2013年夏から、自宅の敷地と私道にやって来る野良猫を
TNR、 時には保護してきました。
それは猫ボランティアの活動でも何でもありません。
特に猫が大好きというわけでもありません。
野良猫=飼い主のいない猫が自宅周りにたくさんいることが、
とにかく嫌だったんです。
庭には糞尿の被害も当然ありましたが、
そんなものは自分で対処すれば済むことです。
さほど大きな問題ではありません。

では、なぜそんなことを始めたのか。

野良猫という存在が哀れで、
見ていたくなかったからです。

 

 

 

色々と調べては考え・・・を繰り返す日々でした。
メスの不妊手術を行っていれば、
子猫が生まれることはないから、
数年後には、自宅周りに猫はいなくなる、
あるいは激減するだろうと思っていました。

 

しかし、これがエンドレスな作業であることは
初期の段階で思い知りました。
いくら自分のところに来た猫達の不妊手術を行っても、
しばらくすると新しい猫がやって来るのです。

自宅周りだけを観察していてもだめだ。
猫達がどこからやって来るのか、ベースを探さなくては。

通勤の途中、買い物のついでに、もっと注意して近所を見るようにしました。
ついでだけではなく、野良猫調査の為にあちこち歩きまわることもありました。

自宅での捕獲&不妊手術を細々と行いながら、
しばらく野良猫ウォッチングを続けていましたが、
猫関係のことで知り合った方々から話を聞いたり、
自分で発見したりして、
猫が多く沸いて出ている場所を突き止めました。

 

以来、私はそれらの場所を「野良猫製造工場」と呼んでいます。
(世間ではよく「野良猫ブリーダー」と呼ばれています)
野良猫を人為的に繁殖させている、という意味ではありません。
野良猫の繁殖をストップ出来る立場にありながら、
ご飯を与えるだけで一切不妊手術をしない為に常に野良猫が出産し、
地域の野良猫供給源になってしまっている場所のことです。
ここ数年の間、3ヵ所の野良猫製造工場をマークしていました。
我が家を中心にして考えると、我が家の東、西、南に1ヶ所づつ。
昨年、西南に新たな製造工場があることを知りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(1)重田邸(我が家からおよそ110メートル)

地元では有名な餌やりおばあさん・重田さんの住宅とおばあさん所有のアパート。

昔からベテランボランティア・三木さんが定期的に不妊手術を行ってきましたが、
効果はありません。すぐに猫が増えてしまうのです。
それも当り前。おばあさんは常に玄関、通路、裏庭にたんまりと置き餌をしていますから
自然と餓えた野良猫はおばあさん宅に集まります。
新しい猫が登場すると、誰かが私の家にまた捨て猫をしていったと
おばあさんはグチを言います。
捨て猫ではなく、おばあさんの置き餌が原因では?と説明しても聞く耳は持ちません。
メス猫が出産して更に猫が増えるのは困るので
(近所の人達からまた苦情を言われる、というのが理由)、
おばあさんは三木さんに連絡しTNRをお願いしていますが、
いつも必ずというわけではありませんから、どこかしら蛇口は開いている状態です。

更に問題なのは、重田邸の奥にある、重田さん所有のボロアパート。
唯一の住人である家賃滞納おやじ=海老沢さんが、
アパート1階通路部分にランチバイキングのように様々な餌をずらりと並べています。
メス猫が出産すると、1匹か2匹だけを自分の部屋に入れ、あとの子猫は外に置きっぱなし。
部屋に入れた子猫が大きくなると外に出して面倒を見なくなります。
要するに子猫が好きなので、小さい子猫の時だけ可愛がり、あとは知らん顔です。
メス猫に避妊手術をしてしまうと子猫が見られなくなりますから、
おばあさんがボランティアにTNRをお願いしようとすると、
「ボランティアに知らせるな、猫をどうこうするな!」と怒鳴りちらします。

重田邸での過去の捕獲作業
重田邸について

 

 

 

 

 

 

居住者のいない1階通路。
2階の住人・海老沢さんが好き放題やってます。

 

 

 

 

 

 

 

敷地内のあちこちに潜む猫たち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)ジャングルハウス。(我が家からおよそ90メートル)

Sさんという老夫婦が住んでいる朽ちかけた古い住宅。
私自身はジャングルハウスの住人に会ったことは一度もありません。
昔からご主人が野良猫達に餌をやっていて、
近所の方々が度々苦情を申し入れたそうですが、
今でも餌をやっているのかどうか、実態はハッキリとはわかりません。

