最近、自宅の庭にメスらしき野良猫がいつもいて、
半分居着いたような感じになっている。

 

特別な情景ではありませんから、この時点でスルーする人間がほとんどでしょう。


その野良猫がある日姿を消し、しばらくしてから

数匹のちびちび子猫達を連れて戻ってきた。

そこで初めて「この状況…困ったことになった。」と思い始めます。
放っておけば、半年後にはまた同じことが起こり、
それはずっと続く可能性があります。
そうして、猫がどんどん増えていきます。

だからどうしろと?

繁殖制限をしないと野良猫は加速度的に増加していきますが、
行政に野良猫の繁殖制限をする義務はありません。
繁殖制限を請け負う業者もいません。

「これはまずい、何とか手を打たなくては」という危機感を抱いたとしても
多くの人間は自発的に何かをしようとはしません。
自分が飼っているわけでもないのになんで私が?と思うからです。

中には「よし、自分で何とかやってみよう」と動く人間もいて、
そういった考えに至る人間は増えてきています。

ノウハウも必要だし、道具もない。
そうだ、野良猫のボランティア活動をしている人間に手伝ってもらおう。
いい方向性です。

ボランティアの人間に手伝ってもらう」のです。
居間でお菓子を食べながらテレビを見ている間に、
全てボランティアの人間が何とかする思ったら大間違いです。

捕獲器をセットし、捕まるまで何度も現場を観察する。
猫が捕獲器に入ったら不妊手術の為に病院に連れて行く。
そばに子猫がいたら保護して自宅で預かり、
しつけをしながら里親を探す。
子猫に健康上の問題が見つかれば病院に連れて行く。
医療費全額、交通費、その他経費諸々を負担する。

「これ全てボランティアの人がやってくれることなんでしょ?」と思い込み、
ボランティア側に丸投げする勝手な人間のなんと多いことか。

じっくり考えてみればわかることです。
逆の立場だったら、人としてどう感じますか?
ボランティアは職業じゃないんです。
仕事も家庭もあるごく普通の住民なんです。

自分出来ることは何かをまずよく考えてみます。
出来ることがあればそれを実行し、
出来ない部分をボランティアに手伝ってもらうのです。
「自分には出来ないこと=自分がやりたくないこと」ではありません。

世の中、勘違い人間だらけ。

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1月末、ねこ藩に問い合わせがありました。

お店の裏に野良猫達がよく来ている、母猫と大きくなっている3匹の子猫達。
毛色から全てメスだと思われるので、このまま放っておけない。
出来るだけ早く4匹の不妊手術をしたいと思っているが力を貸していただけないか。

隣接市にお住まいの自営業の方・江川さん(仮名)から緊急のご相談です。

え、隣接市の手伝いまでやるの?
それより近所の問題を先に片付けた方がいいんじゃないの?
この地域のTNRをメインに考え、その為に基金を活用するんじゃないの?

自問自答。
その通り、確かにそうなんです。

でも、計画をたてて提案しても、そのうちね~とのらりくらりしている。
そんな近隣の依頼者のGOサインを延々と待っているのは時間のムダ。
同じ街の住民でなくても、やる気満々で手伝いを必要としている方がいる。
勇気を出して一歩踏み出した方に力を貸すことの方が、有意義。

ということで、ねこ藩は江川さんのお手伝いをすることにしました。

活動の記録は追ってまた。