2019年3月18日のブログ
産んでもらいます!(2)猫を飼ったことがない一家

 

10月8日に可愛い赤ちゃん4匹を産んだサラは
しっかりとお母さんぶりを発揮していました。
3匹が男の子。1匹が女の子です。

 

 

 

出産から数日経って、ANさんは、
お産で汚れた敷き物を交換し、
家具を他の部屋に移動したり配置を変えたりして、
ご自身の部屋に母子の為の子育てスペースを確保しました。

 

赤ちゃん猫はたっぷりの母乳を飲むことで、
健康に生きていく為に必要な抗体を得ていきます。
出来れば生後1ヶ月なるまで母乳を飲んで育つことが理想。
今回は、サラが片時も離れずに子育てをしていますから、
その点は全く心配ありません。
ANさん親子が、子育てをしやすい環境を整え、
サラの子育てを側で見守っていて下さっています。

 

 

 

 

その頃、私自身も子猫と赤ちゃん猫の保護が続き、
また2つのイベント参加準備に追われていたこともあり、
ANさん宅をなかなか訪問出来ないでいました。
ANさんのお手伝いも出来ていないというのに、
ANさんは市民まつり当日、早朝6時30分に、
開催場所である公園に駆けつけ、
物品運搬・ブースの設営を手伝って下さいました。

 

 

市民まつりが終わり、やっとのことで、
サラ一家に対面することが出来ました。

適度に引きこもれる場所があり、
適度に遊ぶ場所があり、登るものがあり、
ワイヤーラックで仕切られたその場所は、
ショッピングモールなどでよく見かける
キッズスペースのようです。

 

 

どの子も本当に可愛らしいです。
そろそろ生後1ヵ月になる頃でしたので、
かなり活発になってきています。
個々の性格の違いも出てきているようでした。

 

ANさんご一家の長女、つまりANのお姉さんですが、
ご一家で2匹を貰い受けることになりました。
白キジのブブ太と、黒猫の黒まめ太です。

 

もう2匹、白黒のトワ♂と、白キジのフク♀は
そろそろネットで里親募集を始める時期。
母猫サラは、お父様のこともあるので、
このまま室内の飼い猫として飼うのは難しい、
かと言って、外で飼うようなことはしくない、
室内で飼って下さる方がいたら託したい、
というANさんのご希望で、里親探しをすることになりました。

 

サラ、フク、トワは新しい飼い主さんを探します。

 

ANさんは、何とか少しでもいい画像をと頑張って下さり、
可愛いく撮れた画像を提供して下さいました。

 

 

 

まず、Instagramで紹介してみました。
画像を見て「可愛い!欲しい!」
という衝動に突き動かされてのことなのか、
先々のことまで考えずにとりあえず問い合わせ~
みたいなメールが何通も来ました。
(まだ親の扶養家族であるはずの高校生とか。)

Instagramは手軽にメッセージが送れることもあり、
便利なことも多いですが、
常識的でない方や、ほんっとにいい加減!と
思われる方からのメッセージも少なくありません。

Instagramに限ったことではなく、
他のSNS、また、里親募集サイトでもそうですが、
「問い合わせに対して案内メールを返信すると
音沙汰無しになるのはどうしてなんでしょう?
問い合わせをしてきたのはそちらでしょ?」
とよく思います。

「他の子猫をもらいました」
「やっぱりやめました」

そのようなご辞退は仕方がないことだし、
こちらも慣れていますから、気にしませんが、
そんな一言の連絡さえ出来ない方々が多くいます。
トワとフクのようなまだ小さい子猫の場合、
そういうパターンが本当に多いのです。
そのような問い合わせに対して費やした時間は
本当に無駄な時間だと、つくづく思います。

 

 

サラ・トワ・フクの里親探しの話を始める前に、
一度、改めて「保護猫の譲渡の流れ」について
書いてみようと思います。

ボランティアの方々、また、
個人で猫を保護して譲渡した経験のある方は
「何をいまさら」なことだと思いますので、
以下、読みとばして下さって結構です。

この拙いブログを読んで下さる方の中には、
どういう過程を経て保護猫が貰われていくのかを、
ご存じない方もいらっしゃると思いますので、
ざっとになりますが、記しておきます。

 

 

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①募集

「ペットのおうち」「ネコジルシ」等の里親募集サイトに掲載します。
「ジモティ」という地域掲示版的なサイトもありますが、
里親募集に特化した他のサイトに比べると、
「下さい」と言えば、気軽に猫を貰えると思っている方や、
譲渡条件について熟読していない方からの応募が多いのが難点です。

