前回のお話はこちら。
2019年6月20日のブログ
「多勢でも敗北する理由:①居場所のない猫一家」
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2019年猛暑の夏、
IKさんは隣の路地で猫一家救済作戦を始めました。
◆リンの捕獲◆
2019年8月4日。
一番最初に捕獲器に入ったのが、母猫リンでした。
推定1才とまだ若く、とてもきれいな毛並みの黒猫です。
やや怖がりな猫で、保護後、しばらくの間、
ケージ内の奥に引っ込んで隠れてばかりいたので、
IKさんはリンの写真を撮影するのに苦労していました。
保護からしばらくした頃、リンはケージから脱出。
それ以来、一度もケージに戻ることはなく、
やや家庭内野良に近い暮らしになりました。
リンの人慣れは順調とは言えませんでしたが、
一番在宅時間が長い、ナナちゃん(娘さん)には、
リンも気を許していたようです。
ナナちゃんだけが、フリーとなったリンを
確保することが出来るようになり、
これは後々、とても助かりました。
◆アナの子猫たちの保護と卒業◆
母猫・リンの捕獲から3日目。
IKさんは、もう1匹の母猫・アナの子、
長毛キジトラのエルとフィルと保護しました。
ノルウェージアンフォレストキャットのような
ゴージャスな毛並みの美しい子猫達です。
保護から数日はシャーシャーでしたが、
まだ2ヶ月過ぎのきょうだい子猫です。
人慣れには時間もそうかからないだろうと、
すぐに里親募集を始めました。
可愛らしい容姿の子達ですから、
複数のお問い合わせがありました。
お見合いもさくさくと進み、
保護から1ヵ月後の9月9日、
2匹とも、安心してお任せ出来る里親さま方に
貰われていきました。
エルの里親さまは、市内にお住まいのAIさんです。
素敵にリフォームされた和風の1軒家で、
先住猫のこむぎちゃんと暮らしていました。
このこむぎちゃん、IKさん宅のすぐ近くにある、
酒屋さんから譲り受けた保護猫だったそうです。
エルの性別が診察の度に変わり、里親募集時は男の子でした。
これまで♀ばかり飼ってきたAIさんは男の子を迎えたいと思い、
男の子で募集をしていたエルにお申し込み下さったのですが、
なんとエルはお届け後に、女の子だったとわかりました。
それでも、AIさんはエルを温かく迎えて下さいました。
エルはこきびという名前になりました。
数週間もすると、先住猫・こむぎちゃんも、
エルを優しく受け入れてくれたようで、
寒い季節には、同じ模様の猫団子です。
AIさんは、また、ご自宅の庭で、TNR後の猫2匹を
お世話をして下さっています。
フィルは江戸川区にお住まいのOさん宅の、
4匹目の飼い猫になりました。
猫さん達の他に、わんちゃんも3匹。
Oさんも、ご両親も若々しく、
動物好きな温かいご一家です。
昨年秋にねこ藩がイベントに参加した際には、
AIさん、Oさん共にお手伝いに駆けつけて下さいました。
◆さらに子猫3匹の保護と卒業◆
エルとフィルの保護から1ヵ月、そして、
エルとフィルが卒業する日の前日の2019年9月8日。
IKさんは、3匹の真っ黒い子猫達を捕獲しました。
リンの子・ロンと、アナの子・リルとイルです。
3匹のうち、リルだけが、半長毛の黒猫でした。
他の子達が部屋で自由に過ごす間、
真菌症状が出ていたイルだけはケージに隔離。
完治までの長い間、1匹だけの囚人生活が続き、
少し可哀想ではあったのですが、
同じ場所で多頭が暮らす状況では、
感染を防ぐためにも、
病気の猫を隔離することが必要になります。
当初は、ねこ藩のHPと里親募集サイト「ネコジルシ」に
募集掲載をしていたのですが、
条件に合う方からの問い合わせがありませんでした。
