前のお話はこちらから↓↓
①ドンキホーテと嵐が丘
②さよなら、バジル
③暗雲立ち込める
④正解などない。

 

 

 

 

7月初旬、保護主Nさん運転の車で、お引っ越しの済んだAさん宅に、
ヒースをお届けに伺いました。

 

 

 

物怖じすることなく、
興味津津でキャリーから出てきました。

 

 

 

 


 

 

Aさんの回りをうろうろ。
用意したトイレのチェックをしています。

 

 

 

 

フードはこうで、目薬はこうで、トイレはこうで・・・
NさんとAさんが話をしている間も、
ヒースは探検に余念がないどころか、
床にあるものを手でちょいちょいと動かして遊んでいます。

 

 

 

 

 

Nさんにお別れ。

 

 

 

 

 

その夜、Aさんから届いた画像です。 ↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aさんの膝の上に乗って遊び、疲れて眠る。
生まれてからずっと一緒だったきょうだい達と離れ、
初めて一人になり、初めての場所に連れて来られましたが、
ヒースにとっては、あまり関係ないようです。

 

 

 

 

 

 

子供にはまだ早いよ。

 

 

 

 

 

パートのお仕事をしばらく休んでまで、
ヒースとクリフを預かって 大切に育てて下さった上村さんを、
そろそろ解放してあげましょうということになり、
Nさんは、事前に、2匹を 上村さん宅から自宅に移動させていました。
ヒースが卒業した後、Nさん宅にクリフとキトリが残りました。

 

仕切り直して、里親探し続行です。

 

 


 

 

Nさん宅でご縁を待つキトリとクリフ

 

 

 


 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

里親募集掲載内容には、嘘を記載するわけにはいきません。
クリフとキトリが生後1.5カ月の際に受けた血液検査で、
猫エイズ陽性反応が出たことを付け加えました。
1週間、2週間、3週間・・・1ヶ月。
以前は断続的に届いた問い合わせメールはパタリと来なくなりました。

 

同じ月齢の子猫、いや、もう少し大きな子猫で、
時期尚早の為、ウィルスキャリアかどうかが不明の子達でも、
貰われていく子はたくさんいます。

クリフとキトリの里親募集ページの閲覧数は相変わらず増えていましたが、
申し込みが全く来なくなったということは、
画像を見て「可愛い!」と思って詳細を見たら、、
「ウィルスキャリアの可能性がある子だからダメ。」
ということなのでしょう。

 

実はNさんが昔飼っていた猫もウィルスキャリアでしたが、
発症はしなかったそうです。
いつか、Nさんのような経験をした方の目にとまり、
クリフとキトリを2匹一緒に迎えて下さる方が現れたらいいな、
そう思って、問い合わせが来るのを待つ毎日でした。

インターネットの里親募集では可愛い写真を載せることが出来ても、
ちょこまかと動く姿を眺めたり、か細い鳴き声を聞いたり、
ちっちゃいお手手やふわふわの毛に触れる等の体感はできません。
6月の里親会で一度は決まったご縁がゼロになってしまったけれど、
諦めずに、もう一度里親会に連れて行こう・・・と決めました。

 

里親会の数日前に、Nさんからメールが来ました。
「クリフとキトリは我が家で飼おうと思います。」

 

 

保護直後からキトリとバジルをずっと育てていたのはNさんです。
バジルが亡くなり、キトリはひとりになりました。
ヒースが卒業し、ひとりになったクリフが上村さん宅から戻ってきました。

Nさんは、昨年、7才になる飼い猫を急性腎不全で亡くしています。
無邪気に足り回って遊び2匹のお転婆な女の子を育てながら、
いろいろと思うところがあったのでしょう。

レジ袋入りで捨てられたこの子達が、すぐに知人によって発見され、
そして、すぐにNさんにその知らせが届いたことも、縁なのかもしれません。

クリフとキトリはNさんの飼い猫となりました。

途中いろいろあったけれど、育たないまま逝ってしまったバジルの分まで、
それぞれ幸せな猫生を送っていける3匹だと私は確信しています。

 

 

 

 

 

Aさんの飼い猫となったヒース

 

 

 

 


 

 

 

上村さんご一家に育ててもらい、
Nさんのもとで、
キトリと一緒に生きていくことになったクリフ

 

 


 

 

 

ずっとNさんに育てられてきたキトリ

 

 

 

 


 

 

 

そして小さい可愛い姿のまま
空に帰っていったバジル

 

 

 

 

皆が繋いだ命のバトンです。
さて、3匹はどんな大人の猫になるのかな。
楽しみです。

 

The End