”家のすぐ横に子猫が来ています。
近くにいくと逃げてしまいます。白黒の子猫です。
里親を探しても問題なく決まる大きさですが、
こういう場合、どうしたらいいでしょう。
私が預かりたいのは山々ですが、キャパオーバーで・・・”

 

こういう場合、どうしたらいいでしょう。

ふむ、それは私も言いたいセリフだ(笑)。

 

資格試験前日の夜、すぐ近所にお住まいのMさんから届いたメールです。
私は最後のあがき追い込みの最中でしたから、出かけられない。
出かけられたとして、何をすればいいですか?
と問わなくても、答えはわかっています。

こういった相談は日常茶飯事です。

 

うちの庭に子猫がいて、寒い中、可哀想です。
(あなたが来て)捕まえ、(あなたの家で)保護して、
(あなたが)病院に連れて行き、(あなたが)お金を払って、
(あなたが苦労して)里親探しをしてください。
私には出来ません。

 

ということになります。
猫を助けてあげて欲しいということと同時に、
可哀想だと思っている私の辛さを、あなたが取り除いて下さい、
と言っているようなものですね。

 

ただ、今回のメールの主・Mさんは顔見知りの方であり、
以前、近所の野良猫を保護後、ご自身で飼ってあげたり、
子猫2匹を保護して都内の団体に預けたりと、
底なし沼・重田邸にいる猫を含め、
この地域の野良猫の状況に心を痛めている方です。
カプ君の件についても、心配して下さっていました。

 

試験終了後の晩、近所をうろうろと歩いて探してみましたが、
タイミングが悪かったのか、私は姿を確認することが出来ませんでした。
母猫と合流してどこかに隠れているのかな…。

その翌日は、用事で都内に出たり、たまった仕事を片づけたりして
子猫探しに出られたのは、真夜中頃。やはり見つからない。

 

更に翌日、にわねこ屋敷の件で、あっちこっち、
麻生さんの車で移動している最中に、
見覚えのない電話番号から電話がかかってきました。
Yさんという女性の方です。

「里親探しについてアドバイスをいただけませんか。
昨日、白黒子猫を保護して自宅に連れ帰っています。
ねこ藩の電話番号を高山さんから教えてもらいました。」

 

 

高山さん…。ご近所の気さくな&猫好きなおじさまです。
以前、ご近所の方の出入り自由の飼い猫を、
未去勢の野良猫だと思って捕獲してしまい、
耳カットを入れてしまったことがありましたが、
あの猫の飼い主の高山さんです。

近所のマンション駐車場で、怖がって鳴いている小さな子猫を、
フードで釣りながら何とか保護しようと試みていたYさんに、
通りの反対側に住む高山さんの奥様が声をかけたそうです。
Yさんは子猫をつかむと、来ていたジャケットを脱いで、
その中に子猫を包み込み、近所の獣医さんに連れて行きました。
ブロードラインの処置後、自宅アパートに連れ帰り、
毛布を敷いた金属ケージに子猫を入れて世話をしていました。

話を伺い、状況と位置とタイミングから、Yさんが保護した白黒子猫は、
3日前にMさんが心配していたあの子猫だということが判明しました。
名前はアミカブルちゃん=通称アミちゃん。

 

 

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無事に保護されていたアミちゃん。
迷いのない咄嗟の行動で、
小さな子の命がを救われます。

 

 

 

翌日Yさんに直接会って詳しいお話を伺うことになりましたが、
Yさんが送ってきてくれた画像を拡散したところ、
数時間もしないうちに、アミちゃん希望者が見つかりました。
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可愛い女の子です。

 

 

 

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Yさんの飼い猫が、アミちゃんに
優しく接しています。

 

 

 

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Yさんが抱っこ。
物おじしません。

 

 

 

 

希望者は麻生さんの後輩・奥村さんご夫婦です。
さくさくと話は進み、2日後には、
お見合いの為我が家に移動したアミちゃんに
奥村さんが会いに来て下さいました。
奥村さんは帰宅後、ケージ・猫用品の準備を
着々と進めて下さいました。

 

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お見合いから11日経過した12月14日午後、
体調不良で同行出来なくなったYさんからアミちゃんを預かり、
私と麻生さんとで、松戸の奥村さん宅にアミちゃんを届けてきました。
ケージに入れると毛布の中に潜って隠れていましたが、さすが子猫、
その後すぐに、ご飯もトイレも済ませ、新しい環境にすぐに慣れました。

 

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お届け時、ぐずっていたアミちゃんですが、

 

 

 

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同日夜には、もうこれです。

 

 

 

 

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お父さんカンガルー

 

 

 

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クリスマスツリーにも登ります

 

 

 

 

 

奥村さん宅に先住猫はいませんでしたし、アミちゃんも扱いやすい子でしたので
トライアルは2週間に設定。そのトライアルも問題なく終了しました。
現在は、「ももちゃん」となり、元気いっぱい走り回って遊ぶ毎日です。
奥村さん、ももちゃんと仲良く幸せに暮らして下さいね。

 

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アミちゃんを迷わずに保護したYさん、まだ20代前半の若い女性です。
これまでにも、メスの野良猫を捕まえてTNRしたり、子猫を保護したり、
一人でコツコツ、ご自身で出来ることを無理なく続けてきたそうです。
捕獲器を持っていないので、触ったり捕まえたり出来る子だけですが…と、
謙遜していました。

実は、2016年夏に、とり逃がしてしまった子猫きょうだいがいます。
気に登った子猫が降りられないでいる、と連絡を下さった方がいて、
菅野さんが現場に出向き、消防署に連絡もしましたが、
結局、子猫達は自力で木を降り、逃げ回って隠れてしまいました。
その敷地内に捕獲器を置く許可をもらおうとやり取りしているうちに
子猫きょうだいの姿は消えてしまった…ということがありました。

そして菅野さんと私が知らないところで、この子猫きょうだいを保護し、
里親探しをしてくれていたのがYさんだったということがわかりました。

あちこちにアンテナを張り巡らせ、地域の情報に耳をかたむける…
そうしているうちに、点と点が繋がるんだわ…と実感した今回の件でした。

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