この地域に生息する「飼い主のいない猫」の
不妊手術を進めていきましょう。

これは「ねこ藩」の本来の活動主旨で、
「ねこ藩」とはプロジェクト名です。

 

私の住む○丁目、隣の○丁目の一部、反対側の隣の○丁目。
この地域はかなりの世帯数になりますが、
不妊手術済の猫の数は緩やかに、確実に増えています。
全ての路地に入りこみ確認しているわけではありませんが、
時々、情報があちこちから入ってきます。
未不妊の野良猫だらけで大変なことになっている、
というような場所は、今のところ耳にしません。
(私が知らないだけで、実はあるのかもしれませんが。)

野良猫(飼い主のいない猫)を見かけると、
その猫が「オスなのか、メスなのか」を、
その耳には「カットが入っているか、カットがないか」を
注意して観察する方々も、増えてきたように思います。

見たことのないメス猫が現れたりしたらもう大変。
「早く捕獲して手術をしなくては。」
「出産前に捕獲して、堕胎しなくては。」

堕胎に関しては賛否両論あると思いますが、
お腹の大きいメス猫を捕獲した場合、
堕胎を選択するボランティアさん達は多いと思います。

 

自然に任せて産ませてあげたらいいのに。
人間が勝手にそんなことしてもいいの?
お腹の中で育っている子猫がかわいそう。
子猫を奪われてしまう母猫がかわいそう。

私もそう思うことはあります。
但し、それは、メス猫の繰り返す出産により
野良猫の数が増えている状況を、
許容するような世間であれば、の話だと思います。

現実はそうではない場合がほとんど。
生まれた子供をまとめて袋や箱に入れ、保健所に持ちこむ、
あるいは生ゴミと一緒に捨てたり、川に流したり。
数年前には、教え子である生徒に命じ、地面に掘った穴に
赤ちゃん猫達を生きたまま埋めさせた高校教師もいました。

 

 

2016年5月 餌やりさんの現場で未不妊のメスから生まれた子猫たち5匹

2016年11月 段ボールに入れられ、捨てられていたつるちゃん

2017年5月 スーパーのレジ袋に入れられて遺棄された子猫たち5匹

2017年7月 未不妊の置き去り猫が産んだ赤ちゃんたち5匹

2018年9月 未不妊の野良猫が産んだ子猫たち4匹

 

例えば、50000人が住む町に、2匹の野良猫(オスとメス)がいて、
メスが1年に1回だけ、1匹の子猫を産んだら、
住民達の癒しになり、可愛がってもらえるだろうし、
飼いたいという希望者による争奪戦になるかもしれません。
しかし、そんな状況はまずないでしょう。

メス猫は年に2-3回出産し、1度に産む子猫の数も3-6匹。
未不妊のメスが複数いれば、1年後には、
あっという間に軍隊が出来ます。

 

メスの野良猫を見たら、繁殖を防ぐ為に、まず手術。
そんなことをしていたら外に猫がいなくなってしまう?
それは今のところないと思います。

不妊手術を進め、生まれてしまった子猫の保護を続けていれば、
外にいる猫の総数は少なくなっていることは確実ですが、
それは新しい猫が流入して来ない、ということ前提です。
残念なことに、そして、はらただしいことに、
引っ越し・その他の理由で未不妊の飼い猫を
外に置いていく=捨てる人間はいなくなりません。
また、不妊手術を一切せず、増えても危機感さえ持たずに、
何年もの間、野良猫を餌付けしている人間もまだまだ多いです。

我が家のすぐ近くにも、そんなどうしようもない男性が1名いて、
彼の尻拭いをさせられている感があります。
自分の意識を変えたり、猫の適正管理を考えたり・・・
そんなこと彼には出来ません。
やる気もないし理解も出来ないでしょう。
「環境保全」なんて言葉を知らないかもしれません。
猫、特に、子猫が大好きなんです。
すごく失礼な言い方をすれば、彼が生きている限り、
あの場所では、延々と繁殖が続きます。

 

私自身は、野良猫をゼロにするべきではないと思います。
猫という天敵がいなくなれば、ネズミ、ゴキブリ、鳥類等、
あっという間に増加してしまう生き物もいます。
その意味では、ゼロではなく、収拾つかなくなるくらいの数ではない、
一定数の地域猫が外にいた方がいいのでは、と常々考えています。

住宅街で、人間と野良猫(地域猫)が共生していく為には、
猫の数が多過ぎてはマズイのです。
猫の数が増え過ぎないように、不妊手術を行い、
手術が間に合わず出産してしまった場合は、
母猫をTNRして子猫を保護する(里親探しを行う)。
それを繰り返していけば、飼い主のいない猫の数を
徐々に減らし、一定数に保つことは可能だと思います。
既に書いた通り、人間の都合で外に置いていかれる、
新しい捨て猫が続々と現れないことが条件ですが。

 

しかし、まだまだそのような理想までには距離がある。
出産シーズンになると、あちこちで子猫が生まれています。
拾われて飼い猫になる猫、ボランティアさんに保護される猫、
人慣れしないまま大人の野良猫へと成長する猫、
そして、猫の存在を迷惑だと思う人間に見つかり、命を絶たれる猫。

2月12日のブログでも書きましたが、
平成29年度に殺処分となってしまった子猫は
千葉県だけで302匹。
センターに持ち込まれた赤ちゃん猫達を
ミルクボランティアと言われる方々がお世話したり、
動物愛護団体やグループが引き出したり、
多くの人達が大変な努力をしていますが、
それでも手が足りず、300匹もの子猫達は灰になりました。

生まれて来なければ殺されることもなかった。
貰い手があれば殺されることもなかった。

 

ボランティアさん達は、とにかく、
子猫を産ませないようにと、
野良猫の不妊手術を日々続けています。

外にいるメス猫が、
未不妊ならば、不妊手術を行い、
妊娠中ならば、堕胎手術を行い、
出産させてはいけないという思いで。

ボランティアの人間だけではありません。
個人の方々でも、そういった意識を持ち、
ご自身で近所の野良猫のTNRをする方は
あちこちにいらっしゃいます。

 

「子猫の時代から猫を飼おうとするのであれば、
ペットショップやブリーダーから購入するのではなく、
行き場のない子猫達を助けてあげてください。
せっかく生まれてきたのだから、
命を祝福して、家族に迎えてあげてください。」

ボランティア活動をしている方は言います。
それでも追いつかず、葬り去られる子猫達。
猫を飼える人の数より、子猫の数が多い。
では、余った子猫はどうなるか・・・。
302という数字をそのように見ていただくことも
大切ではないかと思います。

 

 

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さて、ブログのタイトルが、とても矛盾してる・・・。

 

不妊手術をして繁殖にストップをかけましょう、
とあちこちのお手伝いをしているねこ藩ですが、
2018年9月にご相談メールが届きました。

「8月中旬頃から家に野良猫が寄りつくようになりました。
捕獲して病院に連れて行ったところ、妊娠2週間と言われました。
我が家で出産して欲しいのですが、難しいでしょうか。
子猫の里親探しもしたいです。」

 

( ̄□ ̄;)!!!

産ませるの!?
産ませて子猫の里親探しをするの!?
妊娠2週間なら全然間に合うよ!?

 

巷には子猫がたくさんいるというのに、
そんなことヤメテ・・・・・

自分の都合で言うならば、
堕胎なら1日のお手伝いで済む。
生ませた子猫の里親探しを手伝うとなると・・・

 

よ~く考えて、冷静に誠実に丁寧に・・・。
忙しかったせいもありますが、
返信するまでには数日を要しました。

To be continued ・・・・