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2021年7月14日のブログ
「ねこ藩城下の猫たち:(13)ポッちゃんのいない庭(前)」
https://nekohan.jp/archives/13528

 

 

 

2019年12月に、首に怪我を負っていたトントン
病院に連れて行き、そのまま室内に保護したのですが、
その直後、私が近づく度に、ポッちゃんはシャーを連発しました。
部屋から聞こえてくる、尋常ではないトントンの鳴き声に
警戒心を強めたのかもしれません。

それは一時的なものでしたが、トントンがいなくなったことで、
私の目には、庭のポッちゃんが淋しそうに映ることがありました。

 

 


4匹揃っての食事。
この1週間後にトントンを室内に保護しました。

 

 

 

年が明けてしばらく経った頃、
ポッちゃんが口から涎のつららを下げていたことがありました。
口内炎になったのかもしれないと思い、
錠剤の抗生剤を粉末にしてフードに混ぜ飲ませると、
薬が効いたらしく、翌日から涎はとまりましたが、
この頃から、徐々にポッちゃんの体の中で、
病魔が巣を広げつつあったのでしょう。

 

 

外にいる猫だから、今まで苦労して生きてきた猫だろうから、
毎日、お腹いっぱい、栄養のある食事を食べさせてあげよう。
そう思って、庭の猫たちには、たっぷりと食事を与えていました。

日中はドライフード、夕食と夜食はウェットどドライの混合。
特に、夕方の食事は豪華なものでした。

(1)ビーフかチキン
(2)マグロかカツオ
(3)蒸した鶏のささみかチュール
(4)三ツ星グルメ、シーバ等のドライを少々トッピング

日によって変わりますが、だいたい毎日この組み合わせです。

 

 

室内飼いで運動不足気味の飼い猫たちと、外の猫たちでは
毎日の消費カロリーが違ってきますので、
たっぷりと食べてもらっていたのです。

 

ポッちゃんはいつも食欲旺盛で、きっちりと完食。
毛艶もあるし、痩せていないし、足が悪いことを除けば、
健康的なごく普通の猫にしか見えなかったポッちゃんに、
異変が起こり始めました。

 

 

 

 

ポッちゃんはミルクが大好きな猫でした。
食事の時、そばにミルクを入れたボウルを置いておくと、
食後にゴクゴクと喉を鳴らして飲むのですが、
その量が明らかに多くなりました。
200mlのパックの3分の2くらいを一気にに飲むのです。
いつでも飲めるようにと、玄関横においたバケツからも、
大量に水を飲んでいました。

 

食欲も相変わらずで、もりもり食べていましたが、
しっかりとした骨格の大柄なポっちゃんの体が、
徐々にほっそりとしてきました。

 

排泄場所は、我が家の庭の土の部分か、お隣の敷地でしたが、
排尿に限っては、そこまで歩いて行かず、
しょっちゅう、路地の塀の前でするようになっていました。

 


路地で寛ぐポッちゃん。
反対側にある塀の前でおしっこをするように…。

 

 

甲状腺機能障害? 慢性腎不全?

腎臓サポートドライのような療法食に
切り替えてあげた方がいいのだろうか。

 

 

獣医さんに相談してみようと思った矢先の6月初め、
ポッちゃんの首がピンク色になっていました。
首筋に怪我をしていて、乾いた血がピンク色に見えたのです。
梅雨が近づいていますから、じくじくして治りが遅くなったら厄介。

 

 

 

ポッちゃんは抱っこというのは好きではありませんでしたが、
持ち上げられるのにはすっかり慣れていましたので、
簡単にキャリーに入れることが出来ました。

 

 


病院への行きも帰りも、車中ではおとなしくしていました。

 

 

獣医さんは、傷の洗浄、消毒、傷口を数針縫って閉じる外科処置、
抗生剤の注射のほか、ぐらついていた歯1本を抜いて下さいました。

診察の際の体重測定で、ポッちゃんの体重は4㎏。
2 年前のTNRの時から、1.2kgも減少しています。

 

 

「腎不全だね。もうかなり進んでいると思う。
食事制限?ずっと美味しいもの食べてきたんでしょう。
外の子なんだから、あれこれ、嫌がられることやめて、
これからも元気なうちは、好きなものを食べさせてあげなよ。」

 

獣医さんの言葉に、その方がいいのかもしれないなと思いました。

 

ポッちゃんを連れ帰り、その後、一応、
腎臓サポートドライを与えてみましたが、
これまでのメニューとは大違いの食事に、
ポッちゃんは大不満だったようです。

フードのにおいを嗅ぎ、「これ要らない」と、
お皿を離れてしまいました。

 