ふくねこ屋さんの譲渡会にも一度参加してみましたが、
その回は来場者も少なかった上、
こちあにお尻ばかり向けている2匹は
あまり人目を惹かなかったようで、残念賞。
年が明けてから、地域の掲示版的サイト「ジモティ」に
黒猫軍団を一気に掲載してみました。
「ジモティ」からの問い合わせは非常に多いのですが、
大半は、「保護猫を迎える」ということについて、
あまり深く考えていない方々が多く、
譲渡の流れや、条件を熟読せずに応募してきたり、
飼育方法に問題があったりすることも多々あり、
他の2サイトでの応募状況が芳しくない際の、
里親探しの第三の手段=「ジモティ」と
考えて、利用するようにしています。
予想通り、そのジモティからは、
次々と里親希望のお問い合わせが来ました。
文面や文章から、常識的でないと判断せざるを得ない方、
後々のことまでよく考えていないと思われる方、
気軽に応募してくる未成年の学生の方。
問い合わせ内容と対応を基準に、
失礼な言い方ですが、ふるいにかけて絞ります。
その結果、2組の方々とのお見合いが進みました。
リンの子・ロンは、市内の一軒家で、
ご友人と共同生活を送っている20代のKSさんが、
3匹目の飼い猫としてロンを迎えて下さいました。
保護から約6ヶ月経過していましたので、
子猫というより、既に成猫の体格です。
お若いお二人ですが、トライアル開始の日に、
ロンが落ち着くまでの保護部屋と
手作りのケージの用意をして下さっていました。
時々、InstagramにKSさんがアップして下さる画像で、
ロンの近況、先住猫さんとの仲の良さがわかります。
黒猫ロンは、「もずく」という名前になりました。
アナの子・リルとイル、2匹一緒。
こちらもお見合いからお届け、トライアル開始と、
とんとん進んでいくはずでした。
2匹の里親希望者Sさんは、お見合いの際に、
このように説明されていました。
先住猫さん2匹がいること(きょうだい)、
都内の一流企業にお勤めであること、
1日の長い時間留守であっても、
同居のお姉さんが常に家にいること。
持ち家で一軒家であること、
また、里親希望者さまへの質問書に記入いただいた
回答にも特に不安な点が見られなかったこともあり、
早速、トライアルを開始することになったのです。
後から思えば、お見合いに同行していらしたお姉さまが
実年齢とはかなりかけ離れた老けこみ方で、
清潔感に少々難…のように見受けられましたが、
それを突っ込んで質問するのも失礼かと思いましたし、
そこを問題視するのか、と問われれば、
確かに、譲渡条件の中では「見かけ」について
言及している文言はありません。
お見合いから2週間後の週末、2匹をお届けに、
IKさんと一緒にSさん宅に伺いました。
駅から離れた、高台にあるSさんの住宅。
年数は経っていそうでしたが、外観は普通。
お庭はきちんと手入れされているという状態ではありませんが、
雑草だらけ・荒れ放題という訳でもありません。
「今朝、大量に荷物が届いたばかりなので、
足の踏み場がないですが、どうぞ。」
そう言いながら、Sさんが玄関を開けた時、
あり得ないい光景が目に飛び込んできました。
何ですかこれは!?
今朝、届いたという箱詰めジャムが5-6ケース、
玄関の三和土に積まれていましたが、
そんなものよりも、玄関、廊下、階段とぎっしり
秩序無く積まれた物・物・物!
生活雑貨、食料品、ペット用品、紙製品。
購入はしたものも、そのまま置きっぱなしという状態です。
階段の両端にも物がびっしりで、真ん中部分に、
かろうじて人が通れるだけの細いスペースがありました。
同じものが大量にまとめて購入され、
放置されていることに不自然さを感じました。
「あの、どうしたんですか?この状態は?
