「フードバンク」という言葉。
ここ数年、頻繁に耳にするようになりました。

フードバンク活動とは、企業やご家庭において、まだ賞味期限内ではあるけれど、
様々な理由により廃棄してしまう食べ物を、困窮者へ無償で提供する活動です。

企業においては、内容物には問題はないものの、
パッケージの印字ミスや容器の破損等により、
販売出来ず廃棄せざるを得ない商品。

家庭内では、好みに合わなかったり、
消費する予定の無いいただきもの、余ってしまったもの。

 

ある人にとっては不要な物でも、それを必要としている人がいる。
リサイクルショップと、共通するものがありますね。

 

 

さて、このフードバンク、人間のためだけではありません。
犬猫の為のフードバンクもあるのです。

 

 

「ペットアイテムバンク」

 

市川市には「ペットアイテムバンク」という取り組みがあります。

これは、フードやトイレ砂等、不要になった犬猫用品を
市川市役所に寄贈するものです。
寄贈された物品は、市川市に登録している地域猫活動団体のうち、
受け取りを希望する団体に分配されています。

 

市がペットアイテムバンクをスタートするまでの経緯には、
まあ、政治的なものが色々絡んでいたようですが、
誰が考案したとか誰が承認したとか、そういうことを除いて考えると
ペットアイテムバンク自体は、とても良いシステムだと思います。

 

詳しくは市川市役所のHPをご覧ください。
https://www.city.ichikawa.lg.jp/env03/1111000131.html

 

 

 

 

 

余った猫用フードや、飼育用品などが、
必要としているボランティアの手に渡る。

 

 

日々、身銭を切りながらの活動をなさっているボランティアさん達にとっては、
非常に有難いことではないかと思うのですが、
数年前から、市川市がこういった取り組みをしていることを
多くの市川市民が知らないのではないか、という印象を私は受けていました。

 

 

不要になった猫用品やフードがあるのですが、
もらっていただけますか。
保護猫、地域猫の為に役立てて下さい。

 

 

ねこ藩にはそういった問い合わせが時々来ます。

その度に「市川のペットアイテムバンクをご存じですか?」と
お訊きしていますが、ほとんどの方々はご存じありませんでした。

せっかくのいいシステムも、周知されていなければ意味がない。
そう思うようになりました。

 

 

市役所の担当部署に問い合わせましたところ、
「市の広報誌に載せているし、市役所HP内にも記載がある」
とのことでしたが、
広報紙の隅々まで目を通す方、市役所のHPを隈なく閲覧する方は
どのくらいいらっしゃるのでしょうか。
そう多くはないように思います。

 

迷い猫情報、保護猫情報、里親募集中の猫、
動物愛護法に反する事件等に関するフライヤーを、
よく自治会掲示板に貼付させていただいていますが、
想像以上に、皆さん、自治会掲示板はよくご覧になっているようです。
自治会掲示板が道路に面した場所に設置してあり、
歩いて通る方々の目にとまりやすいからでしょうね。

 

 

そこで、このペットアイテムバンクの認知度をあげる為に、
フライヤーを用意して貼付、配布するのはどうだろうとと思いつき、
そのように市役所に提案しましたところ、以下のような意見をいただきました。

①個人が費用負担してフライヤーを作成するのは〇。

→市役所としては、広報紙とHPへの掲載で充分と考えているから、
これ以上の広報をする予定はない。

 

②市役所に物が集まり過ぎても大変なので、フライヤーに寄贈を受ける者の連絡先を記載する。

→寄贈品が集まれば集まっただけ、倉庫管理や分配、連絡書類作成等、
市役所職員の作業が増える。

 

③「市役所に寄贈」より、「ボランティアに直接寄贈」の箇所が目立つようにする。

→いったん市役所を経由するより、寄贈品を必要とするボランティアに
直接寄贈品が渡った方が効率的。上記②と同じ理由。

 

 

 

フライヤー作成は、子猫の預かりボランティアをして下さっているKさんにお願いしました。
ボランティア仲間、里親さん、友人知人に、背景色、イラスト、文章などに関して意見を求め、
市役所担当課に内容を見ていただきながら、何度か修正を行って、仕上がったのがこちらです。