 

 

ポッちゃんは曲がらない足を投げ出し、
やりにくそうな姿勢でよく毛づくろいをしていました。
全体的に薄い色合いの猫でしたので、汚れれば目立ちますが、
私も時々、ドライシャンプーをしていましたし、
これまでは、汚い、という状態になったことはありませんでした。

しかし、この1ヶ月、
ポッちゃんはどんどん汚くなっていきました。
全身の毛がぼさぼさ、顔まわりも汚れています。

口内炎が酷くなり、毛づくろいどころではないのかも。

 

 

毎日、ポッちゃんの体を顔を拭き、
ブラシで体毛を梳いてあげましたが、
翌日になると、またポッちゃんは薄汚れていました。

 

動き回ることも徐々になくなり、
いつも、ハウス、ベッド、箱のどこかで
休んでいるようになりました。

 

寝ている時に近寄って体を撫でると、
「それはやめて」と、起き上がり、
移動することが多かったポッちゃんでしたが、
この頃は、そんなこともうどうでもいいとでもいうように、
小さく「ミュン」とだけ鳴いて、されるがままになっていました。

 

 


休んでばかりいるようになりました。

 

 

 

仕事と様々な用事、複数の猫案件で忙しい毎日だったことに加え、
常に庭にいるんだから、いつでも撮影できると思っていましたので、
この頃のポッちゃん達の画像は私のスマホにほとんどありません。

 

これは、たまたま我が家に寄って下さったKさんが、
持っていたミラーレスのカメラで
撮影してくれたポッちゃんの写真です。 ↓↓↓

 

 

 

 

これが、まだ自分で動けていた元気な頃の、
最後の写真になってしまいました。

 

 

 

 

7月5日夕方。
ポッちゃんはハウスの中で横になったまま。
夕食を食べようとはしません。

スプーンにちゅーるを持って、差し出すと、
プイッと顔をそむけました。
そして、突然、ハウスから出てとぼとぼ歩き、
隣宅の車の下に移動しました。

フード皿をいつもの場所に置いておき、
何度も外に出て確認しましたが、
全く手つかずです。

夜中、ハウスは空のままでした。

 

 

 

 

猫は死期を悟ると姿を消す。

 

そう言われていますが、「死ぬ」為に隠れるわけではないそうです。
猫には「自分は病気なのだ、自分は死ぬのだ」という自覚はなく、
なんだか調子がおかしい、具合が悪い、動きづらい・・・
そう感じると、身を守れる場所に隠れて、じっと回復を待つのだそうです。

弱っている自分を見せるとそれは敵に隙を与えることになる、
という、野生の本能かもしれません。
あるいは、得体の知れない、見えない敵と、
辛抱強く戦っている心境なのかもしれません。

 

 

まさか・・・。

 

 

ポッちゃんの容態が悪化したら家に入れて看取ってあげよう。
そう決めていましたが、こんなに突然、
しかも、1、2日のうちにガクッとくるとは思っていなかった。

 

 

 

「ポッちゃんを見ませんでしたか?
室外機の裏とか、物置の後ろとか下に、
隠れているかもしれない。」

 

近所の数件に声をかけつつ、
ポッちゃんが隠れていそうな場所を探しては覗き、
あちこちを歩いて回りました。

 

 

塀向こうには2軒続きの空家があり敷地は草ぼうぼう状態。
Tomoさんがお世話をしている地域猫のカプ君やチャップ、
我が家のニャース、くらら達が、時々、休んだりしている場所です。
私は長袖、長ズボン、長靴に着替え、草むらに入りました。

 

「ポッちゃん、ポッちゃん、いるの?」

 

 

 

 

 

 

古い空き家の下には排気口のような穴があり、
もともと穴を塞いでいた金属の格子が外れています。
穴は猫の頭が十分に入ることのできるサイズ。
頭さえ入れられる場所なら、猫は体をすぼめて入ることが出来る。

 

ああ、この中に入ってしまったらお手上げだ・・・。

 

 

 

 

でも、待って、違う。
ポッちゃんは右後ろ脚を曲げることが出来ない。
ハウスの入口に出入りする時も、いつも足が引っ掛かっていたから、
入口サイズを少し横に大きくしてあげたことがあった。

この穴は、ポッちゃんには無理だ。ここじゃない。
それに、塀を超えてここまで来る体力だって、
今のポッちゃんにはない。

 

どこに隠れてしまったの?

 

 

 

ポッちゃんが姿を消してから2日が経過していました。

 

To be continued …..