ちょと住みにくくないですか?」
と質問すると、Sさんは答えました。
「そうなんですよ。もう置き場もないから積んであります。
そのうち、そのうちと思っていたら、こんなになって。
今度の5月のGWにきちんと片付ける予定ですから。」
私達は2階にある猫の部屋に案内されました。
家の中に入り、階段を上がる際、
あちこちに目をやりましたが、
1階も2階も、全ての部屋が、
廊下と同じ状態だと推測できる光景でした。
猫部屋の隣にも2つ部屋がありましたが、
物だらけで、部屋の扉が閉められないどころか、
部屋の中にも入れない程、箱で埋めつくされていました。
Sさんは、事前に猫部屋の画像を送って下っていました。
画像の部屋は、ごく普通の部屋にしか見えませんでしたので、
まさかその部屋の外=家の中がこのようになっているとは
考えもしませんでした。
物にぶつかりながら、やっと辿り着いた猫部屋は、
家の中の他の場所に比べるとすっきりと見えましたが、
きちんと手入れの息届いた部屋とは思えません。
部屋の広さは6畳くらいで、家具と言えば、
本棚と箪笥と鏡台があるだけですが、
部屋の中にところ狭しと、
プラスチックの衣装ケースが20個近く、
仕分け方法不明の状態で置かれていました。
トライアルの際に必要な2段ケージは、
IKさんがSさんに貸し出すことになっていましたので、
この日、持参しましたが、
衣装ケースだらけのその床には、
ケージを置くスペースさえ確保されていませんでした。
「これとこれを積み上げて、端っこに寄せれば、
ここにスペースが出来ますが、どうでしょう?」
とSさん。
3人で、衣装ケースを壁に側に積みあげ、
空いたスペースに持参した2段ケージを組み立てました。
この時点では、私はまだ、Sさんの、
「GWに全部片付けるつもりだ」
という言葉を信じていましたが、
全ての片付けが終わるまでトライアル開始は延期し、
あらためて猫をお届けにくるべきではないかと、
考え始めていました。
「Sさん、ケージ内に敷く、
マットのような物ありますか?」
Sさんは衣装ケースのひとつから、
ペット用の敷き物を取り出しました。
ケースの中には同じ敷き物が10枚以上、
大量の蚊取り線香とスティックコーヒーの箱も
同じ衣装ケースに入っていました。
この部屋の中には先住猫さん2匹がいて、
家具の陰に隠れていました。白猫2匹です。
部屋にはエアコンはあるものの、
西と南にある窓にはカーテンがありません。
「カーテン無しでは、西陽が差し込んで暑くなったり、
冬は冷気が入ったりして寒過ぎるのでは?」(私)
「エアコンがあるから大丈夫でしょう。
この子達ももう何年もこの部屋で暮らしていますから。」(Sさん)
床くらいはと、当日の朝、慌てて掃除したのでしょう。
掃除機も使いっぱなしのまま、床に置いてありました。
部屋は埃っぽく、何となくカビ臭さも感じました。
Sさんが毎日2時間以上もかけて、
こんな山奥のような場所から、
都心の企業に通勤している理由は、
施設に入っているというご両親と、
同居している無職のお姉さんの為?
唯一の大黒柱としての役目が忙し過ぎて、
家のことまで手がまわらないのだろうか。
このゴミ屋敷のような状態を、Sさん一人で
5月のGW仲に何とか出来るとはとても思えませんでしたが、
猫達が暮らす保護部屋がきちんとしているのであれば…
…とも考えて、ケージを運び入れて設置しました。
しかし、その猫部屋さえ、掃除が行き届いていない。
話を聞けば聞くほど、あちこちに目をやればやるほど、
Sさんとこの家の状況に対する不信感は増していきました。
そして、会話の中で、Sさんが口にした
3つの事実が決定打となりました。
◆「朝は起きてそのまま仕事に行くので、猫部屋には入らないし
猫には会わない。」
トイレが汚れていようが、嘔吐物が床にあろうが、
夜、帰宅するまで確認しないということですね。
もしも猫の具合が悪かったりしたら、どうするんでしょうか。
◆「猫達はこの部屋だけ。犬は1階の犬部屋だけ。
お互い会ったこともありません。」
犬がいるとは初耳です。質問書の「ペットはいるか?」に
対する回答は「猫2匹」でした。
◆「私は物をたくさん買うとそれで満足するので。」
これは病気です。普通の感覚ではありません。
たとえGWに全てを片付けたとしても、
きっとまたすぐに、買っては放置を繰り返すでしょう。
だめだこのひと。
この日、2匹の医療費をお支払いいただく約束で、
事前に金額をお伝えしていたにも関わらず、
Sさんはお金の用意をしていませんでした。
「ちょって待っててもらえます?
