前回のおはなし
6月15日のブログ
東奔西走:⑧東の猫たち~むうむとちゃみ。

 

 

茶トラ女子・ちゃみ。
問い合わせはあるもののご縁に繋がらす、3度のお見合いもダメ。
里親希望者さまの手を噛んで怪我をさせてしまった時には
保護したことをほんの一瞬だけ後悔したりもしました。
しかし、まだ生後6ヶ月そこそこのコドモです。
保護時の凶暴さは消滅、日に日に丸っこく(太るとも言う)なり、
わくわくした顔でこちらを見ている可愛いちゃみに、
必ずぴったりのご縁はあるだろうと思っていました。

 

 

 

 

 

湯たんぽが大好き。

 

 

 

 

ねこ藩で里親探しをする場合、譲渡の条件として、
里親さまにお約束していただきたい点は3点です。

●完全室内飼い+脱走防止
●終生飼育+個人で出来る範囲の医療ケア
●家族全員の同意+猫への愛情

絶対ではないお願いや希望は他にも何点かありますが、
上記3点の「Must」事項に関して、
里親さまのしっかりとした強いお気持ちと心構えがあれば、
安心して猫をお任せ出来ます。

 

 

 

保護して1ヵ月半、心配は尽きませんでしたが、
M姉妹の保護猫達の通院が終わりひと段落した頃、
新たにちゃみへの申し込みがありました。
区内在住の20代単身男性、SRさんです。

 

ちゃみの状況を詳しくお伝えしたり、SRさんのお考えを伺ったり。
メールでやり取りする度に、SRさんに対する信頼の塔が
少しづつ高くなっていくのがわかります。

 

SRさんのご両親は猫が大好き。SRさんも生まれた時から猫達と暮らしてきました。
社会人となりご実家を出られて一人暮らしを始め、しばらく経つとSRさんは悟りました。

「人生で猫と共に過ごさないことは受け入れがたい、猫とともに生活をしたい」

ならば、一人暮らしのSRさんの癒しとなるような、
甘えん坊でゴロンゴロンの猫がいいのではないかと思いました。

SRさんのご実家の歴代飼い猫には野良出身が多く、
よっぽど機嫌のいい時か、ご飯の時だけしか
触らせてくれない家庭内野良状態の猫もいるそうです。

人慣れがいまいちの猫に対して抵抗はなく、むしろ、
徐々に自分に慣れていってくれた方が嬉しいとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

新しい猫を受け入れて飼い始める際、
膝に乗ってくる、抱っこさせてくれる、一緒に寝てくれる、
スムースに爪切りをさせてくれる猫など、
十分に人慣れしている猫、扱いやすい猫を
求める方々は多いです。

ただ、保護猫を迎えようという決心して下さる方々の多くは、
「まだそこまで人慣れしていない」猫についての理解をお持ちです。
それはそうでしょう。ついこの間まで警戒心を抱きながら
外で暮らしていた時間の方が長い猫達なんですから。

 

こむぎちゃん(卒業猫たちの物語K-044を参照)の里親さまがそうでした。

「野良出身だということは十分に承知しています。
長い目でこむぎちゃんを見守って行きたい」
とおっしゃっていました。

 

 

2017年2月卒業のこむぎちゃん。

 

 

 

そのあたり、SRさんはよくわかって下さっていましたし、
何より心強く思ったのは、
「自分はちゃみちゃんと決めているので。ゆっくりと仲よくなろうと思います。」
とちゃみを熱望して下さったことです。

そんなことが起こらないように心から祈っていますが、
万が一、SRさんがちゃみを飼い続けることが難しい状況になってしまっても、
SRさんのバックには猫好き一家が控えています。
まだ、お見合い前ではありましたが、
私はちゃみをSRさんに託そうという気持ちを強く持っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、これまで全く問い合わせのなかったむうむ。
少し近寄り気味の大きい目に、小さな口、
誰もが「美猫」と口を揃えるタイプの顔立ちではないかもしれませんが、
寂しそうな表情とおとなしい性格のむうむを
私も家人も、本当に可愛いらしい子、と思っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

M姉妹の保護猫達に応募が殺到し、
お見合いの設定に忙しくしていた1月末、
ついにむうむの里親希望者さまが現れました。
14才と11才のお嬢さんがいらっしゃるNさんご一家です。
猫を飼うのは初めだというのに、なぜむうむなんだろう?

