2021年度用ねこ藩カレンダーは完売しております。
お買い上げ下さった皆さま、ありがとうございました。

 

 

毎年、カレンダーにはメッセージを込めています。
2021年度カレンダーのテーマは、
猫の命に対する【初動の大切さ~イニシャティブ】です。

昨年、カレンダーの制作段階後半に入っても、
テーマを見つけることが出来ずに悩んでいました。
書いては手直しし、繰り返し、結局はやめる。
2匹の猫の死を相次いで経験し、気が滅入っていたのです。

早くしなくちゃ。

タイムリミットが徐々に迫りつつある時、
突然その答えに気が付きました。

「私がこの夏に経験した猫の死から、
アウトプットできるものがある。」

人間の初動が「鍵」。

カレンダー制作担当者である友人が、
既に仕上げてくれていた表紙には、
全く偶然ですが、【鍵】の画像が挿入されていました。

 

 

 

 

飼い猫、地域猫、野良猫・・・。
どんな猫でも、怪我をしたり、病気になります。

人間側がすぐに対処しなかった(できなかった)為に、
亡くなっていった猫を、これまで何匹も見てきました。

明らかに具合の悪そうな猫がいる。
自然治癒するのか、そのまま息絶えるのか。
そんな猫を目の前にして、
私達はどうすればいいのか、
何かしてあげられることはあるのか。

見た目だけでは判断がつかないこともありますが、
私達がほんの少し手を貸してあげるだけで、
猫の命が永らえることもあります。

多くの場合、時間との勝負だったり、
フットワークの軽さが求められたりしますが、
私が最も大切だと思うものは、
【柔軟でポジティブな思考力】です。

「どうしよう、どうしよう、誰か、誰か・・・」
では物事は何もすすみません。
まず、ご自身で動いてみなくては。

我が家の庭の地域猫を看取り、
成す術もなく保護した子猫を逝かせてしまった、
私自身への戒めの意味も込めたテーマです。

 

 

 

カレンダーの裏表紙に、あとがきがあります。
またカレンダーに挟んでお配りしたペーパーの冒頭にも
メッセージを入れています。
こちらに転載しますので、読んでいただけると嬉しいです。

 

 

 

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「Now or Never.  You or No One.」
カレンダー裏表紙より。

 

 

 

 

 

右の写真のハチワレ子猫はサブローと言います。
目力がありふっくらとして可愛いでしょう?

外から保護してまだたったの1週間。
容態が急変し、生後4ヶ月にも満たない小さなサブローは、
天に帰っていきました。

保護したてのとき、サブローはケージの中で
見慣れない行動を取りました。
激しく動きまわり、ケージ上段から落ち、
片足をひきずり、口呼吸をしていました。
食も細くなりました。
外の自由な生活から室内のケージ生活になり、
変化を受け入れられなくてパニックになっているのかも。
せわしなく動き過ぎて、ちょっと酸欠になったのかも。
変な落ち方をして足をくじいたのかも。
「慣れれば落ち着くはず。」
最初はそう思っていましたが、
改善しないサブローの様子に徐々に不安になり、
病院に連れて行きました。

 

検査の翌日、熱も下がり、フードを食べ、水を飲み、
てちてちと歩いて室内をパトロールし始めました。
窓の外を眺めたり、昼寝したり、時々控えめな声で鳴いてみたり。
そして突然、パタリと倒れ、苦しそうにもがき出したのです。

それから2時間ちょっと、私の目の前で、私の手の中で、
サブローのちっちゃな心臓は止まってしまいました。

先天性の心臓疾患だった可能性は高いですが、
サブローをそばで見ていた私は今も後悔ばかりです。
私がもっと早くその症状の深刻さに気付き、
少しでも病気に対処することができたのではないか・・・と。

 

猫は具合が悪い時、飼い主に言葉で伝えることができません。
毎日ともに生活をしている飼い主が、
猫の健康状態に変わりがないかどうか、
常に観察してあげなくてはならないのです。

大丈夫そうだからもうちょっと様子を見てみよう。
それで何も起こらず元気になることもありますが、
そうでない場合、猫にとっては命取りになることがあります。

少しでも普段と違う異変を感じたら、
明日、明後日、そのうちに・・・と先延ばしせずに、
助けを求めている小さな命を優先してあげて下さい。

飼い主の初動が猫の命の【鍵】です。

手遅れになる前に、後悔することのないように。

 

次回なんてない、ひと休みも出来ない、
二度目のチャンスさえない場合がある。
今やらなくてはいけない場合がある。
他の人ではなく、あなたがやるのです。

 

 

 

 

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「カレンダー添付ペーパー冒頭メッセージ」

 

猫を飼っていらっしゃる方が、ご自分の飼い猫の健康状態に留意して
適切なケアを行ってあげるのは当たり前のことです。
それでは、外で生きる猫達はどうでしょうか。

怪我をした足を引きずりながら、やっとのことで歩いている猫。
ボロボロの皮膚になり体力を奪われてじっとしている猫。
痩せ衰え、空腹で今にも倒れそうな程ふらついている猫。
そんな猫に出会ったことはありませんか?

私達にはそれぞれ事情がありますから、
自分の飼い猫でもない猫を助ける余裕はないかもしれません。
そんな弱った猫を病院に入院させて
検査や手術や継続治療を行えば、
5桁では済まない医療費が発生するかもしれないし、
その猫を引き取って自分で飼うことは出来ない。
だから自分には無理。
そう思ってしまうのではないでしょうか。

でも、それが猫救済の唯一の方法ではありませんよ。

抗生物質や皮膚病治療薬の注射を1本打ってあげるだけで、
劇的に症状が改善し、
痛みや痒みや辛さから解放される猫もいます。
飲み薬を混ぜた栄養価の高いフードを2,3度あげるだけで、
体力を取り戻し元気になる猫もいます。
何も出来ないと結論づけることは最後までとっておき、
まず、自分がしてあげられることはないかどうか、
あるとしたらどんな方法で、誰か知恵をくれる人はいないか
少し考えてみてください。

「少し様子を見てみよう」、「明日また来てみよう」ではなく、
早めに行動を起こしていただきたいのです。

大したことはしてあげられない、でも一度、
病院に連れて行ってあげることくらいは出来るかも。
そう思って下さるのであれば、待ったなしで、すぐに。

その猫に出会ってしまったあなたが動くことによって、
そのままの状態で放置されていれば、
あと数日だった命の期限が、
1ヶ月、半年、1年、いや、もっと延びるかもしれません。

猫の命の鍵は、時として、出会った人間と時間なのです。

 

Now or Never.
You or No One.

’(今あなたがやらなくて誰がやるの?)