門から住宅までの距離が長く、
手入れをしない通路に木々・植物が生い茂り、
奥まで見ることは出来ないのです。
通路部分を含め広い敷地です。
ジャングルハウスに続く門と、隣接する住宅の庭から、
何匹もの猫が出たり入ったりしていますが、
痩せている猫は見たことがありませんから、
やはりこのジャングルハウスの区域内で
猫達はご飯を貰っていると想像できます。

ジャングルハウスに隣接した住宅にお住まいのIさんは、
ガーデニングが趣味で、お庭のあちこちに球根を植えていますが、
猫達に花壇を掘り起こされ、 糞尿をされてしまうのが長年の悩みの種だと言います。
常にこれだけの野良猫がわらわらといるんだから、
今でもご主人が餌をやっているに決まっているとIさんは考えています。
野良猫対策としてトゲトゲシートをあちこちの花壇に置き、
塀を超えて猫が庭に入ってくるとホースで水をかけて追っ払っているそうです。
Iさん宅とジャングルハウスの境には高さのある塀があり、
また塀の向こう、ジャングルハウス側は木で覆われているので、
ジャングルハウスの様子をハッキリと見ることは出来ません。

 

 

 

車道から駐車場を抜けた奥に門が見えます。
ここから奥の住宅までの距離が長い。

 

 

 

 

 

 

紅葉している木の部分の裏がジャングルハウスです。
手前のお庭はIさん宅。

 

 

 

 

 

Iさん宅側から見た図。
高い塀の向こうは木々で覆われていて
住宅の様子が見えません。

 

 

 

 

(3)春田アパート(我が家からおよそ230メートル)

1階に住む気さくなおじさまが、狭い庭に置き餌をしています。
段ボールで作ったハウスが置いてあることもありますが、
時々、自治会やご近所から苦情が来るとおっしゃっていましたから、
その度にとりあえずハウスもご飯トレーも引っ込めてしまうようです。
(で、しばらくしてまたすぐにもとに戻す。)

人慣れしていない猫達が、アパート前の排水口に入って行くのを何度も見ました。
やって来る猫にはご販をあげて下さる優しい方ですが、
ご飯皿を外において自分はすぐに中に入ってしまうので、
ここの猫達は人慣れしていません。
おじさまもまた、猫の色柄については把握していません。
また「お腹がすいたら可哀想だからね」とご飯をあげているだけなので、
ご自身で繁殖制限 (不妊手術)をすることは全く考えていません。
200メートルくらい離れた場所に娘さん一家がお住まいで、
娘さんも春田アパートの猫達に時々ご飯をあげに来るのだと言っていました。

以前、庭や玄関付近に捕獲器を置かせてもらう話をした時には、
「私にいちいち断らなくても勝手に入って作業して大丈夫だよ。」と
ニコニコしていましたので、ここが一番着手しやすい場所です。

 

(4)居酒屋S(我が家からおよそ300メートル)

交通量の多い通りに面する居酒屋。
高齢の女性店主と年配の従業員(外国人女性)が猫に餌をあげています。

店の入り口横に立てかけられたヨシズの内側に、
ご飯と猫用のベッドが複数置かれ、常に複数の猫達が出入りしています。
道路を渡って居酒屋に通ってくる猫も複数おり、
近所の方々は、店の前の道路で、子猫や大人猫が
車に撥ねられ死亡しているのを頻繁に目撃しています。

女性店主は、以前、餌をやっていた猫2匹を去勢・避妊したが、
手術後しばらくして2匹がいなくなってしまった経験から、
「不妊手術=猫がこの場を去っていなくなる」と思い込んでおり、
もう不妊手術はしないと決めているのだそうです。
苦情を言われたり不妊手術をするよう説得されると、
自分ではなく従業員(外国人)が勝手に猫の世話をしているのだと言います。

ある時、この従業員と別の場所で話す機会が偶然あり、
不妊手術のことについて訊ねてみました。
彼女は、TNRに関する知識・理解が薄いように思いました。
「ママさんがフニンシュジュツしないのはタブン、おカネのモンダイ」
というのが、彼女の意見でした。

 

 

 

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今までにTNR、あるいは術後保護した猫で、出自がこの4か所のどこか、
あるいはこの4か所に密接な関係がある猫達をまとめてみました。
まだブログで報告していない猫達も含みます。
(名称の後ろの数字は、当ホームページ内「不妊手術の記録」「卒業猫たちの物語」に掲載している猫達の通し番号です。)

