松の内もとうに過ぎ、今更...な感じはありますが、
新年明けましておめでとうございます。

 

 

2015年にスタートしたねこ藩。
昨年は例年に比べ、TNR5匹、卒業猫19匹と、
数字的にはかなり控えめな活動内容ではありますが、
ニャースの次はソルト…と頻繁な通院があったり、
9月と12月には、徒歩圏内の地域で痛ましい事件があったり、
気ぜわしい日々が続きました。
フライヤーのポスティングや自治会掲示板へのフライヤー貼付等、
広報、啓発に割いた時間も多かったと思います。

 

Instagramの方で、「私の望み」という形で、
今年の抱負を記したのですが、
それに少し付け加える形で、再度こちらに。

 

 

①野良猫の数が減り、地域猫が定着していくこと。

実質的に排除の方法はないわけですから、
人間と猫が共生していかなくてはならないということを、
さらに多くの人々に理解していただかなくてはなりません。
その為には、ボランティアだけが駆けずり回るのではなく、
行政からの働きかけ(明確で強い啓発・広報)も必須です。

猫が増えないように見守りながら、外で世話をしていくことを、
「地域猫活動」と呼んでいます。
地域猫から昇格して保護猫になる猫もいますが、
それは全体からすれば決して多くはありません。
悲しい言い方になってしまいますが、
地域猫活動とは、外で生きる猫の数が減る、
つまり、猫が1匹づつ、寿命を終えて消えていくのを
待つようなものなのです。

猫嫌いで、地域猫活動をなかなかご理解いただけない方に、
そのような説明をするようにしています。

 

 

 

②お金を出して犬猫を購入する人々がひとりでも減ること。

買う人がいる限り、ペットショップや悪徳ブリーダーは
犬猫の販売をやめません。
売る側にとって犬猫は愛情の対象ではなく、お金そのもの。
犬猫を飼いたいと思う人々には、保護犬、保護猫を
迎える選択があることを知ってもらいたいです。
血統種の子犬、子猫を購入して育てたいと考えている場合、
その理由をぜひ今一度考えていただきたいのです。

●どうしても血統種でなくてはならない理由
●どうしても幼齢の個体でなくてはならない理由
●どうしてもショップやブリーダーから購入したい理由

飼い主の飼育放棄やブリーダーからの持ち込みによって、
愛護センターに多く収容された血統種の犬猫(特に犬)が、
救いの手=新しい出会いを待っていることも
ぜひ知っていただきたいです。

高級ブランドのバッグ、服、外車・・・。
本当にその良さを知り、それを所有することに価値を見出している方々は
案外少ないのではないでしょうか。
〇〇のブランドだから・・・というネームバリューに惹かれているだけ、
所有していることを他人に見てもらいたいという見栄。
もちろんそれもひとつの理由になるのでしょうが、
血統種の犬猫を同じように考えるのは間違いではないかと思うのです。
血統種であっても雑種であっても、生き物です。

Norwegian Forest Catが欲しい?Maine Coonが欲しい?

同じ長毛猫ですが、この子達は全て野良出身の雑種です。

 

 

③人間の医療同様、動物の医療も更に発展・進化していくこと。

かつでは致死率100%と言われた猫伝染性腹膜炎(FIP)も、
中国で開発された新薬によって治療できるようになりました。
治療効果は非常に高く、完治するケースも増えているようです。
ただ、その新薬は日本では医薬品として未認可な為、
サプリとして個人輸入する方法しかありませんし、
治療を終えるまでの全投薬分で100万円近くかかります。
扱う動物病院も増えては来ましたが、その数は本当に限られています。

また、多くの猫が苦しむことになる腎不全。
その治療薬を研究開発され、世に出すために奮闘されている
大学教授の方がいらっしゃいます。
資金不足で研究が一時ストップしていたようですが、
その件がニュースになるや否や、全国の猫飼いの方々から
寄付金が集まっているそうです。
1日でも早く、画期的な腎不全治療薬が、
腎不全を患っている猫のもとに届くように祈りたいです。

 

 

