前回のブログ
2018年3月7日:「ねこ藩城下の猫たち:④ニャース・くらら・ポッちゃん」
https://nekohan.jp/archives/7761

 

 

2018年の2月末から3月初めにかけて、
我が家の敷地で野良猫3匹を続けてTNRしました。
ニャース(オス)、くらら(メス)、ポッちゃんです。
リリース後、ポッちゃんが我が家の庭に居座り続けましたので、
ハウスを用意してご入居いただきました。

ニャースは、もといた場所(居酒屋方面)~倉庫付近から
重田邸(近所の餌やりおばあさん)方面、
くららも、塀向こうの空き家~重田邸方面に戻ったようでした。
しかし、リリースから1ヵ月程経った頃、
ニャースが我が家のある路地に戻ってきて
ポッちゃんとけん制し合いながらも居つくようになりました。
くららもまた、ポッちゃんとニャースのご飯の時間になると
「んじゃ、アタシも」と、塀向こうからやって来るようになりました。

 

 

 

うわ~、3匹・・・。

 

2015年秋以前、庭でくりことこまつの世話をしていた頃、
どうしよう、2匹もいてまずいよなぁ・・・と思っていたのに、
記録更新しちゃったよ。

「あのぅ、おばあさんのところに戻る気ないんですかね?
もしかして、ずっとここに居座る気満々?」

ご飯を食べる3匹の後頭部に話しかけたって
答えやしない。

 

 

 

世話を始めてから1ヵ月もしないうちに
ニャースがスリスリと懐いてきました。
抱っこして、揺りかごのようにゆらゆらすると、
たらーんと体重をこちらに預けて甘えてきます。
頬ずりしたりすれば、ゴロゴロの音量が上がっていきます。
擦れた控え目な声で「はーん、はーん」と鳴きます。
これはもしかして「いけそうか

*用語解説「いける」:
保護して里親探しをすれば貰われる可能性がある

 

 

ということは・・・
今いる3匹のうち、まずニャースを保護して里子に出して、
次にくらら、最後にポッちゃん・・・・
というアバウトなプランを考えていると、
どんよりな曇り空に、光が差してきたような気分になりました。

うん、3匹なら何とかなりそう・・・

 

 

てか、あなた誰?!

 

 

新しい白黒猫がくららにくっついてやって来るようになりました。
くららちゃんのきょうだいなの?彼氏?何なの?

 

まだとても若い猫のようで、お尻に鈴カステラ付き。
庭の3匹がやや落ち着いてきたというのに、
未去勢の若いオス1匹が加わることによって、
今の(仮の)平和が乱れるのは困ります。

新しい白黒猫にはトントンという名前をつけて、
しばらく様子をみることにしました。

ある日の買い物の帰り、重田邸の前を通りかかると、
庭からからのそのそとトントン登場。
ああ、やっぱり、ここでしたか。

重田邸はマジシャンのシルクハット。
白鳩が1羽~
はい、また1羽~
はい、もう1羽~
って、一体何羽仕込んでるんだよ!

数日間、捕獲器の中でご飯を食べる練習をしてもらい、
6月18日の朝、トントンをすんなり捕獲→病院へ。

 

◆トントン◆
年齢:1才くらい
体重:3.8㎏
去勢手術 0円(どうぶつ基金無料不妊手術チケット使用)
駆虫 1000円
怪我処置 2000円
医療費計 3000円

 

捕獲時はわからなかったのですが、口の左端から顎にかけて
皮膚が裂けべろんとめくれていました。
獣医さんによると
「猫同士の喧嘩によるキズではないっぽい、
何かに強くぶつかったか、ひっかけたか。」
だそうです。
キズの消毒・洗浄の後、数針縫っていただきました。
虐待とかではないといいのですが・・・

術後、その晩は我が家の玄関で過ごしてもらい
翌日庭にリリースしました。

 

 

翌日、リリースの際、いったん重田邸方面に
走り去るかのように見せかけて、
「なーんちゃってね」と言わんばかりに踵を返し
我が家の駐車場に戻ってきたトントン。

 

4匹!!

