「ペットショップやブリーダーで子猫を飼うと高いので、
保護されている野良の子猫を(無料で)貰いたいと思っている。」

 

正直にそう明言されて、インターネットの里親募集サイトから
申し込んできた方々は、これまでに何組かいました。
結果として、その方々に譲渡、とはなりませんでした。
「ただで貰いたいというから却下」というわけではありませんが、
保護猫に理解のある里親希望者の方々に、
猫を託したい、譲りたいという気持ちがあるからです。

 

インターネットでの里親探し、譲渡会での里親探し、
どちらのケースもそうですが、
保護側からすれば、里親希望者さまは全く知らない他人です。
里親希望者にとっても、保護主たちは全く知らない他人です。
それが、1匹の猫の譲渡を通じて譲渡者と譲受者という知人になり、
時には気の合う仲間や、友人関係に発展することもあります。

 

 

 

 

ずっと昔、私がまだボランティアを名乗る前の頃ですが、
個人ボランティアのIMさんが、
「貰っていただけるのであれば、身内が一番理想的よね。」
と言ったことがあります。
私は、「身内って家族とかのこと?」と聞き返しました。

そうではありません。
ここで言う、身内というのは、家族・友人・知人、
そして、その面々と繋がりのある人達。。

 

これまでに、ねこ藩の保護猫を迎えて下さった里親様も、
身内のようなもの、全くの他人ではありません。
(と、私は考えています。)

 

 

 

 

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(1)ロイとミニ―

 

2018年夏、ふくねこやさんが譲渡した2匹の子猫がいました。
「やはり2匹は経済的に無理かもしれない」という理由で、
そのうちの1匹だけが譲渡キャンセルとなり、
ロイくんが里親様宅から戻ってきました。
ふくねこやさんが見せてくれた、ロイくんの画像は、
とても可愛いく撮れていましたが、
これまでの経緯を知った上で画像を見ると、
ロイくんの表情がどこか寂し気に見えました。

近所で衣料品店を営む、Tさんという店主さんがいます。
何かのついでにお店に立ち寄りお話しすることもありますし、
外猫ハウスを提供したり、TNRのお手伝いをしたりと、
猫関係での濃いお付き合いもあります。

Tさんご一家はその昔、近所で子猫を拾いました。
長い間一緒に暮らし、数年前、その猫さんを看取りました。
「また猫を飼いたいけど、自分の年齢を考えるとね~。」
とおっしゃっていましたので、
私の方で、里親募集をしている保護猫がいても、
Tさんにお薦めするようなことはありませんでした。

それでも、時々、「最近こんな保護猫がいるんですよ。」と
猫の画像を何枚かチラ見せすると、
猫好きなTさんは、「可愛い!」と喜んでいました。

 

話は戻り、ふくねこやさんの出戻り・ロイくん。
いつものように、最近の猫画像と称して、
経緯を話つつ、ロイくんの画像をお見せしたところ、
「まぁ、可哀想に。」

 

 

そして、同じ日の夜、LINEが来ました。
「息子がロイくんを飼ってあげたいと言ってます。」

 

そうか、そうだったか!
ご自身の年齢が云々とずっとおっしゃっていましたが、
Tさんには、同居している、まだ30代の息子さんが
いらっしゃるではないの!

でも、Tさんはお店、息子さんは会社。
ロイくんが1日ひとりでお留守番になってしまう。

そこで、ふくねこやさんが保護している他の子猫、
月齢もたいして違わないミニーちゃんの画像をお見せしました。

 

Tさんからの返信。

「ロイくんにとって、ミニ―ちゃんが一緒の方がいいなら、
2匹一緒に迎えます。」

 

 

 

Tさんにはケージその他の子猫用品を準備していただき、
8月20日の夜、ふくねこやさんと一緒に、
ロイくんとミニ―ちゃんの2匹をお届けしてきました。

ロイくんはそのままロイくん、
ミニ―ちゃんはひめちゃんという名前です。

 

 

 

Tさんはすぐ近くにいる知人ですから、
「里親さまから連絡があまり来なくなってしまったけれど、
あの子はどうしているのかなぁ?」という心配もありません。
会う度に最近の2匹の話で盛り上がっています。

 

 

 

 

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(2)カッキ―・くり太郎

 

ロイ・ミニ―のお届けから1週間経った頃、
ふくねこやさんから子猫の新着情報が届きました。

 

 

おお、これは可愛い!
早速、Instagramに掲載しました。

 

 

 

2017年夏にねこ藩の保護子猫「はやて」
貰って下さったKCさんから、即、メールが届きました。

「欲しい!飼いたい!」

ストレートで効率のいい超簡潔メール(笑)。

 

 

 

最初は女の子のカッキーのみをご希望でしたが、
きょうだいの♂くり太郎も一緒に連れて行きました。
(いささか確信犯的ではありますが)、
KCさんご一家で2匹を迎え入れて下さることになり、
カッキ―とくり太郎は、先住猫さんが5匹いる
賑やかなお宅の新入りとなりました。

 

KCさんの手仕事により、お部屋の猫仕様が、
さらにバージョンアップしていました。

 

おばちゃん達3人がわいわいとお喋りに夢中になっている間、
カッキ―とくり太郎は、勝手に遊んで、勝手に寝落ちです。

 

前に迎えていただいた「はやて」が
「こんぶ」という名前になったのだから、
この2匹は「利尻」と「日高」にすれば~?

KCさん:「却下」(笑)。

 

 

 

ロイ、ミニ―、カッキ―、くり太郎。
ふくねこやさんが育てたこどもたち。
どんな大人の猫になるんでしょう。

 

 

 

 

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個人ボランティアさん達は、センターから猫を引きだしたり、
相談者から引き受けたり、ご自身の活動中に保護したりして、
常にたくさんの保護猫さんを抱えています。
保護猫は飼い猫ではありませんから、
飼い主さん探しをしなくてはなりませんが、
ご縁を探して譲渡会に参加したくても、以前は、
市内で開催される譲渡会はとても少なかったのです。

そういった個人ボランティアさん達の為に、
ふくねこやさんは、定期的な譲渡会を主催することにしました。
今では月に2度、時には3度、譲渡会を開催されていて、
譲渡会の開催は軌道に乗っていますが、
最初の頃は、ご自宅でも複数の保護猫達の世話をしながら、
場所探しや、広報、備品の準備で多忙を極めていたと思います。
そんな中、毎年、市民まつりのねこ藩ブースに、
販売のお手伝いに来て下さったり、
また、東京ビッグサイトでのイベントに参加した際には
はるばる遊びに来て下さいました。

ねこ藩が毎年資金集めの為に販売しているカレンダーも、
まとめて預かり、譲渡会会場で販売して下さっています。

週末は、家の用事や自分の活動が集中してしまう為、
ふくねこやさんのお手伝いがなかなか出来ずに
申し訳ないといつも思っているのですが、
譲渡会や猫関連イベント、保護猫情報の拡散は
今後もお手伝いしていきたいと思っています。