さくらちゃんが亡くなりました。
3才と数ヶ月の短い一生でした。
くりこ(002)がまだこの地域の野良猫だった2013年夏、
3匹の子猫を産みました。キジトラ2匹と、白キジ1匹です。
ジャングル屋敷手前にある駐車場で、母猫のくりこが
生後3ヶ月程になる子猫達を遊ばせているのを何度か見かけました。
そのうち子猫達の姿は消えました。
(後でわかったことですが、子猫は4匹いたそうです。)
それから1年が過ぎ、1匹の白キジが我が家の庭を歩いて横切るようになりました。
子猫の頃撮影しておいた画像数枚はあまり鮮明ではありませんでしたが、
白キジが勝手口を通るたび、画像と見比べて柄の出方をチェックしました。
そして、その白キジがあの時の子猫ではないかと思いました。
私はその子を斎藤くん(007)と呼びました。
近所のどなたからご飯をもらって無事ここまで育ったのでしょう。
しっかりと大きくなり毛並みも毛艶もよく、健康そうでした。
その頃我が家の勝手口に設置した猫ハウスにはくりこが住んでいました。
他の猫が通りかかるとくりこは唸ったり、また逃げたりしていましたが、
この斎藤くんに対しては通過を許容しているようでした。
時には鼻先を突き合わせて挨拶したりして、
この2匹の間にトラブルはありませんでした。
我が家の勝手口に来た斎藤くん
半年ほど経ったある日、近所の路上で、斎藤くんが、
他のオス猫と一触即発状態になっているのを目撃しました。
私は斎藤くんに、ケガや病気と無縁で、
長生きしてもらいたいと思っていましたから、
去勢手術を受けてもらうことにしました。
猫エイズキャリアの確率が高い、この地域のオスですが、
血液検査の結果、斎藤くんはエイズ・白血病共に陰性でした。
ワクチンを含め、その時に出来る医療行為は全て行ってから
斎藤くんをリリースしました。
その後、我が家から50メートル程向こうに住む70代のMさんが
「さくらちゃん」という外猫の世話をしていることを知りました。
Mさんと他の場所でお会いした時に、外猫さくらちゃんの話を詳しく伺い、
さくらちゃん=斎藤くんであることがわかりました。
さくらちゃんは実はオスなんだけれど…と告げると、Mさんは、
「あら!でも、もうオカマちゃんなんだからちょうどいいじゃない」
とおっしゃっていました。
さくらちゃんにワクチンを打ってリリースしてから、1年経った頃でしたか、
何かの折にMさんにこう伝えておきました。
「あの子はこの辺のオスにしては珍しく、猫エイズ陰性なんです。
健康でいてもらう為にも、出来れば猫エイズワクチンを打ってあげて下さい。
Mさんが行けないのなら、キャリーに入れていただければ、
私がさくらちゃんを病院に連れて行きますから。」
Mさんが可愛がっている外猫ですから、あまり口を出さない方がいいと思い、
その後、その件には触れませんでした。
さくらちゃんはあまり我が家の方まで足を延ばさなくなりましたが、
Mさんが時々、さくらちゃんの様子を教えて下さったので
元気にしているんだなと安心していました。
1月末でしたか、菅野さん経由で、
「先日、さくらちゃんが突然部屋の中で大量の粗相をした。
その後、出て行ったきり、行方不明になった。」
という話をききました。
ずっとさくらちゃんをみてきたMさんには、何か感じるものがあったのでしょう。
「あれはさくらちゃんの私達へのさよならだったと思う」と言い、お線香を炊いたそうです。
私は「そうかしら?」と思っていましたが、
2月5日の朝、菅野さんからの連絡によって、さくらちゃんの死を知りました。
Mさん宅から路地を挟んだ向かい側にあるお宅の裏で見つかったそうです。
さくらちゃんは枯れ葉の山の下にひっそりと隠れるように身を横たえていました。
Mさんはその亡骸を荼毘に付し、遺骨を自宅に持ち帰りました。
どうして突然亡くなってしまったのか、今となってはもうわかりませんが、
さくらちゃんは幸運な子だったと思います。
野良の子として生まれ、他のきょうだい達はいなくなっても、
さくらちゃんはこの生まれ故郷で生き延びて大きくなりました。
Mさんと知り合い、外猫として可愛がってもらえて良かったです。
さくらちゃん、さよなら。