6月12日、改正動物愛護法が参院本会議で可決、成立したそうです。
その柱となるものが、犬猫への「マイクロチップ」装着の義務化です。

 

 

 

「マイクロチップ」は、12×2㎜程度の筒型のもので、
獣医さんが専用注射器を使って犬猫の体内に埋め込みます。
猫ですと、首の後ろに埋め込むことが多いです。

 

「マイクロチップ」には、15桁の番号が記録されていますが、
この番号を専用のスキャナーで読み取ることによって、
飼い主(所有者)の情報がわかるようになっています。

 

 

 

「マイクロチップ」を装着することにより、
飼い主がペットを安易に遺棄することを防ぐほか、
脱走、災害等で迷子になってしまった際に役に立ちます。

 

 

 

 

改正法では、犬猫の販売業者に対して、販売する個体に、
「マイクロチップ」の装着と所有者情報の登録をすることと、
その犬猫を購入した飼い主が、購入後、情報変更の届け出を
することが義務付けられています。

 

今後は、ブリーダー、ペットショップ等から購入する犬猫には、
あらかじめ「マイクロチップ」が埋め込まれていることになります。

 

最近では、お金を払って犬猫を購入することはせずに、
保護された犬猫をペットとして迎える方々が増えてきていますので、
保護犬・保護を譲渡する際には、義務化とまではいかなくとも、
改正法に添う形で、「マイクロチップ」装着を習慣化していくことが
望ましいのではないかと思います。

 

 

改正法では、既に犬猫を飼っている人間には、装着の努力義務を課す、
とあります。
これは、装着しないことは違反になり、
刑罰の対象となるということではありませんが、
「努力をすること」が義務付けられている、
つまり飼い主の自発的な行為を促しているということです。

「努力」というのは、本人が「している」と言っても、
他人からは「しているようには見えない」という場合もありますので、
曖昧な感じがすることは否めません。

 

ゴミ分別のルールを守らないからといって、
それは犯罪にはならず、指導・警告の対象程度。
ゴミを出す側のモラルに依るところが大きいと思います。

 

「マイクロチップ」装着の努力義務というのも
似ているところがあるのかもしれません。

今回の改正法以前にも、
私の知っているボランティアさん達の多くは、
必ず「マイクロチップ」装着を済ませてから、
里親さまに猫をお届け、という形をとっていました。

あってはならないことですが、万が一、
譲渡した猫が脱走して行方不明になった時、
そしてその猫がどこかで保護された時に、
マイクロチップが役に立ちます。

これまでに里親さまに譲渡してきた猫は120匹以上。
その中で、ねこ藩の方でマイクロチップを装着してから
お届けしたのは、実は、菜花ちゃんだけでした。

小さいと言っても、異物を体内に埋め込むわけですから、
マイクロチップ装着に関して、賛成・反対と、
里親さまの考え方も2通りありました。

これまでは、「マイクロチップ」装着は
里親さまのお考えに任せてきましたが、
改正法により努力義務とされたことで、
今後は、ねこ藩から猫を譲渡する場合には、
「マイクロチップ」装着を条件とする予定です。

 

======================================

 

ねこ藩が譲渡した猫を飼って下さっている方で、
飼い猫が「マイクロチップ」未装着の里親さまへ

今回の改正法の内容を鑑みて、

ぜひ「マイクロチップ」装着を
お願いいたします。

 

=================================

 

 

余談になりますが・・・

2つ以上の単語がくっついて出来る名詞を
英語では複合名詞(a compound noun)と言います。

マイクロチップも、マイクロとチップから出来た
複合名詞です。

英語でのスペルは、microchipで、
Microは極小であること、
chipはかけら、小さな一片を意味します。

 

よくあるスペル間違いにchip/tipがあります。

Tipは、長さのあるモノの先端や頂点、のほか、
役に立つ情報、ヒントという意味もあります。
海外のレストラン等で、給仕のサービスへのお礼として、
「チップを置く」と言いますね。「心付け」のことです.
このチップを、英語で描くとchipではなく、tipです。

Chipとtip。
日本語ではどちらも「チップ」と発音していますから、
間違いやすいのだと思います。
「チップ」「ティップ」と言い分けたらいいのに…。

 

英語を学習している方、参考になさって下さい。