前回の「東奔西走シリーズ」の話はこちら。
2019年5月 6日のブログ「東奔西走:⑬東の猫たち~チャップ」
TOMOさんがお世話をして下さっている4匹の地域猫。
オスのカプ君、チャップ、スギ君と、メスのさばみ。
チャップと、後から合流した形になったスギ君の関係が
しっくりいかないことも時々ありますが、
何とか、グループとしての形が出来ていました。
それは我が家の4匹にも言えることです。
ポッちゃん、ニャース、トントン、出自の違うオス同士。
最初の頃こそ、小競り合いのようなものがありましたが、
今は、各自が付き合い方を学んだのか、妥協しているのか、
争うようなことはなくなりました。
同じ場所で暮らしていても、必要な量のご飯は出てくるし、
それぞれが邪魔されずに寝泊まり出来るハウスがあります。
外の猫として生きる為に必要だと思われることは、
とりあえず、満たされているからでしょう。
どちらの場所も、人間から見れば、平穏な日々でしたが、
今年に入り、TOMOさん宅の猫たちに心配ごとが続きました。
(1)チャップ(マイケル)の怪我
1月中旬、TOMOさんからLINEが来ました。
「チャップの胸のあたりの毛がむしられていて、
出血が見られ、怪我をしているようです。食欲もありません。
病院に連れて行った方がいいでしょうか。」
翌朝、TOMOさんがチャップをキャリーに入れ、
私がチャップを預かって、怪我の治療に行きました。
「猫同士の喧嘩による噛み傷にみえるけど、
もうだいぶ塞がってきているよ。」
と先生はおっしゃって、傷から残りの膿を出し、
消毒・殺菌後、縫合し、抗生剤注射を打って下さいました。
ついでに、爪切り、耳そうじ、駆虫も済ませました。
大きなキャンピングキャリーに入ったままのチャップを
我が家で1日休ませ、翌朝、庭に戻しました。
チャップは慌てる風でもなく、のそのそと塀に上がり、
TOMOさん宅に向かって歩いていきました。
その後、処方された薬をTOMOさんが、
数日続けて、チャップに飲ませて下さり、
チャップは元通りのチャップになりました。
2019/1/27
外科処置・抗生剤ほか
医療費:7000円(ねこ藩負担7000円)
(2)スギ君の異変
それから3週間後、スギ君のことでTOMOさんから連絡が来ました。
「猫ハウス内に血液のようにみえる赤いものが残っています。
昨日から食欲もなく、ハウスの奥に引っ込んでいます。
触っても逃げす、ハウスの中で丸まっています。
抱きあげて見ても大きな怪我は見当たらないです。
今日は仕事で夕方まで帰宅できないので心配です。」
私もその日は仕事で動けず、また帰宅しても、
移動、移動の用事が重なっていましたので、
翌日、時間を割いてスギ君を病院に連れていくことにしました。
まだ警戒心が強く触ることが出来なかったスギ君。
TOMOさんがスギ君を抱きあげたことは驚きです。
猫は本当に弱っている時は無抵抗になります。
スギ君はかなり具合が悪かったのだと思います。
ところが、翌朝、触ろうとするとスギ君は逃げるようになりました。
そうなると、TOMOさんでもスギ君の確保は難しくなります。
元気になり、動きもいつもと変わらない、とのことでしたので、
数日間はは様子を見ることになりましたが、
結局、その後、2ヶ月近く、スギ君は元気に暮らし、
体調の異変は見られませんでした。
2019/02/07
通院なし
(3)カプ君(トラ)の怪我
4月初め、TOMOさんからLINEが来ました。
「カプ君の前右脚に異変があり、
地面に着くことが出来ないようです。
食欲も元気もありますが、
脚を触ろうとすると引っ込めてしまいます。
病院に行った方がいいですよね。」
翌朝、キャリーに入ったカプ君とTOMOさんを載せて、
チャップがお世話になった病院に行きました。
脚の指先が、細菌感染による指間炎だといういことで、
強めのステロイド注射を打っていただき、駆虫もお願いしました。
2019/04/05
デポメドロール注射2本・駆虫
医療費:5000円(ねこ藩負担2500円・TOMOさん負担2500円)
(4)チャップの異変
カプ君の通院から1週間もしないうちに、
今度はまたチャップがおかしくなりました。
「朝ご飯を食べず、元気がないです。
ハウスで休んでいます。」
翌日、TOMOさんは友人に付き添ってもらい、
チャップを病院に連れて行きました。
尿検査の結果、膀胱炎の可能性あろ。
また、食欲増進剤の注射も打ってもらい、
それでも、食欲が戻らないようならば、
もう詳しい検査をすることになりました。
通院後、キャリーから出したら、普通に歩きだし、
ご飯も食べたということです。
2019/4/13
皮下補液・食欲増進剤注射・尿検査
医療費:2480円(ねこ藩負担1300円・TOMOさん負担1180円)
(5)チャップ再通院
チャップは、一時食欲が戻ったものの、
また元気がなくなってしまいました。
前回の診察から2日後、TOMOさんは、
チャップを再度病院に連れて行きました。
血液検査を行い、膵臓に炎症があることがわかり、
炎症を抑える薬を処方してもらいました。
膵炎だったら入院が必要になりますので、
検査を外の機関に出してみることになりました。
脱水症状も見られましたので、また補液。
薬が効いて食欲が戻れば心配ない、との先生の診断です。
2019/4/15
血液生化学検査・皮下補液・注射・内服薬
医療費:5400円(ねこ藩負担2700円・TOMOさん負担2700円)
(6)カプ君の風邪
チャップの再通院からさらに2日後のTOMOさんからのLINE。
「チャップの件があり後回しにしていましたが、
カプ君がよくくしゃみをして、目ヤニも多いです。
病院に行った方がいいですよね。」
TOMOさんはカプ君を病院に連れて行きました。
前回の指間炎の時もそうでしたが、
カプ君は病院では大暴れするので、結構大変です。
熱もなく、鼻水もないけれど、風邪だという診断で、
インターフェロンを接種、飲み薬も処方してもらいました。
2019/4/17
インターフェロン・内服薬
医療費:2970円(ねこ藩負担1500円・TOMOさん負担1470円)
地域猫の世話をしていると、どこまでケアをするべきか
ということで悩むことがあります。
地域猫の世話をしている人間は、
毎日、その猫に接しているわけですから、
猫の異常に気付きます。
病気に関する知識や経験があれば役に立ちます。
TOMOさんにとって、地域猫の管理は初めてのことですから、
こういう症状なら様子見、こういう症状なら投薬、
こういう症状なら通院、という判断は容易ではありません。
4月に入ってから、TOMOさんは、
猫たちの症状について一層気にして下さるようになり、
心配なことや不安な点があればすぐに、
そして頻繁に、私にLINEで連絡を下さるようになりました。
それは、具合が悪そうにしていたスギ君の姿が、
3月31日を最後に、消えてしまったからです。
To be continued ・・・