ご家族でもよく話し合い、11才の次女、Yちゃんが
猫の担当となって世話をすることを決めた上で、
里親募集中の猫達の中からYちゃんが選んだのがむうむでした。

ケージの中に手を入れると、一生懸命頭や体を擦りつけてきて、
撫でれば気持ちよさそうにこちらに体を預けてくるような
何とも愛らしい猫です。
しかし、噛んだり引っかいたり、という攻撃的な部分はない半面、
おもちゃに反応して遊ぶこともなく、可愛い声で鳴くこともなく、
寂しそうな顔(人間にはそう見える)をしていつもボーっと坐っています。
ケージから出せば、物影に隠れてじっとしているような猫です。

 

 

 

 

そのハウス、逆さまだよ?
関係ないの?
あ、そうですか。

 

 

 

Yちゃんは、猫じゃらしやボールでむうむと遊んだり、
一緒に寝たりしたいんじゃないかな。
初めて飼う猫がこんなに消極的でおとなしい猫で、
Yちゃんはガッカリしないかな。
むうむを実際に見ていただき、むうむの日常について詳しくお話しし、
その上でご一家によく検討していただこう。
そう思って、Nさんご一家とのお見合い話をすすめました。

 

 

 

M姉妹の保護猫達の一斉お見合い日の翌日が、
ちゃみとむうむのお見合い日でした。

 

 

まず午前中にいらして下さったのが、むうむご希望のNさんご一家。
実際にいらしたのは、真面目で誠実そうなお父様と次女のYちゃん。
Yちゃんは、そんなお父様のお子様という感じで、
おとなしそうだけれど、とても優しい目をした女の子です。
ケージの中にいるむうむはどういう感じか、ケージから出すとどうなるか、
食欲はどうか、毎日の生活はどうか、どういった性格か…。
私とお父様が話をしている間、Yちゃんはケージの前に坐り、
静かにむうむを眺めていました。

 

 

 

 

いつでも撫でられます。

 

 

 

もう少し活発で人慣れした子猫を紹介した方がいいのかな?
なんてこともチラッと考えてはいましたが、
「娘がむうむちゃんと決めていますので。」
とお父様がおっしゃるので、私はYちゃんに聞きました。
「Yちゃん、むうむで大丈夫?一緒にうまくやっていけそう?」
Yちゃんはちょっと恥ずかしそうに、こくんと頷きました。

 

 

 

聞いた?
Yちゃんはむうむがいいんですって。
よかったね。

 

 

 

 

午後は、御門屋のあげまんじゅう(偶然にも私の好物)を手土産に、
ちゃみ一筋のSRさんがいらして下さいました。
SRさんは、ちゃみを飼って下さる気満々ですので、
お見合いはその最終確認、みたいなものでした。
それまで画像と動画と私の話だけで知るちゃみと
初めて対面したSRさん。
お迎えの準備の参考にと、我が家の居間に設置したケージと
内部備品をチェックしていました。

 

こうして、ちゃみとむうむの家族が決まりました。

 

 

2組のお見合い後、私はリビングのソファにダイブ。
こんなどっかりダイブをしたのは、
2006年のワールドカップ準々決勝、PK戦の末、
ドイツがアルゼンチンに勝った時以来だな。

 

 

 

 

それぞれ別の道を行くことに・・・。

 

 

 

 

 

SRさん、そして、Nさんご一家は早速お迎え準備に取り掛かり、
数日以内にケージ等の猫用品を抜かりなく揃えて下さいました。

不思議なもので、お家が決まってからの2匹は変わっていきました。
以前のちゃみはケージから出して遊ばせても、人間とは一定距離を保っていましたし、
完全に心を許してリラックスしているという表情ではありませんでしたが、
おもちゃを見せると、ゴロゴロと咽喉を慣らしながら、私の膝元まで来るようになりました。

