昨年11月26日に大門通りで開催されたネコマルシェについては、
既に22年11月29日のブログで方で報告しています。
「大門通りネコマルシェ:無事終了しました。」

 

 

 

もたもたしているうちに年を越してしまい、
失礼な程遅くなってしまいましたが、
今日はその後の報告について。

 

 

ネコマルシェの翌月、主催者の夏秋武蔵屋酒舗さまが、
ネコマルシェで集まった募金額をとりまとめ、
その半額にあたる68,235円をねこ藩に寄付してくださいました。

 

募金額の内訳は以下の通りです。

(夏秋武蔵屋酒舗さんのInstagramより)

 

 

 

募金に協力して下さった方々の中に、
2021年に大門通りにオープンした
オザキクレープさんがいらっしゃいます。

「オザキクレープ」さんInstagram

 

オザキクレープさんは、クレープの売上の一部と併せ、
店主さん自らが作成したオリジナル猫雑貨販売による
収益全額をネコマルシェの為に寄付して下さったそうです。

 

 

お仕事の合間に、時間をかけてせっせと製作された、
とても可愛らしいデザインのグッズ。
その収益をボランティアに全額寄付して下さるなんて、
感謝と共に申し訳ない気持ちになります。

 

 


かわいらしい・・・

 

 

他にも、2022年春、大門通り奥の場所での多頭TNRの件で、
まあるじゃあらのSさん、ボランティアのMさんと、
足繁く通った現場近くのギャラリーさんからのご寄付、
そのギャラリーで個展を開催された作家さんからの
物品販売による収益の一部、
また、金太郎飴を製作販売されているダイコン爺さんからの売上全額、
そして、主催者である武蔵屋さんからのご寄付と売上全額。

 

武蔵屋さんとオザキさんを除き、
他の方々にはまだご挨拶もきちんと出来ていませんので、
近いうちに必ず何らかの形でお礼をしようと思っています。

 

 

 

 

 

 

多くの方々が市川市の猫の為にと心を寄せて下さった結果。
それが寄付金です。

 

市川市内のあちこちにたくさんのボランティアがいて、
野良猫問題の解決に向けて、それぞれが出来る範囲で出来ることを行っています。

 

 

市川市内の猫の為にという名目の寄付金は、
本来であれば、ボランティア活動をしている、全てのボランティアさん達に行き渡ることが理想です。
しかし、市川市役所生活環境保全課が実施しているペットアイテムバンクのように、
(市民の方々から集まってきたペット用フード・物品の受け取りを希望するボランティアに分配する)
寄付金を一か所に集めてそれをボランティアの皆さんに分配するというやり方は
今のところ現実的ではないように思います。

 

ほとんどのボランティアさんにとって活動資金の寄付は有難いものですが、
皆さんに平等に分配となると、寄付金総額が数百万円という金額でない限り、
一人当たりの配当金額は微々たるものになり、
それを手渡しなり、送金なりする手間も人手もいるわけで、
分配も相当の作業量になりますから。

 

 

「地域のことはその地域内で」というのが私の中での基本です。

 

 

今回、ネコマルシェが開催された大門通りの市川〇丁目。
この地域には、野良猫問題解決の為に、
並々ならぬ忍耐力と努力で、
長年、TNRと保護を継続してきた住人が2名います。

 

そのひとり、Nさん。

子育て、家事、そしてフルタイムでのお仕事をしている40代の女性。
唯一自由に動ける夜中が活動の時間帯です。
車がない為、捕獲した猫は自転車や公共機関を使って病院に運搬。
そして、術後の療養が必要な猫や、保護した猫をご自宅に入れ、
キャリアの為にご縁に恵まれなかった保護猫をご自身の飼い猫にしています。
彼女は〇丁目内の寺院や公共施設周りの猫をTNRしてきましたが、
自分の地元だけではなく、出かけた先で気になる猫を見かけたりすると、
お一人でせっせとその現場にも通い、TNRや保護をしてきました。

 

 


Nさんが捕獲したすもも。

 

 

もうひとりは、IKさん。
まだ自立していない2人のお子さんと暮らすシングルマザーです。
IKさんも早朝から夜まで働くフルタイムの会社員。
週末も仕事に出ることが度々ありますから、
実質、自由になる時間は月に2-3回の週末だけ。
IKさんはご両親所有の集合住宅の1階に住んでいますが、
その広い庭にいる、あるいは通り過ぎる複数の猫達を心配して、
2017年春にTNRと保護を始めました。
自宅の庭がひと段落した後は、
他の路地で増えていた猫家族のことを調べ、
母猫1匹と子猫6頭を保護をしました。

 

 


たくさんの猫達が通り過ぎていたIKさん宅の庭。
今は地域猫のクロスケとショコラがいるだけです。

 


IKさんは餌で猫達を惹きつけて慣らし、順々に捕獲していきました。

 

 

IKさんは時間が限られていますから、私も何度かお手伝いに入りました。
彼女が早朝に仕掛けた捕獲器に入った猫を彼女のお父様と一緒に病院に届けたり、
彼女が保護した子猫の里親募集をしたり、里親さま宅に一緒にお届けに行ったり。

 


IKさんが保護した子猫達。愛らしい子達でした。

 

 

 

 

お二人がこれまでに〇丁目でTNRした猫は60匹、保護した猫は40匹。

合計100匹!!