 

 

(1)重田邸関係

TNR:
そうこ(004)、三毛(012)、三毛(013)、三毛(014)、白キジ(015)、ブッチ(026)、
くらら(092)、ポッちゃん(094)
保護:
ぽぽちゃん(K-008)、ナリ(K-009)、チカ(K-010)、ひよすけ(K-014 )、むくすけ(K-015) 、
つぐすけ(K-015)、こますけ(K-017)
★この他にも、ボランティアの三木さんがTNR、保護した猫達が何匹もいます。

(2)ジャングルハウス関係

TNR:
キジ子(001)、斎藤くん=さくらちゃん(007)、凪ちゃん(063)、黒みつ(076)、えりこ(077)、
レオ子(078)、ナッツ(083)、アグー(084)、ニア(085)、よつば(086)、ゆず
保護:
もぐ(K-001)、とと(K-002)、まさむね(K-003)、ころちゃん(K-004)、しろまつ(K-005) 、
ひらまつ(K-006 )、すえまつ(K-007)、くりこ(K-029)、こまつ(K-030) 、こむぎ(K-034) 、
とらこ(K-082)、ミーちゃん、小八

(3)春田アパート関係

TNR:
三毛(016)、リリちゃん(020)、さばみ(072)、スギくん(074)、
保護:
リリちゃん(K-032)、ちゃみ(K-084)、むうむ(K-083)、ニャジラ(K-096)
★この他にも、春田アパート近辺で三木さんがTNRした猫達が数匹いるはずです。

 

(4)居酒屋S関係

TNR:ニャース(091)

 

 

 

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この4か所を地図上で大きなマルで囲んだ内側の地域内には、他の猫達もいます。

 

●飼い主のネグレクトにより外に出されたままの猫=カプくん(033)
●飼い主が高齢者施設に入る為置き去りにされた猫=チョロちゃん(009)
●既に耳カットが入っている猫:チャップ
●出入り自由の飼い猫:確認出来ている数4匹→過去のブログ
●ベースが不明のままTNRした猫たち:
福ちゃん(005)、アライくん(006)、白黒(017)、マルオ(042)、ラテ彦(062)、モッチー(079)、アッシュ(080)
●ベースが不明のまま保護した猫達:
チマ(K-027)、アミ(K-041)、はやて(K-049) 、かよちゃん(K-061)

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他の地域でのお手伝いが続くと、この辺りの猫の観察が疎かになります。
昨年夏の終わり頃から、状況が悪化していることはわかっていました。

ジャングルハウス隣のIさん。
カプくんの元飼い主宅隣に住む森本さん。
ご自身でTNRした猫2匹を世話をしている浜口さん。
近所で店舗を構えるTさん。

この地域にお住まいの複数の方々から情報をいただいていましたし、
私自身もこれまでに見たことがないと思われる猫達を何度か目撃していました。

 

 

警告~猫、増殖中。

 

一斉TNRをするべき時が来たのか・・・。

 

どんな柄の猫なのか。
まだ若い猫なのか、大人の猫なのか。
オスなのかメスなのか。
何匹くらいいるのか。
事前にひと通り頭に入れて計画しなくてはなりません。

庭を横切ったり、偶然道で見かけたりすれば、
その猫は私の頭の中とスマホに残りますが、
私も24時間見張っているわけではありませんから、
たまたま一度も顔を合わせたことのない猫達もいるはずです。

 

他人からの情報に惑わされることもあります。
キジトラを茶トラと言ったり、
白キジを白黒ブチと言ったり、
ムギワラをサビと言ったり。
猫の色柄に関しての知識・呼称を揃えておくことも大切です。
人によって表現が違うと、同じ1匹の猫が2匹いるような誤解を招きます。

 

細々と1匹づつ…なんて作業をしている場合じゃない。
まとめてやってしまわなくては。

一人でどこまで出来るか。
てか、やっぱり、私ひとりなんだよね?
どこから、どういう風に手をつけたらいいかな。

考えてばかりでは始まりませんから、
とにかく少しづつやってみる、と決めてはいましたが
不安な気持ちは抱えていました。

 

計画を練りながら、悶々と過ごしていたそんな時、
ありがたい追い風が吹きました。

「こんな人がいれば助かるのにな~」と心で思っていた、
まさにそんな方々との出会いがあったのです。

 

 

To be continued・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東へ西へ奔走・・・
と言っても、大したことはないのです。