ボク、死んでますので。:①怪我を負った子猫

4月26日,2022 | サポート, 保護猫, 日々活動

子猫はみんな同じように可愛いものですが、
保護して育て、毎日接していると、
個体によって、性格や行動が全く異なってきます。

 

今日は、昨年保護した、
とてもとても不思議な行動をする子猫の話です。

 

 

 

 

 

 

 

2022年9月18日。
ルルちゃん一家の件で知り合った、
縫製会社社長のHさんから連絡が来ました。

 

「昨晩、うちの社員さんが子猫を保護したんです。」

 

 

その社員・TNさんと直接連絡を取り、
子猫保護の経緯を詳しく伺いました。

前日の夜、職場の1階で残業をしていたTNさんは、
外で子猫が叫び声をあげているのを耳にしました。

慌てて出てみると、会社の駐車スペースで、
1匹の小さな子猫がハクビシンに襲われていたのです。
子猫は首を噛まれて怪我を負っており、
恐怖で動けなくなっていました。

 

 


かなり酷い噛まれ方です。

 

 

 

時刻は夜の19時をまわったところ。
近場の動物病院に連絡をしましたが、
3軒とも既に診察時間を過ぎて閉まっている。
この辺りで唯一、夜間資料を行っているのは
医療機器の設備に優れた、医療費が高いK病院です。
翌日まで待つという選択肢もあったかもしれませんが、
TNさんは迷わず、すぐに子猫をK病院に連れて行きました。

怪我の治療、駆虫、補液、抗生剤注射に、内服薬の処方。
その晩、TNさんはその子猫を自宅に連れ帰りました。

 

 

 

翌日、TNさんは子猫をキャリーに入れて、職場に同伴出勤。
そこで、「この猫を保護して里親さん探しをお願いできるか。」と
社長さんから連絡があったのです。

 

 

 

 

 

 

TNさん曰く、

とりあえず昨晩は家に連れて帰ったものの、
猫嫌いの家族がいるので、家にずっと置いておけない。
怪我の様子も心配だし、自分がみていてあげられるから、
職場に連れて来ている。

 

 

I see.
(なるほど・・・ )

 

 

 

失礼ながら、昨晩K病院で、
TNさんが支払った医療費の金額を訊ねました。

 

 

4万・・・

4万・・・

4万・・・

 

 

 

WAIT!!

 

 

猫のボランティアじゃないですよね?
猫飼い一家でもないですよね?
それなのに、咄嗟に怪我をした子猫を保護して
高いと評判のK病院に連れて行って下さった。
治してあげたいと、躊躇うことなく自腹を切って下さった。
猫嫌いの方がいるご自宅に連れて帰って下さった。

 

 

TNさん、頑張って下さったんだ。

 

 

 

 

はい!
即、バトンタッチ決定!

 

 

 

 

ボランティアが、ほいほいと猫を引き受けていたら大変なことになります。
なので、通常は、保護した方に出来るだけ頑張っていただきますが、
事情をお聞きし、これはTNさんと子猫を助けてあげなきゃ、だめでしょ。
かかった医療費の半分もこちらで負担しよう、そう思いました。

 

 

 

咄嗟にこの小さな子猫を助けたはいいけど、今後どうしたら・・・。
TNさんだって、不安を感じていたと思います。

 

 

 

用事がぎっしりと詰まっていたため、
社長さんの会社に伺ったのは、
連絡をいただいてから3日目のこと。
その日もTNさんは、子猫を会社に連れて来ていました。

 

 


TNさんの職場で。

 

子猫は職場の皆さんに
温かい目で見守られているようでした。

キャリーの中でおとなしくしていた子猫が
きょとんとこちらを見ています。
まあ、可愛らしい男の子。
そして、とってもハンサム。

 

 

 

 

同行したANさんが抱き上げても無抵抗。
おとなしく腕の中におさまっています。

 

 

 

あら~、
いい子ちゃんだわ~。

 

 

 

2日後に、あらためて子猫を迎えに来ますから、
それまでお世話をよろしくお願いしますと伝えました。

「私達が引き取ったら、TNさん淋しくなっちゃうでしょうね。
あんなにおとなしくて可愛い男の子だもの。」

車中でANさんとそんな話をしながら、別の猫案件場所に向かいました。

 

 

この子は、ねこ藩仲間でいつも子猫の預かりを引き受けて下さる、
上村さんがお世話をして下さることになりました。

 

 

 

 

 

その頃、夏に保護した子猫で、里親さんがまだ決まっていなかった、
いちごという黒猫が仲間のANさん宅にお世話になっていました。
(ANさんのお父様はその子を飼う気満々でタンゴと呼んでいましたが。)

 

いちご。黒猫の女の子。

 

 

ANさんの同僚の知人で、
子猫を希望している候補者さんがいるとわかり、
しかも、2匹迎え入れたいということで、
だったら、今回、TNさんから引き取るこの子も黒猫で、
いちごとほぼ同じ時期の生まれなのだから、
いちごとセットにして、名前は「大福」。

 

 


いちご大福。

ステキ。

 

 

 

 

が、後日、希望者さんは女の子がご希望だとわかり、
残念ながら、こちらで勝手に盛り上がっていた、
「いちご」「大福」作戦は消滅しました(笑)。

 

 

 

さて。
外から猫を保護する際に忘れてはいけないこと。

 

 

それは、その猫が本当に野良猫なのかどうか、ということです。
どなたかに飼われている猫で、室内室外、
出入り自由な飼い方をされている猫かもしれないし、
脱走中の迷い猫かもしれない。
あるいは、地域猫として、どなたかがお世話をしている
可能性だってあります。

 

大ちゃんは比較的きれいな状態でした。
生後2ヶ月半くらいで、人をあまり警戒していないことから、
人間と関わってきた経緯がありそうだと思いました。

飼い猫にしろ、地域猫にしろ、会社周辺に、
大ちゃんのお世話をしていた住民がいるかもしれない・・・。

 

そこで、大ちゃんについての情報を求めるフライヤーを作成し、
会社周辺の何か所かと、自治会の掲示板に貼付しました。

 

 

 

 

 

これを見て、大ちゃんの飼い主さんか、お世話をしていた方が
名乗り出てくれるといいのだけれど・・・・・なんて口で言ってはいても、
誰も名乗り出て来ないだろうと思っていましたし、
このまま誰も名乗り出てきませんようにと、心の中で願ってもいました。

 

 

こんな小さい子を外に放っておくんだから、
そんな環境で飼われるよりも、
家の中で飼ってくれる里親さんのところに
行った方が幸せになれるよねえ。

 

と掲示板へのフライヤー貼付許可をいただく際、
自治会長さんさえ、そうおっしゃっていました。

 

 

そして、予想(期待)通り、
大ちゃんに関する連絡は1件もありませんでした。
これで、私達の保護猫として、
大ちゃんの里親さん探しをしてあげられる。

 

 

しかし・・・

 

安堵の気持ちと高まる期待に反比例するように、
大ちゃんの人慣れ度が怪しい感じになっていき、
同時に考え難い不思議な行動をとるようになりました。

 

 

 

To be continued・・・・・

 

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ねこ藩士 まさむね

ねこ藩のイメージキャラクター
ねこ藩で一番最初に保護した子猫を基にしたキャラクター。ねこ藩のグッズなどに登場しています。モデルとなったキジトラ子猫まさむねは、現在市内の理容師さんご夫婦と一緒に暮らしています。