市役所から問い合わせの連絡が来ました。

 

Hさん(私)の方で黒猫を保護していませんか?
Hさんと同じ町内にお住まいの方の家から、
飼い猫が脱走してしまったそうです。
この地区のボランティアさんが、うちの猫を
保護してくれているかもしれないので、
そのボランティアさんに聞いてみてもらえませんか、
という問い合わせがありました。

という内容。

 

 

市役所を介するとややこしいですし、同じ町内ということもあり、
その住民の方に私の連絡先を伝えていただくように、
と同時に、許可を得た上でその方の連絡先も
私に教えてくださいとお願いをしました。

 

その日、そして次の日、また次の日。
その住民の方からの連絡がありませんでしたので、
用事のついでにその方のお宅を訪問してみました。

 

交通量の多い通りに面したその一軒家に、
Yさんという30代くらいの男性が、お母さまと一緒にお住まいでした。

突然の訪問に特に驚いた様子もなく、
淡々と脱走の経緯を話して下さいました。

 

 

 

 

 

 

脱走対策は特にしていなかった。
これまで脱走するような行動を見せたこともなかったのに、
ある日、玄関を開けた際、開いたドアの隙間から出てしまった。
それ以来、まったく姿を見ていない。

警察への届け出、市役所清掃課への回収記録の問い合わせは
既に済んでいました。

自宅まわりにいないので、もしかしたら、
この地域にいるボランティアさんが保護したかも・・・
と思ったということで、市役所自然環境課に連絡をしたそうです。

 

 

 

話を伺いながら、私はとても暗い気持ちになっていきました。

 

 

 

 

【その1】
ララちゃんという飼い猫さんは黒猫で、赤か黄色の首輪をしている。

赤か黄色・・・なぜ首輪のデザインが断定できないのだろうか。

【その2】
脱走以来、脱走した玄関近くに水もフードも全く置いていない。

脱走した猫はしばらく自宅のすぐそばにいることが多いので、
その間、食いつないでもらう為、そして、
その場所に引き留めておくために、通常は必ずフードと水を用意します。
ララちゃんが外にいる間、食べられているかどうか心配ではないのか。

 

【その3】
捕獲器を貸し出すので、捕獲器内にフードを入れて設置する、
という提案に対し、「検討します」。

集合住宅ではあなく一軒家ですから、捕獲器の設置は簡単。
何を検討するというのか。

 

【その4】
とにかく自分の足で歩いてまわり、探してみることという提案に対し、
自分も母親も仕事があるのでという返答。
手っ取り早くペット探偵にお願いしたらどうかという提案に対しても、
「検討します」。

じゃ、誰が飼い猫を探すのか。

 

 

【その5】
迷い猫のチラシを作って自治会開示版や自宅近所に貼りだすこと。
チラシが作れないのであれば、仲間のKさんに頼んで作成してもらう
という提案に対しても、「検討します」。

脱走からすでに1週間以上が経過しているので、急いだ方がいいはずだし、
「脱走している猫がいる」「その猫を探している飼い主がいる」
という情報が地域で共有されないことには、情報もなかなか入ってこない。

飼い猫が脱走したことを他人に知られるのが嫌なのか、
あるいは他の方々との接触が嫌なのか。

 

 

 

 

 

「Hさんの方に何か情報が入ってきたら、教えて下さればそれでいいです」
結局、ララちゃん捜査は、私に入ってくる情報頼み。

この地域でボランティア的なことを初めてからもう10年になりますが、
それでも存じ上げているのはごく一部の住民です。
エリア内の地域猫現場、外猫の世話をしているお宅、
出入り自由の飼い方をしているお宅等、
猫関連情報だって、全てを網羅しているわけではありません。
私の耳に入ってこなければ、それまでのこと。
だから、「ララちゃんという飼い猫が脱走中」という情報は
この地域内に拡散しなければ、情報は簡単には入ってこないでしょう。

1週間後、「検討中」の件はどうなったか聞いてみると、
自分で出来る範囲で探すので、提案全て却下、でした。

飼い猫が脱走した際の、飼い主さんの行動は様々だと思いますが、
ほとんどの場合、皆さん必死です。
絶対に探して連れて帰るという気持ちで一生懸命です。

その熱意をYさんから感じ取ることはできませんでした。

飼い猫が逃げちゃった。何か知りませんか。
知らない?あ、そうですか。おしまい。

ということなんでしょう。

もちろん、普段出歩く時には、私も注意してあちこち見るようにしていますが、
ララちゃんと思われる猫を目撃したことは一度もありません。
Yさんのすぐ近くに住んでいる知人3名にもこの情報を伝えましたが、
彼女たちも全く見ていないそうです。

 

 

 

これは2023年8月の話です。
ララが見つかったらまたお知らせしますと
Yさんはその際におっしゃっていましたが、
以来、何の連絡もきていませんので、
まだ見つかっていないのだと思います。

昨年最後にお話しした時に、私はこのような話をしました。

ご存じないかもしれませんが、
この地域には猫問題に対して意識の高い方々も結構います。
皆さん、自費で飼い主のいない猫の不妊手術をしたり、
自宅の敷地で地域猫の世話をしたり、
地域猫だった猫を飼い猫として室内に迎え入れて下さったりしています。
そして、やってきた結果、野良猫と言われる猫はほとんどいなくなり、
ほとんどの猫達が地域猫や外猫となっています。
Yさんがわざとララちゃんを外に逃がしたわけではありませんが、
そういう地域に脱走猫を放置しておくということは、
他の方々が苦労して減らしてきた外の猫達を増やすことにもなります。
もともとの野良猫が生んでしまった猫だけではなく、
引っ越しで外に置いていかれたり、
脱走してそのまま外いる猫も、結局は野良猫になっていくんです。
だから、1日も早く、ララちゃんがお家に帰るように努力をしてみて下さい。
私も早くララちゃんが見つかることを祈っていますので。

きつい意見かもしれません。
でもきちんとお伝えしておくべきだと思いました。

 

普通、この界隈で脱走猫が出たりすると、
このブログやInstagramを使って、情報を拡散していますが、
このララちゃんの件に関しては、何もしていません。
飼い主さんの同意を得ていないからです。
なので、おおっぴらにはしませんが、
こういうケース、こういう飼い主もいるのだということを
記録してとどめておくことにします。

 

全ての迷い猫がお家に戻ることができますように。