お問い合わせがあったら、
○こちらの譲渡条件を理解・了承して下さっているか
○質問書への回答を理解・了承して下さっているか
を再度確認し、OKならば、質問書へのご回答をお願いします。
(質問書への記入はお見合い時にお願いすることもあります。)

 

②質問書

お問い合わせを下さった方(将来飼い主となる可能性のある方)には、
住所氏名・連絡先・年代・職の有無・家族構成・留守番時間、
住居形態に関する飼い主様個人の情報、
飼育経験の有無や、先住ペットの有無、飼育環境に関する情報、
更に参考として、飼い主さまの性格に関することなど、
20-25問程度の質問書への回答をお願いしています。
回答を拝見して、疑問に感じることがあれば、
更に詳しくお話を伺ったり、説明していただいたりします。

1匹の保護猫に複数のお問い合わせが集中した時などに、
回答内容から、お見合いの順番を決めることがあります。
抽選や、早い者順で里親様を選ぶことはしません。
こちらの応募条件を無視して申し込みされて来る方は、
質問書への回答内容で、だいたいわかってしまいますので、
この時点でこちらからお断りすることがあります。
(例:高齢者のみの世帯や、ペット不可賃貸の居住者など)

 

 

③お見合い

質問書への回答後、お話をすすめても大丈夫だと判断した場合に
お見合いについての案内を送ります。
ほとんどの場合は、希望者の方に保護主宅まで来ていただき、
実際に猫に会っていただきます。
譲渡会等に参加して、その会場をお見合い場所とすることもあります。
お見合い後に、トライアルをご希望かどうかお知らせいただきます。

 

④トライアル

トライアル期間は、目安として1ヵ月ですが、
先住ペットがいない場合、子猫をご希望の場合は、
もっと短期間になることもあります。
また、トライアル無しで、そのまま譲渡になるケースもあります。
トライアル開始の際は、住環境を確認させていただく意味もあり、
必ずこちらから猫をお届けに伺います。
どう考えても猫の飼育に相応しくないと判断せざるを得ない場合、
こちらからトライアル及び譲渡の話はお断りします。
(お届に伺ったお宅がゴミ屋敷だったことが過去にありました。)

 

⑤譲渡

トライアル期間が終了する頃合いを見て、
こちらから里親様のご意志を確認させていただきます。
猫が問題なく馴染んでいるようであれば、
トライアルから正式譲渡になります。
里親様が少々の不安をお持ちであれば、
状況を詳しく伺ってトライアル延長することもありますし、
またはトライアル中止・キャンセルとなって、
猫が戻ってくることもあります。

 

⑥その後

こちらからリクエストをせずとも、何かの折りに画像や動画と共に
近況報告を送って下さる里親様は5割くらいいらっしゃいます。
Instagram等、SNSアカウントを持っている里親様の場合は、
わざわざ近況報告を送って下さらなくても、
こちらがフォローすれば、猫の日常を拝見できます。

1年に1-2度、こちらから連絡を差し上げた場合にのみ、
近況をお知らせ下さる里親さまもいます。

約2名程、連絡の取れなくなってしまった里親様がいます。
(さらりと書きましたが、実は非常に心配です。)

 

このようにして、保護猫たちは、
新しい家族のお宅で飼い猫になっていくのです。

 

~保護しました~
~里親募集中です~
~卒業しました~

Instagramの画像&報告はそんなことの繰り返しですから、
「ああ、またか」
「次々とよくやるわ」・・・
なんて思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、このひとつひとつが、想像以上に大変なことなんです。
猫1匹保護して譲渡するまでにこれだけの手間と時間がかかります。
その間にも、猫の体調が良くなければ通院したり、
投薬・点眼点鼻したりして治してあげなくてはなりません。
慣れていない猫や恐怖心が残っている猫ならば、
向き合ってあげる時間を作らなければなりません。
1匹の猫の里親募集をして、譲渡にこぎつけるまでに、
何度も何度もメールのやり取りが続きます。
里親募集中の猫が複数いれば、その作業が何倍にもなります。

ボランティアさん達は皆同じような苦労をされています。
ねこ藩は活動の軸がTNRですので、
他のボランティアさん達に比べて、
保護猫の里親探しは多くない方だと思います。
それでも、1匹無事卒業しただけで、
喜びと同時に疲労の波がザッパ―ンです。

保護猫をたくさん抱えているボランティアさんは
もっともっと大変な思いをされています。
どんなに忙しくても、ひとりの人間に与えられた時間は
1日24時間しかありません。
仕事あり、家庭ありの状況で、
寝食忘れて骨身を削って・・・の毎日なんです。

 

 

To be continued・・・