これまでのお話
3月17日のブログ
東奔西走:①野良猫製造工場

3月20日のブログ
東奔西走:②葛藤

 

 

 

春田アパート、もしくはその辺り出身と考えられる猫たちで
私が過去に関わったのは2匹です。
どちらもパトロール中、 我が家の駐車場に置いた捕獲器に入りました。

 

2016年2月に捕獲のリリちゃん。

おとなしくおっとりした子です。
術後、預かって下さった個人ボランティアMさんが
ご縁を繋いで下さり、
市内のご一家に貰われていきました。

 

 

 

 

2016年のお正月。

室外機の上で干していた空の捕獲器の中に
入っていた三毛さん。
TNR後もずっと春田アパート付近で
暮らしているのが確認出来ています。

 

 

 

 

 

 

春田アパート脇の通路に三毛さん。

 

 

 

 

 

 

 

三毛さんと一緒に塀の上に坐っているのは
白キジのケンちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

ケンちゃんは他の猫と比べると警戒心が薄く、
食事中ならば触ることが出来る猫です。

 

 

 

 

 

ケンちゃんは、以前、よく我が家の庭に現れて、
まだ外で暮らしていたかよちゃん(左)と
仲よく 遊んでいました。

 

 

 

 

この2匹の三毛の他にもう1匹、 三毛がいたと記憶していますが、
春田アパートから姿は消えました。

 

 

 

 

2017年3月に、春田アパートから20メートル程離れた、
マンション駐輪場で撮影した画像がこちらです。
↓ ↓ ↓

 

 

 

左に茶トラ、右手前にケンちゃん。
右奥にグレーの猫。

 

 

 

 

この後、ケンちゃん以外の2匹はこの辺りで見なくなってしまいました。
ケンちゃんは春田アパートから、浜口さん宅(地図参照)の方に
移動したという 情報もありましたが、最近はほとんど見かけなくなりました。

 

 

こちらの画像は、2017年9月のもの。
↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生後6ヶ月くらいの子猫2匹(後のスギくんとさばみ)と、
生後3ヶ月くらいの子猫1匹(後のちゃみ)がアパート敷地にいました。
この時撮影できたのは3匹ですが、これより数週間前に、
ちゃみと、もう1匹、同じくらいの小さい三毛が
排水口に逃げ込んでいくのを みました。
また、遠目でしたのでハッキリとは断言できませんが、
キジトラかムギワラの小柄な猫も見たことがあります。

 

問題は母猫です。
春田アパートにいる三毛さんは既に避妊済み。
1匹残っていたはずの三毛はかなり前に姿を消している。
だとすると、春田アパートに残っている子猫達の母猫はどこに?
メスの影が全く見えてきません。

 

この時点で、私の頭の中にインプットされていた春田アパートの猫達です。↓

(1) 成猫・三毛・・・避妊済
(2) 子猫・キジトラ(後のスギくん)・・・未不妊
(3) 子猫・サバトラ(後のさばみ)・・・未不妊
(4) 子猫・茶トラ(後のちゃみ)・・・未不妊
(5) 子猫・薄いキジトラかムギワラ(後のむうむ)・・・未不妊
(6) 子猫・三毛・・・所在不明
(7) 成猫・キジ白(ケンちゃん)・・・所在不明
(8) 成猫・茶トラ・・・所在不明
(9) 成猫・グレー・・・所在不明

 

このうち(1)の三毛さんは既に書いた通り、不妊手術済ですから、
母猫ではあり得ません。
猫は女系がホームとその付近に残り、代々続いていきますから、
母猫がまだご存命であるとすれば、(9)である可能性が高い。
しかし、(9)グレーの猫の目撃情報は長らく途絶えています。
(8)の茶トラはパッと見ですが、オス猫のようでした。
首輪をしていたようにも見えましたから、
同じ通りに住んでいらっしゃる浜口さんの外猫(♂)かも。
(7)のケンちゃんも神出鬼没。
ということは、今回のターゲットは(2)~(5)の4匹。
子猫と書いていますが、ちびちびの子猫のことではありません。
(2)(3)(5)は成猫になりつつある大きさ、(4)は生後5-6ヶ月のサイズです。

 

 

春田アパート隣りのお宅。
玄関に猫避け対策のペットボトル。
道を挟んで春田アパートの向かい側のお宅にも
トゲトゲシートがたくさん敷いてあります。

 

 

 

 

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11月。
市民まつりとハンドメイド市、そして、資格試験。
イベントと用事がひと区切りして少し時間が出来る。
そろそろ、野良猫製造工場の手入れを・・・。

そんな時、菅野さんから新しい情報が入ってきました。

「(ベテランボランティアの)三木さんが、
春田アパートに捕獲に来るらしいわよ。」

おや~?なぜ突然三木さんが…。
あの辺の住民が保健所にでも苦情を言って、
保健所から三木さんに出動依頼でも来たのかしら。

 

そうではありませんでした。

 