こうして我が家の庭猫記録は、短期間で塗り替えられました。
4匹・・・この3軒が並ぶ路地には多すぎる・・・

 

 

慣れたら1匹づつ保護して里親探しをします。
ずっとじゃないですから!
庭に糞尿があったらすぐに片付けますので、言って下さい。
両隣の住人にあたふたと説明し、
顔を合わせれば常に「ごめんなさい。」と頭を下げています。

隣人のTさんもNさんも、私がこの数年間やって来たことを
よくご存じですので、許容して下さっているのが幸いです。

Nさんの庭でニャースとトントン、ポッちゃんの3匹が
毎日代わる代わるトイレをしてしまい、
庭の砂利がうんこまみれになった時期がありました。
Nさんは私の親と同じ年齢で、1日中、
家のどこかの掃除をしている程、きれい好きな方です。

糞は少し時間を置いた方が固まって取りやすいのですが、
Nさんはとにかくハエや虫が大嫌いなので、
2時間に一度くらい庭をくまなく見まわり、
糞があったらすぐに片付けるのです。
それがかなりの軟便、あるいは液体状でも。
そういった糞を完全に取り切ることは容易ではないので、
Nさんの庭の小砂利の間には、僅かに軟便が残り、
それが臭いのもととなってしまいます。
で、また、猫達がそこに糞をする・・・の繰り返し。

私は、糞の片付けを手伝うことはもちろんですが、
猫避けトゲトゲシート、使い捨てビニール手袋、
糞入れポリ袋、トング、猫避けの粉末、替え砂利・・・
等々を購入してきて、Nさんにせっせとお渡ししました。
(ビニール手袋とポリ袋は家事に使っているようですが・笑。)
また、我が家の庭に設置した2つの猫トイレと同じものを作り、
Nさん宅の裏庭に置きましたが、
我が家に置いたトイレはは使ってくれても、
Nさん宅に設置したトイレはガン無視。

 

「うちの砂利が気に入っちゃったんだね。
言ったってわからないんだから、仕方がないね。」
Nさんはそう仰って下さるのですが、
申し訳なくて、申し訳なくて。

我が家で赤ちゃん猫を保護したりすると、
「可愛い、見せて~」と見にいらっしゃいますが、
もともと、Nさんは動物が苦手な方ですので、
猫どもの糞を片付ける作業には辟易していると思うのです。

 

 

反対側のお隣、Tさんは犬飼いご一家です。
ご主人が猫嫌いな為、猫は飼えないそうですが、
奥さまやお嬢さん達は犬猫どちらも大好きです。
以前は外にいる猫達によくご飯をあげていました。
我が家の飼い猫・くりこもこまつも
もともとはお隣のTさんに食べさせてもらっていました。
そんなTさんですから、
「おしっこなんて、されない工夫をすればいいことだし、
されても大したことないから、あまり気にしないで。」
と言って下さいます。
また、時々、4匹にもおやつをあげて下さっています。

 

 

 

糞尿以外にも、時々問題が起こります。

4匹はお互いを認め合っているようなので、本気の喧嘩らしい喧嘩はしませんが、
隣の通りで、地域猫4匹の世話をして下さっているTOMOさん宅から、
カプ君やチャップがやって来ると、唸り合い合戦が始まります。

4匹が居着くようになる前、カプ君とチャップは、
我が家のハウスによく寝泊まりしていました。
TOMOさん宅でお世話になるようになってからも
時々、我が家の外猫ハウスを別荘のように使っていたのに、
久々に来てみたら、新しい住人が入居していて、
しかも、「なんなんだおまえ!」みたいに、
4匹ずらりと勢ぞろいして迎え撃ち状態になっているわけですから、
「おまえらこそなんなんだよ!」となるわけです。

くららとトントンは少し離れた場所から見ていますが、
ニャースとポッちゃんは、ずんずんと前に出て行き威嚇します。
するとカプ君が、甲高い声でギャーギャーわめき出します。
そうなの、カプ君は昔から鳴き声がうるさいんです。
チャップも唸ったり騒いだりすることはありますが、
カプ君ほどしつこくない。

これが夜中だと近所迷惑になりますが。
幸い、カプ君とチャップがこちら側に来ることが
だんだんと少なくなってきましたので、
大声選手権の開催頻度は減っているようです。

 

 

もうひとつの問題は、ニャース。
人には(世話をしている私には)、
ゴロゴロで可愛らしい兄ちゃんなんですが、
他の猫に対して容赦ない時があります。

重田のおばあさんの話によると、
ずっと向こうの居酒屋付近にいた頃、
他の猫達に押し出される形でふらふら移動し始め、
重田邸に来れば、重田邸にいる猫達ともうまく行かず・・・
だったらしいのです。
倉庫でひとり暮らしていたそうこちゃんと一緒に、
おばあさんの差し入れるご飯を食べていることもあったようです。
そんな話を聞いていましたので、気が弱い猫なのかと思っていました。
ところが、とんでもない。