ひっそりと物音も立てずにひとりで隠れてばかりだったむうむは、
ちゃみの遊びの場に出てきて香箱坐りをするようになりました。
ちゃみとレスリングしたり、追いかけっこもします。

 

 

 

柔らかくなった表情。

 

 

 

好きな時に
好きな所で
好きなように寝る。

 

 

 

寄り添ってご飯を食べることも
少なくなってきました。

 

 

 

 

保護してから2ヶ月以上経過していますから、
そろそろ室内生活と人間に慣れて来る時期なのかもしれませんが、
私には、「ぜひ」と望んで下さった里親さま達と出会ったことが
ちゃみとむうむに変化をもたらしたような気がしました。

 

 

 

 

 

むうむ。
我が家での最後の夜。

 

 

 

 

 

お見合いから1週間後の2月11日(日)、
緑豊かな富里市にむうむをお届けしました。
むうむは確保しやすい子でしたので、
数日前に獣医さんに連れて行き、
2回目のワクチンを済ませておきました。

 

Nさまご一家は、我が家のケージと同じものをご用意くださっていました。
慣れるまでの間、なかなか抱っこ出来ないと思いましたので
むうむをケージに入れる前に、洗濯ネットごとYちゃんに手渡し、
抱っこしてもらいました。
少しチャックを開けると顔を出してきょろきょろしていましたが、
おとなしくじっとしています。
その時のYちゃんは、とても嬉しそうな笑顔でした。

 

 

 

 

 

お迎え準備はPerfect。

 

 

 

 

 

 

お見せ出来ないのが残念ですが、
皆さん、素敵な笑顔です。

 

 

 

 

保護期間中、外の世界にほとんど関心のないちゃみに比べ、
むうむはストッパーを超えて玄関ドアの前に行ったり、
窓の淵に登りたがる等、外への興味が強く残っているようでしたので、
脱走には十分に気をつけていただくことと、
触られるのを嫌がる子ではありませんので、
頭周りを撫でる等、出来るだけ触れ合っていただくことをお願いしました。
ちょうどお昼の時間帯でしたので、帰り際に奥さまが下さった
サンドイッチとお菓子を車中でほおばりながらの帰宅でした。

 

 

優しいYちゃん、お姉ちゃん、パパ、ママ。
みんな、あなたの家族になる人達だよ。
大きな目でしっかりと見てごらん。
ばいばい、ふわふわで可愛いむうむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むうむがいなくなり、ちゃみひとり、我が家での最後の夜でした。
寂しがるかしら…と思っていましたが、いつもと変わりなく遊んでいました。

 

 

 

左:激しく遊ぶと、呆気にとられている
飼い猫・こまつ。

右:トイレまで着いてきて、いったい
私の何を観察?

 

 

 


段ボールに
ハートの包装紙とテープを貼って作った

ちゃみ用ベッド兼ハウス。

 

 

 

 

翌日は、嫌がるちゃみを洗濯ネットに入れて、まずは病院。
嫌だったり怖かったりすると噛みつく癖のあるちゃみですから、
鎮静剤を打ってからの、2度目のワクチン接種と爪切り。
最後のケアを済ませてから、目黒区のSRさん宅に向かいました。

 

「ほんっと、狭いんですよ。」

引っ越ししたばかりの目黒のマンション、小さな1Kです。
でも、20代の単身男性の住居ですからね。
玄関から部屋に入る所がかなり狭いのですが、
これなら、100均のワイヤーラックを2-3枚使えば、
簡単にストッパーが設置出来ます。

我が家の者と同じアイリスの三段ケージ、
ベッド、トイレ、フリースの敷き物。
お仕事をしながらSRさんは全て1週間で揃えて下さっていました。

こちらから持参した大きな布でケージを覆い、
即席で作ったちゃみちゃん用箱ベッド兼ハウスと、
ちゃみちゃんお世話セットを差し上げました。
(ケージのお掃除道具と通院用洗濯ネット)