↓ ↓ ↓

 

 

パッと見て、市川市役所連絡先よりも、
「ボランティアに直接フード等を寄贈する」
の箇所が目立つようにしています。
また、ご飯を食べている猫の背景色を鮮やかな色にして、
イラストが目につくようにしています。

左下の「地域のボランティア連絡先」のところに、
このフライヤーを使用する方の連絡先を記入します。
枚数が多い場合、手書きは大変でしょうから、
スタンプにしたり、ラベルを貼ってもいいでしょう。

 

 

 

 

フライヤーの使い方

●自治会の許可を得て、自治会のゴム印を貰った上で、自治会の掲示板に貼る。
●道路に面した場所にお住まいで、快く承諾して下さる住人の方々や店舗をお持ちの方々の壁や塀などに貼る。
●犬猫を飼っている友人、知人、ご近所さんに配布して、このシステムを紹介する。
●イベントの際などに、A3程度に拡大コピーをして、会場に掲示する。

 

◆利点◆

【寄贈者サイド】
●余ってしまったフードが無駄にならず、必要としている者の手に渡る。
●ご自身の居住地域内で活動しているボランティアさんに、寄贈という形で協力できる。
●SNSとは無縁の方々の目にとまる。
●地域内でのやりとりになるので移動が楽(寄贈品を届ける場合)。

 

【受領者サイド】
●自腹を切ってフードを購入している方には、有難い。
●地域内でのやりとりになるので移動が楽(寄贈品を受け取りに行く場合)。

 

 

受領者側に限って言えば、難点もあります。

●自分の連絡先を記載しなくてはならない。
→猫ボランティアということで、フード寄贈とは関係ない、猫の相談が来る可能性がある。

 

 

 

 

 

ボランティアさん達や希望者の方々に、
5月末からフライヤーを配布しています。

 

これまでの配布先:

稲越町
大洲エリア
北方エリア
行徳地区 個人
国府台4丁目の一部
塩焼4丁目の一部
新田2-5丁目
稲荷木エリア
中山エリア
真間2丁目の一部
南大野エリア
南八幡エリア
宮久保1丁目の一部
小松川信用金庫

今後の配布予定先:
市川2丁目
市川南1-2丁目
大和田エリア

配布にあたっては、まず親しくしているボランティアさん達や、
知人、地元の猫関係者に直接声をかけることから始め、
次に、市の地域猫登録団体リストの中から、
連絡先を公開しているボランティアさんに、
こちらから連絡をとってフライヤーの提供を打診しました。

 

フードはぜひ欲しいが、自分の連絡先を公開したくないし、
受け取ったり配ったりの作業をするのが面倒くさいという方もいましたが、
また悪口を言われることは重々承知の上で、
面倒なことは全てねこ藩がやると思われては困ると伝え、
フライヤーはお渡ししませんでした。

また、ある地域の個人ボランティアさんが、
自治会にフライヤー貼付について掛け合った時、
自治会には許可をいただけたのだが、
その地域を牛耳っている団体の許可を
いただけなかったそうです。
どういうことなんでしょうね。
よくわかりません。

 

 

 

寄贈フードを受け取るのはボランティアだけでなく、

ボランティアではないけれど猫を飼っている、という方でもいいと思います。
寄贈フードの中には、亡くなった飼い猫さんの為に買いだめしておいた
療法食も結構あるでしょう。療法食というのは安価ではありません。

例えば、腎臓、結石等の療法食を必要としている猫は多いと思いますが、
そういった保護猫を抱えたボランティアさんがいない場合には、
その療法食を必要としている猫を飼っている一般の方に提供してもいいでしょう。

 

市川市内にお住まいの方で、こちらのフライヤーを使いたいという方がいらっしゃいましたら、
問い合わせフォームから、その旨お知らせください。10枚単位でお譲りしています。

 

個人負担が多くて大変、という方々に
使っていただきたいと思っていますので、
NPO法人化された団体の方や、寄贈や大口の寄付を
日常的に受けている方はご遠慮ください。

その点、ご理解いただけますようお願いします。