ロイ君の5日間:その後~追記

4月8日,2025 | TNR活動, 保護猫, 日々活動

ロイ君についての話は、2月のブログをご覧ください。
2月13日 ロイ君の5日間:後編(終)
https://nekohan.jp/archives/17580

 

 

 

ロイ君が亡くなったあと、仲間のKさんが
掲出用の[お知らせチラシを作製して下さいました。

 

 

 

 

 

 

ロイ君が来ればご飯をあげたり、寝床を用意していたのは
NさんとKさんの2軒ですが、
それは私の方で把握している方々というだけのこと。

 

 

数年前に、知人ボランティアさんから、
集合住宅の住人がオス猫(ロイ君)にご飯をあげているらしい・・・
という情報をいただいたことが、ロイ君を知るきっかけでした。

 

その後、集合住宅の先にある高いブロック塀を乗り越えて、
ロイ君は隣の通りの路地までやって来るようになり、
Nさんの庭で、やがては、Kさんの庭で、
ご飯を食べたり、寝泊りするようになったのでした。

 

オス猫はあちこち歩き回りテリトリーを広げますが、
そのテリトリー内に食堂(餌をもらえる場所)が数か所、
というのがよくあるパターン。

 

 

来ればご飯をあげる

 

 

というのは、「来なければあげない」、つまり、
来ない時もあるということです。

Nさん宅に来なければ、Kさん宅で食事をし、
Kさん宅に来なければ、Nさん宅で食事をし・・・
両家に来なければ、集合住宅のどなたかの所で食事をする。

 

 

 

同じ1匹のオス猫にご飯を与えているすべての人間達が、
お互い皆それぞれ顔見知りで、良好な関係を築いている場合、
何かあった際に、協力し合うことが出来ます。
しかし、オスは比較的広いエリア内を歩き回ります。

地方の限界集落でもない限り、
延々と途切れることなく住宅街が広がっている都市部のエリアでは、
自分の路地+α以外に住む方々については
よく知らないという方々がほとんどはないでしょうか。

 

 

NさんとKさんは、ロイ君が、
最期の5日間を我が家で過ごした後、亡くなったことをご存じです。

あとは、特定できていない集合住宅の住人に
どうやってロイ君の死を知らせるか。
私がそこまでやる必要もないか・・・・

 

 

いや、いや、いや。
そうじゃない。

 

 

 

 

もし、うちの庭のくららがある日突然帰って来なかったら
私はどうするだろう。

どこかで亡くなってしまったんじゃないだろうか

押しつぶされそうな胸の痛みを感じて
居ても立っても居られないだろうと思います。

 

 

 

 

ロイ君にご飯をあげていた集合住宅の方も、
きっとそうに違いない。そうであって欲しい。

その方は、NさんやKさんよりもずっと前から
ロイ君にご飯を与えて下さっていました。
私達の誰よりも、ロイ君との付き合いが長い。

それに、こちらが知らなかっただけで、
ロイ君にご飯をあげたり、寝床を提供していた方が
もっと他にもいるかもしれない。

 

やはり、ロイ君が空に帰ったことをお知らせしなければ、
と思いました。

 

 

 

 

 

 

 

ロイ君がご飯を食べていたとわかっている三カ所を中心に
ゆるい円を描き(ロイ庭)、その内側に「お知らせ」を掲出することにしました。

 

 

 

まず、自治会で承認印をいただき、
ロイ庭内にある7か所の自治会掲示板に、「お知らせ」を貼り出す。

次に、Nさん宅のフェンスと、我が家路地入り口の掲示板。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電信柱4か所にも貼付。
電信柱への貼付は基本的にはダメです。
ダメなんでですが、

「〇月〇日に全て撤去しますので、それまでの間、
掲出させてください」

と手書きで小さく記入した上で
貼らせてもらいました。

 

そして、最後に、管理している不動産屋さんに連絡した上で、
集合住宅の出入り口の真正面、駐車場の金網フェンスに
「お知らせ」を吊り下げました。
必ず目につく場所だと確信して。

 

 

 

 

 

 

「お知らせ」にはねこ藩の連絡先を掲載しておきましたが、
ロイ君に関しての電話もメールもありませんでした。

ロイ君が亡くなってから2カ月。
もうこの辺でそろそろと思い、
「お知らせ」の撤収を始めました。

 

集合住宅前から撤収した「お知らせ」の一部に、
小さな書き込みがありました。

 

 

 

 

 

ロイ君 
ありがとうございました!!

テンより

 

 

何年もロイ君にご飯をあげていた住人の方からの
メッセージだろうと思いました。

伝わって良かった。

 

男性か女性かわかりませんが、ロイ君が何年も頼りにしていた方です。
もしかしたら、ロイ君はその方には懐いていたかもしれない。

せめて、最後にロイ君に会わせてあげたかったな。

 

 

 

 

 

 

 

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(ロイ君は小さな瓶に入って我が家に戻ってきました)

 

 

 

 

テリトリー、引き継ぎました~!!

 

 

と言わんばかりに、猫が1匹消えると、
その猫のテリトリーだった場所には、
他の猫がすぐさま入り込んできます。

 

 

今、ロイ君の消えたNさん宅とKさん宅には、
トム君がどっかりと居座っています。

トム君はMさん宅や我が家、
そして地域猫のカプ君達のいるTさん宅にも来ますから、
ロイ君よりテリトリーの広い猫かもしれません。

 


Kさん宅の暖房ハウスに乗るトム君。


Nさん宅バルコニーでのトム君とダブ君。

 

 

 

 

こうして、地域猫の歴史は塗り替えられつつ、
やがては塗り替える猫もいなくなり、
住人達からは忘れられた存在になっていくのかもしれません。

でも、それはまだまだ先の話。

(完)

 

 

 

 

 

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ねこ藩士 まさむね

ねこ藩のイメージキャラクター
ねこ藩で一番最初に保護した子猫を基にしたキャラクター。ねこ藩のグッズなどに登場しています。モデルとなったキジトラ子猫まさむねは、現在市内の理容師さんご夫婦と一緒に暮らしています。