2018年の夏、まさむねの飼い主YMさんから、
相談メールが来ました。

 

 

近所の店舗でトリマーとして働いているNSさんが、
自宅近くで子猫2匹を保護したのですが、
里親探しのお手伝いをしていただけますか。

 

 

多忙だった為に少しお待ちいただき、
8月に入ってからNSさんのお宅に伺いました。

 

 

あらあら、いました、活発に遊んでる小さな子が~。
きれいな毛並みの黒猫と、ハチワレさんです。

 

 

 

 

今回のこの2匹もそうですが、
NSさんがこれまでに飼った猫たちは皆、
NSさんご一家が、ご自宅近くで
拾って保護した猫さん達だそうです。

 

NS家では、犬猫全て車の名前。

 

◆ねこ部◆

 


シ―マ、マーチ、キャミ、マーチ、ハリアー

 

 

◆いぬ部◆

 


ヴィヴィオ、ポルシェ

 

 

現在は、先住猫さん3匹(ハリアー、マーチ、キャミ)と
先住犬さん1匹(ポルシェ)がいます。

今回保護した小さな子達は、
アウディとパトという名前をもらいました。

 

 

 

保護した時には2匹だけしかいなかったとのこと。
炎天下の中、小さいのに2匹一緒に頑張って
生き延びたんですね。

 

 

 

 

NSさんが保護されてから1ヵ月経過しています。
すくすくと健康に育ち、里親探しにはちょうどいい月齢。
すぐにインターネットで里親募集を開始しました。

 

 

 

ひとつ懸念はありました。
夏の暑い時期は保護猫が貰われにくいのです。
子猫であっても、里親希望者が普段より少なくなります。

子供達や学生達は夏休み、お父さんはお盆休み。
家族であちこち出かけたり、長期の旅行もあるでしょう。
そんな時期に、猫を飼い始めてしまうと、
家を空けづらくなってしまうからです。

「飼えないので引き取って下さい」と、
自分のペットを愛護センターに持ちこむ家族が、
夏休みの時期は多いとききます。
ペットがいるとどこにも行けない、
人間が夏休みを満喫できないという理由。
ふざけるにも程があります。
浅はかで無責任な親の行動を見て育った子供は
どういう大人に成長していくのだろう。

 

 

話は戻って。
アクションを起こさないことには何も始まりませんから、
どうか希望者が現れるますようにと祈りつつ、
医療行為を済ませ、いい画像を選んで、募集掲載開始。
里親希望者からの問い合わせが来るのを待ちます。

 

黒猫は常に一定の人気がありますから、
アウディにもポツポツとお問い合わせはありましたが、
飼育状況に不安があったり、年齢的に難しかったりと、
なかなかご縁に繋がっていきません。

NSさんご自身も、猛暑の中、2匹を連れて、
ふくねこやさんの里親会に参加して下さいました。


まだ小さいのでベッドごとステンレスケージに入ります。

 

 

夏休み中での開催でしたので、来場者も普段より少なく、
猫さん達もちょっとダレ気味。

 

 

 

里親会場は空調の効いた快適な室内ですが、
スペースの関係上、保護主さん達は外で待機します。
この日はかなりの高温でしたから、テントがあって良かった。

 

 

 

 

 

 

この後、しばらく里親探しを続けたところ、
理想的かな?と思われる良いお話がありました。
ちょうと同じ月齢の先住子猫がいるので、
そのお友だちにアウディを迎えたいとのことでした。

ところが、保護以来ずっと2匹のお世話をしてきたNSさんは、
仲の良い2匹のきょうだいを離して別々に譲渡したくない、
という気持ちが強くなっていました。
そこで、募集の条件を「きょうだい2匹一緒で」と変更しましたが、
それから1週間後に、NSさんから連絡が来ました。

色々と迷いましたが、家族で話し合い、
2匹はやっぱりうちで飼うことにしました。

NS家に車2台追加です~。

 

 

 

NSさん宅、一層賑やかになりましたね。

 

 

 

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子猫をひと腹(同時に生まれたきょうだい達)で保護した時、
子猫たちを保護した側にとっては、
きょうだい一緒に貰っていただけると嬉しいのですが、
最初から2匹一緒に迎えて下さるばかりではありません。

先住猫が1匹(あるいは複数)いるので、
もう1匹、遊び相手になるパートナーを、
と申し込んで来る方が結構多く、
猫を始めて飼うという里親さんの場合は、
猫と人間との暮らしがまだ読めないので、
まず1匹から・・・というパターン。

共働きのご家庭では、長い留守番時間の間、
ひとりで寂しく退屈しないで済むようにと、
最初から2匹一緒に迎えて下さる方も多い。

1匹だけ貰い受けたくて、お見合いにいらして下さっても、
きょうだい同士、2匹仲よく遊んでいるのを見てしまうと、
引き離すなんてとても可哀想で出来ないので、
ぜひ2匹一緒に、と言って下さる方もいますし、
逆に、2匹を離してしまうのは可哀想、
でも自分が飼えるのは1匹だから諦めます、
という方も、これまでに何組かいました。

 

 

「猫同士にきょうだいという認識はない。あるのは仲間意識。」

以前、獣医の先生がおっしゃっていたことです。
さらに、子猫にとっては毎日が新しいことの連続。
その新しい経験に上書きされる形で、
過去の記憶はいとも簡単に消えてしまうといいます。

実際、子猫をきょうだい達と引き離して、
別の猫が産んだ同じ年頃の子猫と一緒にしてみると、
すぐに馴染んでコロコロと遊び始めたりしますから、
本人は、あっちの子が本当のきょうだいで、
こっちの子はきょうだいじゃない別の子、
なんていう風には考えないのでしょう。

引き離すのは可哀想というのは、
引き離そうとしている人間側の感情です。

美味しいものを食べて、遊んで、寝る。
それが猫の欲求の全てですから、
そこさえ満たされていれば、猫は幸せを感じます。

親と離れて辛い、きょうだいと行き別れて悲しい、
という気持ちはゼロではないかもしれませんが、
新しい環境におかれることで、やがて忘れてしまうんです。

生まれてからずっと一緒に過ごしている子猫きょうだいを
離してしまうのは、なんかちょっと可哀想だな、
という気持ちは保護側にも確かにありますが、
1匹づつだろうが、2匹一緒だろうが、
大切なのはその猫に幸せになってもらうことです。

適した飼育環境に、安心してお任せできるお人柄、
この条件さえ満たしている里親さまであれば、
きょうだいを離して、1匹でもお譲りしてきました。

そのようにして、過去に譲渡してきた猫たちは皆、
譲渡先の先住猫さんと仲よく過ごしていますよ。