 

 

 

 

 

こちらもお迎え準備Perfect。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SRさん宅に到着したちゃみは、
まだ鎮静剤から完全に覚めていなくて、
ダラーンとなった状態でした。
保護以来、私はプチ怪獣だったちゃみを
洗濯ネット無しで抱っこしたことがありませんでしたので、
チャンス到来とばかりに、最初で最後の抱っこ。
ああ、ちゃみはまだ子どもなんだ、こんなに軽くて柔らかい。
感慨深いものがありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

確かに狭いお部屋ですが
(狭い狭いと連呼してすみません、SRさん)、
この空間でSRさんとちゃみが
ふたりで暮らしていく図を想像して
微笑ましく思いました。

 

若いパパだよ。仲よく暮らしてね。
ばいばい、ちゃみ。
噛むのはだめよ、ずっといい子でいて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むうむもちゃみも、100%完全に人慣れしているとは言い難い子達でしたから、
お届けの後も少々の不安はありました。
ちゃみがSRさんに怪我をさせてしまわないか、
むうむが心を閉ざして隠れてばかりいないか。

しかし、どちらの里親さまも辛抱強く、
2匹を見守って下さることを約束して下さり、
今ではちゃみはちゃみなりに、むうむはむうむなりに
新しい環境に慣れて穏やかな生活を送っています。

 

 

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SRさん、Nさんからいただいた画像の数々。

 

 

お届けから数日。SRさんが振るじゃらしに食いつくちゃみ。
まもなく、ご飯の時と、ケージ内にいる時には普通に触れるようになったそうです。
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SRさんがご自宅近所で撮影した桜筏。
この頃、ちゃみはかなりの甘えん坊さんになっていて、
抱っこや膝乗りをするようになっていました。
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SRさんが1ヵ月かかって得たちゃみとの距離感でしたが、
ご実家から遊びにいらしたお母様と妹さんは、
対面して20分でちゃみを手懐けてしまったそうです。
さすが、ベテラン猫飼いのご家族です。
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Sさんとの暮らしも3ヶ月を過ぎ、
SRさんにベタベタくっつくようになったちゃみ。
↓ ↓ ↓

 

なんなの、このハネムーンみたいな感じ。
SRさん、暑苦しくないですか(笑)?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃみは、なかなかの美猫に成長していますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはむうむ。
お届けの日の晩から明け方までずっと鳴き続け、
朝になってやっと寝たそうです。
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2週間後、ベッドごとむうむを抱っこするYちゃん。
むうむは逃げだすでもなく、おとなしくしている様子。
↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

優しく見守るYちゃん。

 

 

 

 

1ヶ月後、ベッドなしでも短い時間抱っこできるようになりました。
↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2ヵ月後。おもちゃで遊ぶようになったむうむ。
安心して寝ています。爪切りはまだ嫌らしい。
↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3ヵ月後。
家の中で、自分なりに居心地のいい場所を探して
落ち着くようになりました。
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4ヶ月後。
既にN家の飼い猫の顔。
↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相変わらず可愛らしい大きな目。

 

 

 

 

 

Good things come to those who wait
(良いことは待つ人のもとへとやって来る)

2匹の幸せを見届けることが出来てホッとしました。

 

 

 

 

 

さて、春田アパートにいた(かつての)子猫4匹のうち、
むうむとちゃみは飼い猫として卒業、
一方、スギくんとさばみはTNRという形で元の場所に戻りました。

 

 

 

 

 

 

春田アパートのおじさまが作った
段ボールのおうちが見えますが、
成長していくスギくんとさばみ2匹が入るには
小さくなってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじさまの作ったハウスの後ろに、
ねこ藩特製外猫ハウスを追加。
2匹一緒でもラクラクのスペースです。

 

 

 

 