今からゆうちょに行ってきますので。」
そう言ってSさんは出かけて行きました。
私は一応、保護主であるIKさんに訊ねました。
「どうする?これはかなり酷い状況じゃない?
改善するとは思えない。」
「やめましょう。」
Sさんが出かけている間、
私とIKさんはリルとイルをキャリーに入れ、
ケージをせっせと分解して車に積み込みました。
いったいどこの国のゆうちょ銀行に行っていたのでしょう。
しばらく待った後、やっと戻って来たSさんにこう伝えました。
「Sさん、今回のお話、無かったことにして下さい。
お家の中の状況にしても、猫部屋にしても、
これはもう普通ではないと思うんです。
猫に幸せなってもらいたくて保護しているので、
その猫をこの環境に置くことはちょっと出来ません。」
Sさんはどこか感覚が麻痺しているんでしょうか。
明るい声でハキハキと返事が返ってきました。
「ああ、はい、わかりました。そうなんですね。
来ていただいたのにすみません。」
里親さまのお宅を拝見した上で、
飼育環境を理由にこちらからお断りしたケースは、
ねこ藩では、これが初めてでした。
後で知人に相談してみたのですが、
Sさんは買い物依存症の疑いがありそうです。
欲しい・欲しくない、は全く関係なく、
同じものを大量に買い込むことを繰り返す。
そして購入するだけで満足する。使わない、放置する。
あの家の状態からして、最近始まったことではないでしょう。
Sさん自身は、それが病であることに気付いていないのかもしれません。
そしてそれを放置したまま、片付けを手伝うこともなく、
ゴミ屋敷の中で同居しているお姉さまもまた異常だと思いました。
帰宅後、すぐにリルとイルの里親募集を仕切り直しです。
翌日には市内在住の女性・NTさんから応募がありました。
じゅんちゃんという飼い猫さんが年末に亡くなり、
新しい猫を迎えたいとのこと。
じゅんちゃんが1匹で寂しそうだったので、
今度は2匹一緒に飼いたいとお考えでした。
前出のロン同様、こちらの2匹もほぼ成猫サイズですが、
NTさんは2匹を気に入って下さいました。
お見合いから2週間後、
2匹はNTさん宅でトライアルを開始し、
その後、正式譲渡になっています。
2匹をお届けしてから1ヶ月後、
IKさんと一緒にNTさん宅を訪問しました。
NTさんとの暮らしにだいぶ慣れてきたようです。
半年以上もお世話をしたIKさんの姿を見て、
隠れてしまった2匹を見ると、
NTさんの飼い猫になりつつあるんだなと感じました。
◆最後の子猫の保護と卒業◆
リンの子・レンが捕獲出来たのは、9月17日。
最初に母猫のリンを保護してから、
既に1ヵ月と2週以上が経過していました。
一緒に育った子猫達が先に保護され、
約10日間、1匹だけ外に残っていたレン。
エル達の母猫・アナが側にいたとは思いますが、
遊び相手が消え、子猫ひとりになってしまって、
寂しかったことも関係しているのかもしれません。
レンは保護後、人慣れが割と早く進み、
甘えん坊の片鱗を見せていました
レンは、12月2日に市川市役所主催の「猫の譲渡会」に参加し、
ご縁が繋がりました。
2017年冬に、近所に住む若い女性AYさんが保護した子猫・
あみちゃん(現ももちゃん)を貰って下さった松戸市のOさんご夫妻が、
2匹目の飼い猫として、レンを迎えて下さいました。
レンは黒系統の多い子猫達の中で、唯一白系統の子でした。
白黒ハチワレ猫のももちゃんと色違い、白灰ハチワレです。
ももちゃんと仲良くなり、猫団子にまるまでに、
そう時間はかかりませんでした。
◆母猫リンの卒業◆
一番最初に捕獲したリンは、
子猫達全員の卒業を見送った後、
一番最後に卒業していきました。
人慣れして扱いやすいとは言い難いリンでしたので、
譲渡には時間がかかるかも…と覚悟はしていましたが、
やはり黒猫というのは人気があるようで、
お問い合わせは何度かいただいていました。
その中で、「貰われにくい保護猫を迎えてあげたい」という
