どうやらこの狭い地域には
そっくりな茶トラ男子が2匹いるらしい。
尻尾を怪我している、耳が黒くなっている、痩せている…
それが私の見てきた「偽カプ君」ですが、
森本さんがご飯をやっている「本物のカプ君」には
そんな症状も様子も見られないということです。
唯一、この2匹に共通しているのがミルクが大好きだということ。
私はこの1年8カ月以上「偽カプ君」しか見たことがありませんので、
「本物のカプ君」がどういう猫だか全くわかりません。
カプ君がまだ飼い猫なのか捨てられた猫なのかグレーな状態でしたので、
私としては何もしてあげることが出来ない…
いや、あえて手を出すことはしないでいましたが、
私がカプ君だと思っていた子が「本物のカプ君」ではなく、
この地域にいるもう1匹の茶トラ=飼い主のいない猫であるならば、
通常通り、TNRの対象にするべきだと思いました。
本来ならば♀猫の避妊手術優先でいきたいところですが、
現在、この地域でターゲットとしている♀2匹、
2015年春に我が家の勝手口に突然現れたサビキジのこむぎちゃんと
隣の通りから度々やって来るらしい若い三毛猫1匹は
神出鬼没でなかなか手をつけられないでいます。
ならば、とりあえず、目の前にいて、すぐに捕獲器に入る可能性大の
「偽カプ君」の去勢を先にやっておいても無駄ではないでしょう。
野良猫が増えるのは出産する♀猫だけが原因ではありません。
未去勢の♂猫だって子種をまき散らして
いるわけですからね。
まず痩せた「偽カプ君」にガンガン高栄養食を与え、
全身麻酔手術に耐えられるように少し体重を増やしてもらうこと。
a/d缶はお高いものですが、仕方がありません。
それから「偽カプ君」用の迷子札と首輪の用意。
この子が「本物のカプ君」だと思っていた時に作ってもらっていたものです。
「本物のカプ君」は外に出されたのではなく、
捨てられたのだという事実がはっきりした際に、
去勢手術後、この迷子札をつけてリリースしてあげれば、
「僕は正体不明の野良猫ではありません。
飼われていましたが置いていかれたのです。」
というメッセージがご近所に伝わるかな、と思ったのです。
迷子札の表には「飼い主に捨てられました/どうか見守って下さい」
迷子札の裏には「カプ・連絡先(ねこ藩)」
この子は「本物のカプ君」ではなく「偽カプ君」ということになっているので
「本物のカプ君」用の迷子札をつけて放すのはどうかとも考えたのですが、
この迷子札があれば、この猫はきちんと去勢されて管理されている猫ですよ、
という印になるので、つけてあげることにしました。
せっかく作った迷子札を無駄にしたくなかったというのが本音です。
お金かかってるから(笑)。
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8月30日の朝、市内の個人ボランティア・広田さんから連絡が来ました。
「どうぶつ基金の不妊手術チケットが1枚あります。
私の方で予定の頭数、不妊手術が済んだのですが、1枚余っています。
期限は明日までなのですが、ねこ藩さんの方で捕獲予定の猫はいますか?」
偽カプ君の捕獲は9月になってから…と考えていましたので、
他の方に使っていただいたら?と返事をしようとしたところ、
庭の室外機の上で偽カプ君が寝ているのが窓から見えました。
「いました、目の前に。」
捕獲器はいつでも使えるように準備してありましたので、
素早くカツオを入れ、駐車場の車の脇にセット、私は室内に戻りました。
以前、偽カプ君は誤って捕獲器に入ってしまったことが3度程ありましたから、
もう懲りて近付きもしないかも…と思っていましたが、それは杞憂というもの。
10分後には捕獲器の中でおとなしく座っていました。
捕獲器の中のカプ君 術後、金属ケージに移されて…
あいにくその日は日中仕事と用事がありましたので、
広田さんが偽カプ君を迎えに来て、捕獲器ごと江戸川区の病院に届けてきて下さいました。
夜帰宅後、8時過ぎに偽カプ君を病院に迎えに行き、その晩は
我が家の玄関内に設置した2段ケージの中に偽カプ君を入れて休ませました。
不妊手術済みの耳カットが入っています。
市町村によってまちまちだったりしますが、
江戸川区では♂は右耳、♀は左耳に
「さくら耳」というカットが入ります。
入院は午前中でしたが、手術は夜だった為、
まだ麻酔から完全に覚めていない状態。
偽カプ君はボーっとしてケージ内の床に伏せています。
手術した晩はケージ内で療養させます。
なるべく静かに、なるべく暗く。
療養期間は、♂は術後1日程度、 ♀は術後4-5日程です。
◆偽カプ君・医療行為詳細◆
8月30日:E病院(江戸川区)
年令:推定2才強
体重:4.8㎏
ノミ・ダニ除去
検便・駆虫
3種混合ワクチン
耳そうじ・つめ切り
ウィルス検査
医療費合計:13800円
(どうぶつ基金チケット=5500円・ねこ藩負担=8300円)
以前怪我をしていた尻尾の付け根と、黒くなっていた耳を診ていただきましたが、
自然治癒したらしく、すっかり元通り、何の問題も見られないということです。
残念なことに、この地域の他の♂猫達と同様、偽カプ君は猫エイズ(+)の結果でした。
To be continued…
私がみた カプくんは、偽カプくん? うん~しあわせになってくれれば…