関わった人間、捕獲のタイミング、その他の事情で、
一緒に育ったきょうだいは、全く違う猫生を送ることになりました。
菅野さんは、三木さんがリリースしてしまったさばみのことを
ずっと気にかけて下さっています。
1才とは言え、この辺りの野良猫達の中では、小さい体のさばみ。
強気な女子ですが、愛らしい顔立ちをしていて、
ちゅーるをスプーンに盛ると、寄って来てペチャペチャと美味しそうに舐めます。

 

 

 

 

 

さばみ。

 

 

 

 

スギくんは少しキツ目の顔立ちですが、可愛らしい鳴き声の猫です。
スギくんのいる場所に、同じキジトラ柄のイソダがやって来て、
ご飯を食べているのですが、年少のスギくんは引き気味です。

イソダというのは、この東の猫たち一斉TNR作戦の最初に
捕獲器に入った耳カット入りの男子です。
少し離れたとこにある居酒屋の店主が、ご飯をあげていた猫だと思いますが、
昨年、店は閉店したようで、ご飯をもらえなくなったイソダはうろうろと移動し、
春田アパートに辿り着いたのでしょう。

 

 

 

 

 

スギくん。

 

 

 

 

 

 

 

イソダ。

 

 

 

 

 

雪の日の春田アパート。
雪が降る前に、ハウス内部を防寒仕様にしておきました。
寒い冬~春にかけて、スギくんとさばみは
いつもぴたりと寄り添ってハウスの中に入っていました。
↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が家の庭の外猫がまだポッちゃんだけだった時期、
さばみは毎日のように我が家の庭を通っていました。
ポッちゃんはさばみには威嚇せず、許容していたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春田アパートでもご飯を食べているのに、
我が家でもご飯を食べるさばみ。
しかも、それはポッちゃんのご飯。
優しいポッちゃんは見守っています。
一緒に坐ってリラックスしていることもありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜に、さばみがふらふらとやって来て、
隣人の門の上から我が家の外猫達を眺めています。
この頃、我が家の外猫は3匹に増えていました。
さばみを部外者と思っているのか、ニャースとくららが怒るので、
さばみは地面に降りないことにしたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春田アパートのおじさまは、スギくん、さばみ、むうむ、
そして数ヶ月後に生まれたちゃみにご飯をあげてきました。
台風が来たり、大雨になったりすると、
子猫達を全員家の中に入れてあげていたそうです。

私が春田アパートで捕獲作業をしていた際、
2階に住む男性が階段の上から怒ったような大声で話しかけてきました。

「おい、この間から何やってんだ!そこの猫達捕まえてどうすんだ!
下の人がずっと可愛がっている猫達だろ!? 勝手に持っていくなよ!」

周りの住人達は猫避けのトゲトゲシートを貼りめぐらし、
(役にたたない)ペットボトルを置きまくっているけれど、
上階のおっさんは、猫がうじゃうじゃいることを容認しているわけか。

「不妊手術の為に捕まえているんです。ちゃんと元の場所に戻していますよ。
おじさまに許可をもらって、飼い主さん探しをしてもいい子は保護してますので、
大丈夫です!」

そう答えておきました。
(怒鳴るなよ~もうっ。普通に話して、普通に!)

 

 

おじさまにはちゃみとむうむについて報告しておきました。
スギくんとさばみに関して、近い将来、保護する予定であることを話すと、
「お家の中で飼って可愛がってくれる人がいるんなら、その方がいいね。」
と快諾して下さいました。

 

春田アパート前の道は人通りが少なくありません。
猫たちは道路に面した駐車スペースに
どっかりと座っていることも多いので、
多くの人達がさばみ達を見て知っています。
おじさまによると、これまでに何度も、
「可愛い子ですね~」と声をかけられたそうです。
しかし、可愛いくても、実際に飼おうとする人はいなかった。

また、この通りは車も結構通ります。
車に撥ねられたりしないように、無事で生きていけるようにと、
僧侶の資格を有しているおじさまは、
スギくんとさばみに生前戒名をつけているのだそうです。

 

