4月2日のブログに書いた脱走猫ララちゃん宅から通りを挟んで見える集合住宅に、
Kさんというご夫妻がお住まいです。
Kさんはもうだいぶ前からご自宅周辺の野良猫達のTNRを行ってきました。
その噂を聞きつけた住人達から、こっちにいる猫も手術をしてほしいと頼まれれば、
捕獲器持参で伺い、Kさんご自身が全ての費用を負担することも多かったと聞いています。
2017年~2018年の冬にかけて、私は町内の未手術の猫達を1匹づつTNRしていきました。
その時、近所の森本さんの依頼で1匹TNRして下さったのが、Kさんです。
その1匹は白キジの男の子で、後にソルトという地域猫として、
ご近所の方々にご飯をもらい、可愛がられるようになりました。
(人馴れしていた地域猫ソルト)
ソルト捕獲については、
https://nekohan.jp/archives/7961内の◆猫好きなスミさんと、Kご夫妻◆に記載があります。
Kさんご夫妻はご自宅周りで地域猫のお世話をされていますので、
お腹がすいたララちゃんがそこに現れる可能性もあると思い、
ララちゃん脱走の顛末を伝えておきました。
ある日の夕方、Kさんから、連絡がありました。
「地域猫の1匹がちょっとした怪我をしているようなので、
病院に連れて行こうと思い捕獲器を仕掛けたら、
見たことのない黒猫が入ってしまいました。
これ、ララちゃんじゃないですよね?」
ララちゃんの飼い主さんにすぐ連絡をして、
Kさん宅まで見に行っていただきましたが、違う猫でした。
(捕獲器にすんなりと入ってしまった黒猫)
「せっかく捕獲器に入ったのだから、未去勢未不妊ならば手術し、
ワクチンを打ってリリースしたいです。」
Kさんは車をお持ちでないので、我が家の車で、
急な捕獲にも対応して下さる獣医さんのところに行くことにしました。
その晩は家人が車を使うというので、
黒猫さんには捕獲器ないで一晩待ってもらい、翌朝病院へ。
結果。
3才以上、体重4.9㎏。
去勢済の男の子。
耳カットはない。
Kさん宅玄関内でひと版、悲痛な声で鳴いていたということもあり、
これはもしかしたらどこかの飼い猫か、人に慣れた地域猫とか外猫ではないだろうか・・・。
*警戒心の強い生粋の野良猫は鳴かず音もたてず、捕獲器内でじっとしていることが多いです。
いちかわ市民まつりの際にねこ藩のブールに立ち寄って下さった、
県の動物愛護推進委員の川田さんに、
1週間ほど前にKさんが捕獲した黒猫の件をお伝えしました。
川田さん宅とKさん宅は同じ通りにあり200メートルの距離ですし、
川田さんもKさんご夫妻のことをご存じです。
「その件、ちょっと待ってて。あたってみます。」
川田さんには、心当たりがあるような口調でした。
数日後、Kさんが捕獲した黒猫の正体が明らかになりました。
川田さん宅からも、Kさん宅からも近い場所に、
代田さんという高齢の方がお住まいで、
少し前にその代田さん宅から黒猫が脱走していたということでした。
チラシを貼るわけでも、どこかに問い合わせをするわけでもない。
それでは、猫が脱走したことなど他人にはわかりません。
川田さんは代田さんをご存じでしたので、
「もしかして・・・」と思われたのかもしれません。
Kさんがリリースした後すぐに、その黒猫さんは無事、
代田さん宅に戻っていました。
一件落着、とそこで終わりそうでしたので、
ちょっと待った!
捕獲した際、駆虫代、ワクチン代、鎮静代がかかっていますよ~!
と川田さんから代田さんに伝えていただき、
代田さんはその後、Kさんに代金を支払ったそうです。
「張り替えたばかりの網戸を破って外に出てしまった」と
代田さんはおっしゃっていたそうですが、
張り替えたばかりだろうが、古くて穴が開いていようが、
そこは全然問題じゃない。
それぞれの猫に合った脱走対策、
そして何といっても、飼い主の意識が大切なんです。
いくら完璧な脱走対策をしても、
「これでも大丈夫」と過信、慢心した飼い主が、
少しでも注意を怠たれば、脱走は起こります。
我が家も、一回の掃き出し窓は、
絶対に破れないという強力な網戸に張り替えて
猫が開けられないように網戸ロックもつけていますが、
これで完璧な脱走対策かと聞かれれば、恐らく20%くらいでしょう。
残りの80%は私達の意識です。
この1-2年の間、私の住むエリアでは「迷い猫探し」がとても多いように感じます。
飼い猫を守れるのは飼い主だけです。
飼い主のみなさま、気をつけてあげてくださいね。
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【後日談】
Kさんの捕獲器に入ってしまった黒猫は、
実は飼い猫ではなく、預かり猫だったそうです。
ねこ藩の過去のブログに何度も登場している、ベテランボランティアの三木さん。
ボランティア歴はもう軽く20年を超えるでしょう。
彼女がTNRした猫の数はいったいどのくらいになるんでしょうか。
市川~本八幡エリアの猫問題に、多大なる貢献をされてきた方ですが、
私はボランティア活動するにあたって、彼女を反面教師としてきました。
キャパシティー以上のことを当たり前のようにやってしまう。
高圧的な態度をとったり、感情的になって大声で口論する。
請負業者のように、猫をほいほいと保護してしまい、
経済的に立ち行かなくなるとわかっていても、
医療費もフード代も自分が支払うからお願い~と
他人に猫を任せっきりにしてしまう。
そして、そのことをすっかり忘れてしまう。
(忘れてはいないのでしょうが、結局、お金が払えないから、
預かりさん宅から足が遠のいてしまうのだと推測。)
三木さんから、リリースできない白血病陽性の猫や、
腎不全その他の疾患持ちの猫を10匹以上預かったままの方もいますし、
里親探しをしなかったために、子猫が成猫になり、シニアになり、
もう何年も預かっている方々もいます。
川田さんもそのうちのひとり。
代田さんもそうです。
黒猫を預かったはいいけれど、里親も見つからず、もうずっとそのまま。
もう時間が経ってしまったから、黒猫は預かり猫ではなく
代田さんの飼い猫に昇格したと三木さんは思っているのかも。
真意はわかりませんが・・・。