スイッチが入った時の力が半端ないです。
本人はハンティングのシミュレーションか、
ただ遊んでいるつもりなんでしょうが、
狙いを定めるとものすごい速さで執拗に追いかけまわし、
相手が悲鳴をあげるまで、何度も襲いかかって組み倒すのです。

相手はネズミではなく、猫。
ターゲットになるのは、くららかトントン。
ポッちゃんはおとなしい猫ですが、凄みはあるので、
ニャースも少し遠慮している節があります。

 

また、ニャースは他の3匹とつるむことはありません。
気温がぐんと下がった冬の晩、他の猫達はハウスの中で
寄り添い、お互いの体温で温め合って寝ています。
ある日は、ポっちゃんとトントン。
ある日は、ポッちゃんとくらら。
ある日は、トントンとくらら。
一度、3匹がぎゅうぎゅうに丸まって、
ひとつのハウスの中にいたこともありました。
その輪に、ニャースは決して入りません。

 

 

 

食事の時は、1匹づつのお皿、皆並んで食べていますし、
昼間もそれぞれが気に入った場所やベッドで過ごしていますが、
やはり、早いうちにニャースだけは他の3匹から離した方が
いいのかもしれないと思っています。

 

 

 

4匹もいて近所迷惑になるから、
早くニャースの里親探しをしなよ~と家人は言います。
里親探しをするとなると家に入れなくてはなりません。
でも、家に保護猫を入れることになると苦い顔をするのは家人。

それに加え、短期間であろうと他の猫が同じ家の中にいると
飼い猫のくりこの体調がいつもおかしくなります。
1週間もすれば慣れてきて、並んでご飯を食べたりしていますが、
これまで室内に保護した猫は全てメスです。
オスの成猫を家に入れたことがありません。

男好きなこまつは、時々、玄関に入ってくるニャースと
ワイヤーラック越しにコミュニケーションをとっていますし、
ニャースを気に入っているような素ぶりを見せることもあるので、
何とかなりそうな気もしますが、
攻撃的になることがあるニャースですから、
あまり我が家の女子達とは接触させたくないというのが本音。

血液ウィルス検査の結果もあまり期待していません。
カプ君然り、チャップ然り、チョロちゃん然り。
この地域にいるオス猫はエイズウィルスキャリアが多いのです。
室内に保護するとしても、三段ケージと1階の廊下。

とは言え、人間にとっては扱いやすい可愛いニャースですから、
甘えん坊な大人のオス猫を飼いたいという里親様がいれば、
ぜひ、と思っています。

トントンも気分次第ですが、抱っこ出来ますし、
最初は目が離れていて変な顔~と思っていたのですが、
よく見ると愛嬌のある顔立ち。声も子猫みたいで可愛いし。

 

 

何年か前に亡くなってしまいましたが、
ブログで人気になった白黒猫のはっちゃん。
トントンははっちゃん本人ではなくて、
はっちゃんのぬいぐるみによく似ています。

 

くららは1年前、室内のケージでの術後療養の際、
私の頭に穴を開けたドリル女子・・・だったのですが、
最近、私の横に来ておとなしく坐っていたり、
少しづつ、体を触れせてくれるようになってきたので、
すぐには無理ですが、いつか室内に入れてあげられる日がくるかも。

 

 

ポッちゃんは、頭や顔を撫でられるのが好きですが、
警戒心は強く残っていて、確保は容易ではありません。
あの悪い足を引きずりながら、結構なスピードで逃げます。

 

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この1年、庭にいる彼らの様々な面を見てきました。

 

 

保護猫は飼い猫とは違います。
飼い猫同様にきちんと世話をして愛情を注ぎますが、
いつかはこの手から送り出す・・・という前提の上での愛情です。

里親探しというのは結構大変な作業ですから、
他の個人の方々の里親探しのお手伝いをしているうちは
自分で保護猫を抱える心の余裕がなかなか出来ません。

庭でぼーっと過ごしている4匹を見ていると、
平和だなぁ、ずっとこうしていてもいいんだけどな・・・
と思うこともあります。
でも、それは世話をしている私の考えであって、
近隣住民の全てがこの状況を楽しんでいるとは思えませんから、
やはり、それぞれに落ち着く先を見つけてあげたいです。
本物の家族と、第二の猫生のスタートを切ってもらわなくては。

常に目が届く範囲にいる猫達ですので、
無理せず焦らず、タイミングを計らって、
1匹づつ何とかしていこうと思っています。