次の寒い時期が来る前に、さばみとスギくんを保護できたらと思っています。
有難いことに、IKさんが、預かりに手を挙げて下さってる方がいます。
とりあえず、現在はハウスがあり、ご飯を貰える状況。
おじさまと、ご近所のTOMOさんご一家に、
さばみは可愛がられていますので、しばらく様子見です。

 

東の猫たち~春田アパートで生まれ育った猫達
TNRと保護・譲渡はひと段落です。

 

 

 

 

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一方、西の猫たち~M姉妹の保護猫たち。
子猫達が揃って卒業してしまった後、
1匹取り残された感があったとらこにも、
保護から3ヶ月、素敵なご縁が舞い降りて来ましたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とらこへのお問い合わせは、数件あったにはあったのですが、
検討するまでには至らず、の状況の方々ばかり。
そんな中、ねこ藩のInstagramにアップした画像をご覧になって
とらこに一目惚れして下さった方から連絡をいただきました。

大人の先住猫さん3匹を飼っている女性、KMさんです。
お嬢様は自立して既に家を出られており、
現在は、タンクローリーの運転手さんの仕事をしながら、
猫3匹、そして婚約者さんと生活されています。
3匹目に迎えた男の子、次郎くんがややおとなしい子で、
他の2匹と離れ、寂しげにポツンとしていることがあり、
そんな次郎くんと仲よくしてくれるような女の子を探していたところ、
次郎くんに見た目がそっくりなとらこを見つけてしまった、とのこと。

 

 

 

とらこ、よかったじゃん!

 

 

 

 

 

話は進み、4月末にKMさんと婚約者のSさんに
お見合いにいらしていただきました。
おもちゃ持参で、M姉妹の飼い猫たちとも遊んで下さいました。

 

 

 

 

お見合い予定のとらこではない、
M姉妹の飼い猫と遊ぶKMさん(笑)。

 

 

 

 

 

とらこはM姉妹には慣れていますが、
他の人間(当然私もです)には人見知りをする子です。
ケージに入ってもらいましたが、
抱っこしようとケージから出したら部屋中を逃げ回り、
KMさんも率先してとらこ再確保を手伝って下さいました。

KMさんのこういうところが、心強いなあと思いました。
子供の頃から動物に囲まれて育ったというKMさん、
猫達にとっても頼れるお母さんなんでしょうね。

 

前にメールでやり取りをしていた際に、
何枚かお宅の画像を見せて下さいました。
特に、3匹分のお弁当箱。
MKさんが仕事で留守にする際に
食事の時間になったらフタが自動で開くように、
セットして置いておくタイマー給餌器。
ひとつひとつに猫の名前シールが貼ってあり、
壁際にきちんと3台並んでいる。
とても微笑ましく思えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タワー2か所、
かわいいハウスやベッドに
キャットドア。

 

 

 

 

KMさんはとらこを気に入って下さいましたが、
先住猫さんがいる場合には、まず先住猫さんとの相性が大切です。
KMさんには、お見合いの後、とらこを連れて帰っていただき、
早速、トライアルを初めていただきました。

 

 

 

 

さ、キャリに入ろう。

 

 

 

 

 

 

KMさんに完全に懐くのはまだもう少し時間がかかりそう、
でも他の猫さん達とはうまくやっているとのこと。
M姉妹と私、KMさんのInstagramにアップされる
とらこの様子を楽しんで拝見していました。

 

 

 

 

先住猫の花子ちゃんとおそろいの
首輪をつけてもらいました。

 

 

 

即、お互いを舐め合う程仲よくなった、とはいきませんが、
攻撃するわけでも逃げ隠れするわけでもなく、
先住猫さん達は、新入りにナーバスになっている様子もない。
微妙な距離感はだんだんとなくなってきているようです。

お届けから1ヵ月して、そろそろトライアル→譲渡の件で
MKさん宅に伺う予定でいましたが、
やっとMKさんにも慣れてきたところ、
とらこがM姉妹の懐かしい顔を見て故郷を思い出してしまい、
鳴いたり、ホームシックにならないか?と心配されていましたので、
トライアル期間を延長することにしました。

