とらちゃん、お家に戻りました!

10月1日のブログ

 

9月30日(日)の夕方、とらの飼い主Aさんから連絡がきました。
「とらが9月24日の朝脱走してしまい、帰ってきません」
脱走から、既に1週間が経過していました。

翌、10月1日(月)の午前中、こちらの方で、
管轄警察署会計課に迷い猫(遺失物 )の届け出と拾得物の確認、
役所動物保護指導センターに迷い猫の届け出と収容猫の確認、
飼い主さんご自宅前の公園管理事務所に捜索ポスター貼付依頼、
印刷業者へフライヤー1000枚発注を行いました。
また、2年前にとらちゃんを保護した上村さんが、
市役所に貸出用捕獲器の在庫確認をして下さいました。
午後、飼い主さんが捕獲器を取りに行き、帰宅後庭に捕獲器を設置。

その翌日、10月2日、朝6時前に、飼い主さんからLINEがきました。
「キジトラが捕獲器に入っています。
痩せていて、首輪も無くなっているし、
特徴的な尻尾が見えないので、
とらかどうか確認できません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

送られてきた画像を見て、私も上村さんも、
これは90%、とらちゃんだな、と思いましたが、
2年前に7ヶ月だったとらちゃんはもう立派な大人の猫ですから、
もしかしたら少し顔立ちが変わっているかもしれません。

飼い主・Aさんがお仕事から戻る夕方まで、
捕獲器に布を被せ、室内の静かな場所に置いて下さいとお願いしました。
獣医さんに行く前に、Aさんは尻尾で、それがとらだと確信しました。
病院では、駆虫、触診、校内チェック。
ノミか蚊アレルギーによるものか、背中に小さなハゲが出来ている以外、
健康は問題なしとのこと。
帰宅後、部屋に戻ったとらちゃんは落ち着いてご飯を食べたようです。
ほっとしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回、とらちゃんは無事に帰宅できました。
それは当然のことではなく、運が良かったのだと思った方がいい。

ずっと室内で暮らしているとらちゃんにとっては、
室内だけがとらちゃんの世界です。
いつも窓の外の庭を眺めていたとしても、
目で見て確認している庭と、
実際に自分の足で出てしまった庭とは
べつものだと私は考えています。

庭にはとらちゃんのにおいがありません。
近所に未去勢の野良猫のオス達がいたとして、
その猫達がお庭にパトロールに来ているならば、
庭にはその猫達のにおいがバッチリです。
つまり、庭は他の猫達のテリトリーになってしまっています。
テリトリー主の猫ととらちゃんが遭遇したら、とらちゃんは
「お前誰だあっちへ行け」と追いやられてしまう可能性がある。
追いやられて逃げた先がまた別の猫のテリトリーならば、
さらにとらちゃんは追いやられてしまい、段々遠くに行ってしまいます。
あるいは、戸外での物音に驚いて逃げ出してしまったり、
逃げた先でまたビックリすることや怖いことがあれば、
それもまた元の場所から離れていってしまう原因になります。

とらちゃんは、脱走して1週間後、
庭に設置した捕獲器にすぐに入りました。

このことから想像出来るのは、
「とらちゃんは常に家のまわりにいた」
ということです。

もちろん、飼い主さん一家は、一生懸命捜索していました。
とらちゃんの名前を呼びながら、
家の周りや近くの公園を探しまわっていました。

しかし、どんなに慣れた飼い猫でも、いったん外に出てしまうと、
飼い主さんでさえ、素手で捕まえることが出来ない場合が多いです。
飼い主さんの呼びかけが聞こえていても出てこない。
知らない世界に出てしまって、どうしていいかわからず、
怖くて動けない。とにかく身を隠してじっとしている。

脱走してしまったら、まず家の外に
ご飯と水を置いてみるのもいいかもしれません。
怖くてビビっていたって、必ずお腹はすきますから。

 

 

 

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これは昨年10月の話になります。
近所の知人Tさんから相談がありました。
Tさんの知人、Mさんの飼い猫ナンシーが脱走してしまい、
全然戻って来ない、どうやって探したらいいのか。
早速、Mさん宅を訪問し、状況を伺いました。

脱走してしまったのは6月8日。
脱走から既に4カ月も経過しています。

脱走してから1週間、毎日名前を呼びながら捜し歩いたそうです。
その後は、仕事の行き帰りに路地を歩いて調べてみたり。
大切な存在だった飼い猫がいなくなってしまい、
Mさんは鬱状態になり、しばらく寝込んでしまいました。

脱走直後、Mさんは警察と保健所に迷い猫の届け出をしました。
猫が保護された、収容されたという場合、連絡が来ることもありますが、
こちらからも定期的にチェックをしてみる必要があります。
Mさんは届け出を済ませた後、向こうからの連絡を待つだけで
再度確認の電話を入れることはしなかったと。
また「猫を探しています」ポスターの作製・貼付もまだでした。
体調を崩されたせいもあるでしょうが、
ナンシーはもう遠くに行ってしまったと思い、
捜索を諦めていたようです。

Mさんは奇妙なことを言い出しました。
「ナンシーがいなくなってしばらくしてから、私の中にスッと入ってきたんです。」
「は?」
「夜中です。目をあけるとナンシーが枕元に座っていて、
帰ってきたの?と問いかけると、私の中にすうっと入りこんできて…」
「布団の中に?」
「いいえ、私の体の内部にです」
「ごめんなさい、私、霊感とかそういうものがないので、よくわかりません。」

その手の話を延々と聞いている時間がありませんでしたので、
Mさんに尋ねてみました。

「あの・・・非常に言いにくいんですが、清掃局に問い合わせはしてみましたか?」
「清掃局?・・・ああ・・・・(絶句)。そういうこともあるんですね。
明日電話してみます。」
Mさんの顔はとても辛そうで、目からは涙がこぼれそうでした。

 

 

翌日の夜遅く、Mさんから電話がかかってきました。
「ナンシーは亡くなっていました。いろいろありがとうございました。」

清掃局に、交通事故で死亡した猫の記録があり。
写真には「ナンシー」と入った首輪が写っていたそうです。
収容日は、脱走から3週間後、
事故の場所はMさん宅を出てすぐの交差点でした。

 

 

飼い猫がいなくなってしまったら、
どうかすぐに探してあげて下さい。

あらゆる手を尽くして、探してあげて下さい。
戻りたくても怖くてかたまってしまい
すぐ近くに隠れていることも多いのです。

何が何でも連れ戻して、
もう絶対にどこにもやらないという

強い気持ちを持って行動を開始して下さい。
大切な家族なんですから。
どうか、お願いします。