「若そうな猫が何匹かいてうろうろしているので、
最近毎日ご飯をあげている。
あの子達、不妊手術した方がいいと思うので、
お金払いますから、お願いできますか。」

春田アパートから3分くらいの場所に住むTTさんという方が
三木さんに連絡をしてきました。
TTさんと三木さんはお知り合いです。
ずっと以前にも、TTさんは三木さんに
別の場所でのTNRをお願いしたことがあるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TTさんが若い猫達を見たのは春田アパートに隣接する駐車場。
その駐車場の一角で、地面に餌を置き与えているとのこと。
(地図の青い★①)
そして、そこから少し奥にある個人宅の庭でも、
不妊手術済の(2)三毛さんと、我が家にもよく来る
耳カット入りのチャップにご飯をあげていました。
(地図の青い★②)

 

 

 

 

 

我が家に現れるようになった時には
既に耳カットが入っていた茶トラのチャップ。
カプ君のともだちです。

 

 

 

 

不妊手術費用としてTTさんはまず三木さんに50000円を渡しました。
三木さんはTTさんの給餌の仕方についてアドバイスをしました。

● 小石と砂のある地面に直置きはダメ。
● ドライを容器に入れて与えること。
● 容器はそのままにせず後で回収に来ること。
● まわりが汚れていたら片付ける。

 

ちょっとまって!

 

三木さんもTTさんもご存じないんだ。
あの場所の猫達は春田アパート庭で、
春田さんのご飯をもらっている猫達であることを。
私が春田アパートの猫達のTNRを予定していることを。
三木さんが現場での捕獲作業に入る前に、私は割って入りました。

 

「TTさんが駐車場でご飯をあげている猫達は、
春田アパートのおじさんがご飯をあげている猫達です。
おじさんの部屋の外には汚ないけど、一応段ボールのおうちもあるの。
TTさんはそれをご存じなかったんですよね?
食事処をわざわざ別の場所に移動させてしまった形になっています。
駐車場ではなくて、もともとの場所、つまり、
春田アパートの1階(地図の赤い★)であげてもらえませんか。」

もう1ヶ所、地図の青い★②。
TTさんが三毛さんとチャップにご飯をあげている場所なのですが、
Mさんという個人宅の駐車スペースで、
駐車している車の下に餌を置いています。
たとえ自費で手術した猫であっても、
他人の敷地で許可なく餌やりをするのは、
まずいな…と思いましたが、
この時点では口にしませんでした。

 

春田おじさまは、ご飯を外に置くとすぐに中に入ってしまう為、
猫の色柄や頭数をあまりよく把握していないようですが、
TTさんは毎日、給餌に通っていますから、
いつもご飯を待っている猫、時々便乗する猫…と、 よく見ていらっしゃる。

また、三木さんも事前に現場に出向いて、 数匹の猫を目視で確認したそうです。
これはつまり、三木さん、TTさん、私が、
三者三様に猫を観察していることになりますから、
お互いの知識を擦り合わせなくてはなりません。
私がターゲットは4匹だと思っていても、 お二人は違うかもしれない。
三人が同じ時間に現場で揃うことは容易ではありませんので、
色柄について表現を統一するか、 猫達の画像を提供し合って
事前準備というか、状況の確認をする必要があると考えていましたが、
その部分をすっ飛ばす形で、
春田アパートTNR計画が見切り発車してしまいました。

 

 

 

関係者の数が増えるということは、
物を見る目も、 役割を担う手も増えるということですから、
本来ならば、協働し易くなるはずです。

しかし、スタート時は足並みが揃っていない感アリアリでした。

東側の春田アパートTNRと並行、あるいは時間差で、
西側のジャングルハウスTNRも計画していましたので、
8匹分の無料不妊手術チケットを分配していただけるよう、
どうぶつ基金に申請し、チケットを既に受け取っていました。
猫の頭数が多い時、どうぶつ基金のチケットは本当にありがたいのです。

「12月1日以降に使用できる無料不妊手術チケットがありますから
それを使いましょう。」

そう、三木さんには伝えていましたが、
TTさんの5万円があるから大丈夫と思ってしまったのか、
チケットのことをすっかり忘れてしまっていたのか(多分こっち)、
三木さんは、12月までのあと数日を待たずにおひとりで捕獲作戦を開始しました。

 

 

 

11月28日、菅野さんから連絡がありました。

「三木さんがサビ猫を捕獲してK病院に連れて行ったって。」

 

サビ猫?

 

 

あの場所にサビ猫いたっけ?
ターゲットの4匹以外に、私の知らない猫がいたのかな?
それとも、ムギワラ猫のことを言っているのかな?

