通り、子猫には申し込みが殺到しましたが、
我が家で過ごしている茶トラのちゃまとサビのはみは、
2匹を一緒にと希望して下さった、
世田谷区のご夫妻を優先させていただきました。


ちゃまとはみ。


我が家で過ごす最後の晩です。

 

お申込みの5日後にお見合い。
その1週間後に、世田谷の高級住宅地に、
2匹をお届けに伺いました。

 

 

 

早々と卒業していったちゃまとはみ。
ちゃまはココちゃん(ココナッツ)、
はみはタピちゃん(タピオカ)という
可愛い名前を付けていただき、
先住猫さん達ともすぐに仲良くなりました。

 


先住猫3匹のうちの1匹、ブルーノくんと。


ご主人はテレビ番組制作会社の社長さん。素敵なお宅です。

 

 

 

 

 

◆ちゃおとてん◆

 

次に、上村さん宅にいる2匹=茶トラのちゃおとサビのてんを、
2匹一緒に迎えたいという方とのお話が進みました。

 


ちゃお(左)とてん(右)

 

 

既に4匹の猫を飼っている、外国籍の方でしたが、
日本で生まれて育った、完璧な日本語を話す方で、
とても礼儀正しく丁寧な対応の、CAさんという方でした。

お見合いで話が決まり、その5日後に、
上村さんと一緒にお届けに伺ったのですが、
猫部屋にしているという部屋を拝見して、
私達は唖然としてしまいました。

4畳半程の部屋の全ての壁には机、本棚、カラーボックスの棚。
そういう部屋はよくありますので、それはいいとして、
部屋の真ん中の間スペースには猫砂まみれの敷きっぱなしの布団(人間用)、
その横に猫トイレがひとつだけ。トイレの前にフード皿が散乱。

脱走防止対策は特に何もしていないが、
窓を開けることはないので大丈夫という
その窓は曇りガラスのように汚れています。

一番嫌悪感を覚えたのは、
何年も掃除機をかけたことのないような埃っぽさ。
本棚の棚板、机の表面・・・。
平面部分が全てグレーの埃で覆われていて、
もともとは黒い家具のはずが黒に見えない。

飼い猫は4匹だったはずですが、実際には6匹いました。
2匹は、ボーイフレンドが飼っている猫で、
彼が留守にする時はいつも預かっていると言っていましたが、
それは飼い猫の数を過少申告する為のウソではないかと疑いました。

物が散乱している埃っぽい部屋の状態を改善しない限り、
ちゃおとてんをを置いていくことは出来ない、
よく考えて、衛生的にも好ましい環境にして下さいと告げ、
猫を連れて、CAさん宅を早々に出てきました。

掃除をして改善しても、またあのような状態になるでしょう。
少しでも猫を救うことが出来るのならば、
自分が引き取りたいと言っていましたが、
ご自身の限度を見定める判断力が鈍っているようです。
そして、あの異常な環境を異常だとこれっぽっちも思っていない
彼女こそが異常だと思いました。

帰宅後、あらためて、こちらからお断りをしました。

 

 


振り出しに戻りました。

 

 

 

1匹しか飼ってあげられませんがと、
ちゃおにお申込みをいただいていた、
Fさんという若い女性に連絡をしてみました。

とても明るく感じのいい方でしたので、
お見合いにいらしていただき、
上村さんと話し合った結果、
Fさんにちゃおを託すことに決めました。

お見合いからお届けまで6日間という短い期間で、
Fさんはお仕事をしながら、ちゃおのお迎え準備をして下さり、
私達も安心して、Fさんにちゃおを譲渡しました。

 


引っ越しをされたばかりの新しいお宅。

 


猫と暮らしたいとずっと思っていたそうで、
様々な猫柄グッズが揃っていました。

 

 


2ヶ月弱、お母さんだった上村さんとお別れです。

 


Fさんの膝上でリラックスするちゃお。

 

 

ちゃおは「琥珀くん」という名前になりました。
Fさんが、ずっと憧れていた「猫との生活」の始まりです。

 

 

 

さて、1匹の残ったてんちゃん。
とても賢い、愛嬌のある可愛らしい子ですが、
サビ猫は好き嫌いが分かれる色柄なのか、
なかなかお問合せがありませんでした。

 

 

預かりのKさん宅にいる「ひめちゃん」に
問い合わせを下さったCHさんという方に、
厚かましくも「てん」を紹介させていただくと、
すぐにお見合いにいらして下さいました。

 

サビ柄が人気ないなんて意外です。
こんなに可愛いのに!

と、CHさんは「てん」を気に入って下さいました。

ご実家で長く猫を飼っていらっしゃることと、
猫のことをしっかり考えて下さる方で、
私も上村さんもお会いして時間も経っていないのに、
CHさんは信頼できる方と確信しました。

 


お迎えまでの短い期間で、CHさんが手作りした猫ベッド。

 

 

お見合いの1週間後、都内のご自宅にてんをお届け。
「てん」は「まつ子ちゃん」という名前になりました。
「マツダイ」という魚に色柄が似ているからと、CHさん。

 


てんの辞書に「人見知り」という言葉はない。

 

 

 

 


CHさん作:まつ子のおうち。

 

 

 

 

これでルルちゃんの子猫達は全て卒業しました。

あとは、細谷さんのバルコニーから保護した、
ルルちゃんの姪たち=けいちゃんとひめちゃんの里親探しです。

 

 

 

To be Continued ・・・・