Aさんとの出会いがあり、
市会議員さんご夫婦Kさんの保護猫・コリーナと
一緒に卒業していきました。
リンに関しては、こちらをご覧下さい。
6月12日のブログ
「一石二猫:③家庭内野良は野良猫じゃない。~完結」
こうして、母猫1匹+子猫たち6匹=計7匹の路地猫達が、
IKさんの手を離れていきました。
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猫嫌いの1世帯に嫌な思いをさせられて、
居場所のなかった猫一家たちでしたが、
アナを除く全頭が路地から姿を消しました。
とりあえず、TNR済みのアナはこのままで、
いつか余裕が出来たら、状況によっては、
アナを保護することを考えましょう。
IKさんとはそのように話をしていましたが、
アナのことは常に頭の中にありました。
1匹だけ残ったアナ。
水をかけられたりしていないだろうか。
変な薬をまかれていないだろうか。
地域猫現場としては、あの路地は、
理想的な規模の場所だと思うのですが、
当初の2家族合計8匹はちょっと多かったかもしれません。
IKさんが保護に踏み切って下さって大正解です。
せめて残ったアナが、住民の皆さんに可愛がってもらい、
長く生きていけますようにと願っていましたが、
気になるのは、やはりあの猫嫌いのご夫婦です。
なぜ、この路地が地域猫現場として
成り立たなかったか。
他の住民達が結託して、猫嫌いのご夫婦を説得し、
ご夫婦が不快な思いをしなくて済むように、
糞尿の始末を含む地域の掃除を当番制で行い、
衛生的に保つ努力をする。
そこまでしなかった(するつもりはなかった)理由は何だろう。
たった1軒の為に、諦めてしまった理由は何だろう。
猫達にご飯をあげて可愛がっていた住人の方々の心の中に、
「野良猫に餌をやることはいけないこと」という罪悪感、
してはいけないこと、しない方がいいことを、
こそこそと行っているという意識があったのだろうか。
1軒のお宅の、野良猫を拒絶する態度の方が正論と考え、
餌やりを諦めることにしたのだろうか。
あるいは、猫達にご飯をあげていた皆さんが、
とても他人想いの優しい方達で、
たった1軒であっても、猫の嫌いな方がいるのだから、
その方の為にやめた方がいいという結論に達したか。
同じ路地に居を構える住民同士。
猫の好き嫌いを巡っての揉め事に発展することを恐れた。
これではないかと私は思います。
発言力のある人、リーダーシップを備えた人が、
餌やり住民側にいたら、また状況は変わっていたでしょう。
実際のところ、住民達の間でその後、
どういうことになったのかはわかりませんが、
先日、IKさん宅に届け物をした帰りに、
隣の路地を除いてみました。
ご飯と寝床を用意して下さっていた、
餌やりさんのお宅の門の内側で、
アナがのんびりと寝そべっていました。
「アナちゃん?」と呼んでみると、
ニャーと返事をして、むくっと起き上がりました。
水色の可愛い首輪をつけてもらっています。
首輪を装着出来る程、人に慣れたんですね。
ご飯もしっかり食べているようで、
体格はふっくらとして、健康的に見えました。
1年前に路地にいた猫は8匹。
猫嫌いのご夫婦が、水をかけたりして、
路地の猫を嫌がっていたのは、
その数の多さも関係していたと思います。
8匹と1匹では、糞尿の量が断然違う。
もしかしたら、路地の猫がアナだけになったことで、
子供を産まない猫1匹くらいなら・・・
ご近所さんが可愛がっているのだから・・・
とご夫婦の態度が軟化したのかもしれません。
(と期待したいところ。)
これは他の場所に当てはめて考えられそうです。
野良猫問題に発展しかかっている住宅街の一角であっても、
管理出来る頭数の猫だけに、その数を減らせれば、
地域猫の場として成立する可能性は大いにあると思います。
全ての猫を室内に保護することは出来ないのだから、
地域猫という形での、人と猫との共存が、
もっと認知され、広まっていくことを痛切に願っています。