菅野さんと三木さんは同じお歳です。
菅野さんのすごいところは、お歳の割に(失礼!)、
フットワークがずば抜けて軽く、何かあればすぐに出向いてスマホで撮影、
いち早く画像をLINEで送信してきて下さるところです。

三木さんはもともと写真撮影とか、記録を残すという習慣がありません。
三木さんのガラ携にもカメラ機能はついていますので、
写メールさえ出来るようになっていただければ、
猫の色柄をすぐに確認出来ますし、他にも色々便利なのですが、
4年前から変わらず、頑固に写メ習得を拒否しています。
菅野さんや私が、簡単だからやり方を教えてあげますよと言ってもダメ。
あまりその話をするとしまいには「私はメールだけでいいの!」と怒る。

なので、三木さんが「サビ」と言ってしまえば「サビ」、
「キジトラ」と言ってしまえば「キジトラ」。
それが本当に「サビ」なのか「キジトラ」なのか、
実物を見るまでは、三木さんの表現から想像するしかありません。

三木さんがスタートしてしまったのならば、
私もぼーっと坐っているわけにはいかない。
私も当初のターゲット猫達狙いですぐに捕獲器を仕掛けました。

 

 

 

 

 

春田アパート、ベランダ側。
イエローがおじさまの置いているごはん皿。
手前のブルーが捕獲器。

 

 

 

 

 

 

夜、見に行くと、捕獲器に入っていたのは大きいなキジトラ♂。
これまでに見たことがなかった猫ですが、耳カット入りでしたので、
すぐに捕獲器から出してあげました。

 

 

 

 

 

誰だね、きみは。

 

 

 

 

 

 

2時間後には、茶トラのチャップが捕獲器に入っていましたが、
こちらも既に去勢済の猫ですので、さっさと出てもらいます。

 

春田アパートの方までパトロールに来るカプくんが、
捕獲器の入り口に頭を突っ込んでいました。
過去に何度も捕獲器に入ってしまったカプくんは、
「箱に閉じ込められても、すぐに出してもらえるから全然オッケー。」
みたいに、捕獲器について間違った学習をしてしまった猫です。
カプくんに邪魔をされたくないので、
名前を呼びながらカプくんを自宅まで誘導してご飯をあげました。

「あのね~カプくん、しばらくあっちには行かないで、
ハウスに入って休んでいてくれるかな?」

 

いいとも~!(古)

 

んなわけない。
満腹になり、また春田アパート方面に歩き出すカプくん。
やだもう。

 

 

21時30分、23時、0時30分、 2時…
服を着たまま1階のコタツで仮眠、
1時間半ごとに春田アパートに確認をしに行きました。
こんな寒い夜、もし捕獲器に猫が履入った場合、
何時間もそのまま放置しておくのは可哀想だからです。
しかし、捕獲器は空のままでした。

眠い…。
少し本気で寝よう。
6時にセットした目覚ましが鳴り、
ぐだぐだと起きて春田アパートへ。

あ、入ってた!

 

 

 

ターゲット4匹のうちの1匹、
(4)茶トラの子猫=ちゃみです。
丸っこくて可愛いが手強い。

 

 

 

今回のターゲット猫達の中で一番小さい子。
それでも、2017年9月の時点で生後3ヶ月くらいでしたから、
もう5-6ヶ月にはなっているでしょう。

数時間後、朝いちで病院に連れて行きました。
春田アパートの猫達はTNRのみ。
計画当初から保護することは全く考えていませんでしたので、
避妊手術、駆虫、抗生剤のみをお願いしました。

 

 

 

 

術後、退院してきたちゃみを室内のケージに入れました。
リリースまで5日間は、我が家で療養してもらいます。

 

 

 

 

 

 

小さい頃から、春田アパートでご飯をもらって過ごしましたから、
ぽっちゃりとしていましたが、実際の体重は2.1㎏でした。
そんな小さい子をリリースしなくてはならないなんて…
と心はチクチクしていましたが、 我が家には保護部屋はありません。
これからまだまだ捕獲は続きます。
心を鬼にして気持ちを切り替えました。

 

 

 

夕方、三木さんが、一作日に手術を終えたサビ猫を連れて来て リリースしました。
避妊手術の後、せめて数日はケージで療養させてあげても…と思うのですが、
ケージINの状態でさえ、家の中に猫を入れるな、とご主人にきつく言われるそうです。

三木さんが捕獲したサビって、いったいどの子?
一昨日からずっと疑問に思っていましたが、
やっとご本人に会えました。

 

 

 

 

 

 

はい、サビ猫手術終了。

 

 

 

 

 

 

って、サビじゃないでしょこれ。
サバトラのさばみちゃんでしょ。

 

 

三木さんが、さっと来て、さっと捕獲&手術、
さっとリリースしてしまった可愛いさばみ。
このことで菅野さんは後々までずっと心を痛めることになります。

 

 

 

 

 

私の方は、夕方仕掛けた捕獲器に入ったカプくんを追い出し(疲)、
夜中までまた粘りましたが、この日は捕獲ゼロでした。

自宅で寝たきりの義母の完全介護。
退職された旦那さまも少し体調を崩されている。
毎日三度、食事の準備もしなくてはならない。
猫相談はあちこちで絶えず、捕獲器積んで自転車でほいほい。
こんな毎日がずっと続いている三木さんですから、
家庭の事情で、約束事がドタキャンになることは想定内です。

三木さんは、次は何曜日に現場に行き、あの猫を捕獲する、
と一応は決めていらっしゃったようですが、
過去にも直前に「行けなくなった」メールが来ることが
しばしばありましたので、あまりあてにしない方がいい。
三木さんがたまたま来られたらラッキー。
春田アパートの残りの捕獲は
私がやってしまうのがいいだろうと思いました。

 

To be continued・・・