④健康的なごく当たり前の人間的な生活を送ること。

ボランティア活動というのは、仕事や家事の合間、
つまり自分が手の空いている時に行うべきことです。
そんなことは百も承知なのですが、それはほぼ無理。
空いている時間だけじゃ足りないケースばかりです。
相談者は自分の抱えた問題で頭がいっぱいですから、
こちらが今どういう状況にあるかなんて考えません。
相談者がひとりだけならば、その相談者の為に時間を割けるでしょうが、
ボランティアは常に複数の相談者に取り囲まれている状態なので、
当然のことながら、時間が足りなくなってきます。

時間が足りなくなったらどうするのか。
①趣味の為の時間 ②睡眠時間 ③家事に費やす時間
という順番で時間が削られていきます。
①はまずいいとしても、②③が削られる日々が続くと、
普通の生活が送れなくなっていき、
ついに仕事にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
そうなってくると、健康状態が悪化したり、
一社会人としての社会的評価が下がることにも繋がります。

自分で自分の生活を守りながら、
出来る範囲内でボランティア活動を続けていく。
それが本来のボランティアではないかと思います。

困りごとは丸投げしてしまえば、
当然のようにボランティアが全て受けてくれる。

間違いも甚だしい。

困りごとがあったら、何をどうしたいのか、
好き嫌いや感情に左右されることなく、
自分に出来ること出来ないことを見定め、
本当にボランティアの手が必要な状況かと判断した上で
相談されることをおすすめ、というか、ぜひお願いしたいです。

 

 

⑤猫優先、猫目線の了見の狭い考え方に偏らないこと。

野良猫問題というのは、猫と人間の両方がいる場所で、
猫がいることを快く思わない人間がいることで起こります。

猫の糞尿被害がある。
猫が出産して子育てをしている。
猫の餌をばらまく人がいる。

引っ越し等でその地に置いていかれてしまったもと飼い猫は例外として、
外に野良猫がいるのは、誰のせいでもないことがほとんどですが、
人間は一度被害者意識を持ってしまうと、
怒りの矛先をどうしても自分以外の人間や物事に向けてしまい、
自分の意識を変えれば、物事も変わっていくということを忘れてしまいます。

自宅周りに野良猫がいて嫌な思いをするのであれば、
どうすれば人道的に解決してくことができるのか、
その方法を考えてみたり、調べてみたりしていただきたいのですが、
怒るばかり、文句を言うばかりの方々がとても多いです。

そういう現場にお手伝いに入る時に、
野良猫だって一生懸命生きているのに何が悪いとか、
野良猫だって食べなければ生きていけないとか、
あなただって食事をすればトイレに行くでしょうとか、
人間のことはさておき、猫、猫、猫と、
猫の権利を主張するような発言をすれば、
火に油を注ぐようなもの。
物事はスムースに進まなくなる可能性があります。

困っている、迷惑だと思っている人間の話を聞き、
どんな解決方法が考えられるか、
そしてその為にボランティアがお手伝いできること、
ボランティアでなくても出来ることを
冷静かつ端的に説明しつつ、
何か協力していただけることはないか探ります。

賛否両論の対象になりそうな発言ですが、
もっと根の深い住人同士の問題にぶち当たったり、
関わることで自分の社会生活が危うくなりそうな場合、
無情と思われようがどう思われようが、
手を引く=諦める選択もあるのだということを
一個人、一ボランティアとして忘れてはいけないと思っています。

 

 

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2022年度も、昨年同様、詰め込み過ぎない程度に
出来ることを出来る範囲でやっていこうとは思っています。

自分の住むこの地域では子猫の保護も、成猫のTNRも
ゼロに近い状況となってきていますので、今後は、
この地域で地域猫の世話をしている方々(結構います)の
バックアップはもちろんのこと、
少人数で頑張っていらっしゃる他の地域の方々の為に、
少しでも力になれることがあれば・・・と考えています。

 

新型コロナウィルスの変異株感染者数が増加してきています。
実は、私も今PCR検査結果待ちで、自宅で自己隔離の最中です。
(風邪をひいたと思って病院に行ったらPCR検査をされました。)

皆さまもどうぞ充分にご注意の上、新しい年をお過ごしください。