 

 

ご自身で良かれと思ってやっていることだからと、お二人は言いますが、
これだけの猫達を救済してきたにもかかわらず、
彼女達にはイベントで得られる収益も寄付金もありません。
どうぶつ基金のチケットを使用したり、
野良猫価格の病院に運び込むこともありますが、
基本的には全て自腹です。

それなのに、Nさんは私物を売る為にフリマに参加し、
思ったより収益があったからと、その売り上げの一部を、
ねこ藩に寄付して下さったことがあります。
また、ハンドメイド品が大好きだそうで、
ねこ藩のブースでアクセサリー等を購入して下さったこともあります。


クオリティの高い猫アクセサリーは、
元生徒さんからの寄贈品でした。

 

IKさんは、私が保護した子猫達をいつも快く預かって下さっています。
そして、ほとんどのイベントにお手伝いに駆け付けて下さいます。


IKさんが初めてお手伝いをしてくれた駅前フリマ。
ほぼ猛暑日でした。

 

 

 

2017年のTNR後、庭で御世話をしていた地域猫「あんず」が、
猫風邪の悪化によって酷い健康状態になってきていることを心配したIKさんは、
「あんず」を保護して室内に入れました。

 


2017年、TNR時のあんず。

 

 

 

私達が考えていたよりも、あんずの状態はずっと悪く、
あんずは入退院を繰り返しました。
Ikさんはご自宅に酸素室をレンタル、
もうだめかと思ったこともありました。

 

 

 

 

 

時間がなく、車もないIKさんですから、
徒歩で行ける近所のK病院にあんずを連れて行くことになります。
K病院は市内では最も医療費が高い病院のひとつですが、
IKさんに躊躇いはありません。

 

 

 

これまでにかかったあんずの医療費は6桁を優に超えていますが、
IKさんは、「大丈夫。何とかなってます。」と。

 

 

あんずが元気になったら里親さん探しをしようと話していましたが、
あんずは風邪菌が脳にいってしまったようで、障害が残りました。
これではもう地域猫として外には戻せない。
かといって、里親探しも難しいだろう、ということで、
ずっとIKさんご一家がお世話をしています。

 

 

 

この2人のこれまでの活動がなければ、
大門通りのある〇丁目はどうなっていたか。
簡単に想像がつくと思います。

大門通りを歩いたことのある方は、お気づきになられたでしょうか。
辺りをうろうろしている猫のほとんどには耳カットが入っています。
毎年春になると子猫達がわらわらと出て来るという状況でもありません。

 

お二人のこれまでの行動の賜物です。

(もしかしたら同地域には他にもご自身でTNRや保護をなさっている方が
いらっしゃるのかもしれませんが、現時点で、私は存じ上げないです。)

 

 

また、忘れてはならないのは、
お二人以外にも、TNR後の猫達の世話をしている方々もいるということ。

 

〇丁目の野良猫問題解決の為に、
これだけの努力をしてきた方々がいるにも関わらず、
地元の住民にこの事実が知られていないという状況。
地元で得られる猫の為の活動資金やフードは、
地元の猫達の為に役立てられていないという状況。

 

ネコマルシェは彼女達の地元で開催されたイベントです。
ご自宅から目と鼻の先で開催されたイベントで集まった寄付金が、
彼女達の元に届かない? 
大変な思いをして努力をしてきた方々の手に渡らない?

 

寄付金の使い途に統一のルールはありませんが、
私の中には正解はひとつしかありませんでした。

 

ネコマルシェからの寄付金は、
野良猫達の為に奮闘してきた
地元の方に使ってもらいたい。

 

 

 

 

 

今回のネコマルシェからの寄付金。
これは、自分の心の声に従って、IKさんに使っていただきたいと強く思いました。
(Nさんはお嬢さんの受験の為、現在ボランティアを休業中とのことです。)

 

ねこ藩もネコマルシェでは物品販売による収益がありましたので、
ネコマルシェからの寄付金にその一部を足して、
合計80000円をIKさんにお渡ししてあります。

 

 

 

 

市内の猫の為にと思うのであれば、
まず、ご自身がお住まいの地域のボランティアさんが、
どのくらいの負担を負っているのかを、
ぜひ知っていただきたいです。

そして、自分も何かしたいとお考えになるならば、
そのボランティアさんの肩の荷が少しでも軽くなるよう、
ご自身に出来る範囲で協力をしていただきたいと私は常に思っています。

捕獲や保護の手伝い、寄付寄贈じゃなくなっていいんです。
挨拶や好意的な短い声掛けだって、ボランティアさんの力になるはずです。