前回のお話はこちら。
2020年3月12日のブログ。
こねこWAVE到来:⑤一同揃いました!

こねこWAVE到来:⑤一同揃いました!

 

 

 

 

 

子猫の社会化はとても早い時期に始まります。
生後2~3週目には、感覚器や運動機能の発達は速度を増し、
母猫からの授乳や教育、きょうだいたちとの遊びを通して、
自分以外の生き物との接し方を学んでいきます。
恐怖心や警戒心が芽生え、根付いてくるのもこの時期です。
そして社会化の時期はとても短い。
生後8週目には終わると言われています。

 

つまり、あと少しで生後2ヶ月になる、という時期に、
人間との積極的なかかわりを経験しないと、
人間に対する警戒心が生まれてしまいます。
更に、人慣れしていない母猫に育てられている環境では、
その警戒心もいっそう強いものになります。

あゆ、たら、たい、まめ
もえ、あき、オラ
ターシャ、ミーシャ

あまり人慣れしていないと聞かされていた7匹の子猫たちと、
7匹の保護過程で偶然見つけてしまった未知数の2匹。
全て、保護の時点で生後2ヶ月を超えていました。

 

やばい。

 

人慣れの度合いというのは、もちろん、
保護した人間によって基準が違うと思いますが、
私はこう考えています。

本気噛み(ガブリ)
協力猫パンチ(爪付き)
空気砲(パッ)
が見られないか、
あったとしても保護から数日の間だけ。

これは新しい環境に来た戸惑いや、
恐怖からの場合も多いので、
数日間は様子を見ることにしています。

威嚇(シャー)は、だいたいお約束だと思っているので、
子猫の場合はそんなに気になりません。

怖くて固まったまま、動かない、ご飯を食べない、
トイレをしない等は、よく見られる行動です。
数日すれば、必ず食べるし排泄するようになります。
生き物ですから。

 

接する人間側がビクビクしていると、
猫もそれを微妙に感じ取っているようです。

触られることを極端に怖がる子猫ならば、
いきなり子猫の体に触れるのではなく、
頻繁にケージに手を入れて、ベッドやシーツを整えたり、
ご飯のフードを手に持って与えたりします。
子猫の目をじっと見たりせずに、淡々と作業をする。

「人間の手がすぐ近くにあるけど、
別に危害を加えられないようだ。」
と思ってくれれば、それでいいのです。

そうしながら、何かのついでに、
ちょこっとだけ触ったりすることを繰り返します。

 

「やだ、おばちゃんったら、
間違ってうっかり触っちゃった」作戦。

 

「な、なんだよぉ~!?」と、
最初、子猫はビックリしますが、
だんだん拒否反応は薄くなっていきます。

 

 

「人に慣れてもらうには少し時間がかかるかな。」

そう覚悟しての9匹の保護でしたが、
それぞれの保護場所に落ち着い子猫たちは
私達の予想をいい意味で裏切りました。

 

同じきょうだいでも個体差はあります。
例えば、すぐに慣れたターシャに比べ、
ミーシャは怖がりで、必ずターシャの後ろにまわります。

 

人間に近い方にいるのはいつもターシャ。

 

Kさん宅では、何でもアリな感じで人と接するオラに比べ
もえちゃんは最初緊張が続きました。

 

ちょうど手前から、リラックスしている順に並んでいます。

 

 

IKさん宅に行った4匹もみな、
それぞれ行動は少しづつ違います。
まわりを気にせずに好き勝手にふるまう子。
用心しながら、そろそろと遊びだす子。

 

 

三毛のあゆちゃんはちょっとだけ気難しかったかな。

 

 

 

子猫は日に日に成長し、自我が芽生え、
性格もはっきりしてきますが、
保護してから、人慣れ度が後退する子はあまりいません。
今回の9匹の中には、「扱いづらい」と心配するような子は
幸いなことに1匹もいませんでした。

だったら、里親探しをガンガン始めていかなくては!
と思った矢先、タイミングよく市の譲渡会開催です。
IKさんが4匹、Kさんが3匹、私が2匹連れて、
市の譲渡会に参加を申し込みました。

 

 

年に1,2回(不定期)に開催される、市川市役所環境保全課主催の譲渡会は、
猫を見に来る里親候補者の方々も事前参加申し込みが必要ですし、
人数制限もあります。また、譲渡会当日の事前講習会もあります。

 

譲渡会の際に、役所の方で用意して下さった申込書に、
里親希望者は、個人情報や希望の猫を記入して提出します。

 

譲渡会に参加する猫達は30匹を超えていました。
私達が参加させる9匹のうち、半分でも決まってくれれば、
という思いで私達は参加しました。

 

前回の譲渡会では、子猫・トワに75才過ぎの女性が申し込んできて、
年齢と後見人の話になった途端、ぶち切れる!ということがありました。
どうかそんなことがありませんように。

 

 

 

 

 

 

有難いことに、終わってみれば、
私達の保護猫9匹には、6組の方々からの申し込みがありました。
市川市役所主催の譲渡会でしたから、
皆さん、市内にお住まいの方達ばかりです。

 

あき、ターシャ、ミーシャについては
お申込みが数組づつで重複していましたが、
皆さん、第一候補の猫が×ならば、第二候補、第三候補はこの猫と
きちんと書いて下さっていましたので、
次候補まで含めると9匹全頭にお申込みがあったことになります。

 

後日、それぞれの方々に詳しくお話を伺いながら、
こちらの方にはこの子、2匹希望の方にはこの組み合わせ…
と、子猫たちを振り分け、提案させていただきました。
そして、里親さま方は、快く承諾して下さいました。

 

 

 

最初に卒業したのは「あき」。
先住猫さん2匹がいるご夫妻のお宅に。
名前は「あき」から「ねむちゃん」になりました。

 

 

「新しい子が来たの?」と見に出てきた、
先住猫のミッケちゃん。

 

 

同日に、「あゆ」と「たら」が卒業。
先住猫さん3匹がいるご一家が2匹一緒に迎えて下さいました。
名前はそのままです。

 

 

 

 

その翌日、「もえ」と「オラ」の2匹を、
先住猫さん1匹のご夫妻のお宅にお届けしました。
先住は「もえ」と同じ真っ白な猫・とのみちゃんです。
「もえ」は「しろまめ」、「オラ」は「くろまめ」になりました。

 

 

ちょっと怖がるもえ。

 

オラは全く問題なし。

 

 

 

1週間後、ターシャとミーシャが2一緒に卒業。
シニアの先住猫さん1匹がいるご一家のお宅です。
名前は「ターシャ」が「たいち」、「ミーシャ」が「みかん」。

 

我が家のものと同じケージ。

 

人の手は好き。

 

新参者たちを観察する先住のハチちゃん。

 

 

こうして
7匹の子猫達が次々と巣立っていきました。

7匹? 
9匹いたはずだか。。。

 

 

そうなの。

まめちゃんとたいくんは、
他の子達にだいぶ遅れをとってしまうことになるのです。

 

 

To be continued・・・