 

 

 

 

コーンと麻紐を使い、
MKさん達が手作りした
特製爪とぎ。

 

 

 

 

 

 

みんなとそれなりに仲良く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

よしよし、やっぱり、
食事はみんなで食べるのがいいよ。

 

 

 

 

 

 

 

とらこが他の猫達とも仲よくなり、
少しならMKさんに爪を切らせてくれるようになった頃、
MKさんから「OKです」と連絡が来ましたので、
6月中旬、M姉妹と連れだって、流山市のMKさん宅に伺いました。

私たちが入室すると飼い猫さん達はみな隠れてしまい、
とらこもまた同じように逃げて隠れています。
お見合い時、MKさんから逃げたとらこ。
今は、もと保護主のM姉妹から逃げています(笑)。
MKさん宅の飼い猫になったんだねえ。
嬉しさの中に、M姉妹は少しの寂しさを感じたかもしれません。

 

1匹目の太郎くんは知人から、
2匹目の花子ちゃんと3匹目の次郎くんは
保護主さんから貰い受けたそうですが、
皆さん、MKさんならば絶対大丈夫と安心して
猫を託したのだろうと、容易に想像できました。

とらこには常に母猫ときょうだい猫たちが側にいました。
猫社会の中でうまくやっていく術を知っているとらこですから、
これからはずっとずっと、MKさんの愛情を受けながら、
3匹の仲間たちと楽しい毎日を過ごしていくことでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西の猫たち~M姉妹が世話をして下さっていた子達。
こちらの保護と譲渡も無事、ひと区切りつきました。

 

 

 

 

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猫ボランティアの方々には苦笑されてしまうんだろう。
たった2匹の猫を保護しただけ。
しかも保護期間2ケ月ちょっと。
苦労とか努力とか言うレベルじゃないと。

確かにそう見えるかもしれない。
ほとんどの猫ボランティアさんは
たくさんの保護猫を抱えて
もっともっと大変な思いをなさっています。

ただ、猫ボランティアは「こういうもの」と
十把一絡に考えて欲しくないとは思っています。
皆が同じ境遇、同じ考えではない。
それぞれに仕事があり、家庭があり、
許容できることできないことがある。

庭にいた2匹のメス猫を外猫として慣らし、
1年後に飼い猫として室内に入れることを決めた時、
そして、2015年秋にねこ藩という「概念」を立ち上げた時、
ねこ藩の活動の主旨はTNRとその手伝いなんだから、
次から次へと猫を保護したり、他人から預かったりして、
簡単に室内に入れないで欲しいと家人から言われました。
その条件ならば、猫ボランティアという活動をしてみたらいいと。

度々室内に保護するということは、
その家人との約束事を無視した行動なんです。
ここは自分だけの家ではありませんから、
常に自分の活動ばかりを優先して、
自分の思い通り、好きなようにするわけにはいかない。
家人の意志、希望も尊重しなくてはなりません。
外から救済してあげたい子がいても、
なかなか難しいものがあるのです。

「猫を保護して欲しい」と他人から言われ、
我が家ではそれは出来ないと断ると、
陰口を叩かれたことがありました。
誰にでも事情があるように、
我が家にも事情はあります。
それは許されないことなんでしょうかね。

外にいる猫達が人間の管理下で生きていけるように、
ハウスやトイレを作り、きちんと世話をして下さる住人がいたら
それはとてもありがたいことです。
自分の庭に来た猫にも出来る限りのことはしたいと思っています。

やむを得ない事情や、放ってはおけない状況にある猫を、
自分の判断で室内に保護すると、家人は「また!?」と呆れます。
それでも、保護猫達の相手をして遊んでくれることもあるし、
お見合いやお届けに付き合ってくれたり、
イベント参加の際は荷物を運搬してくれたりします。
そこはもう心からの感謝しかないですよね。

 

 

 

To be continued・・・・・