前回のお話はこちら。
2019年7月25日のブログ
「こねこWAVE到来:①隣のりんちゃん」

こねこWAVE到来:①隣のりんちゃん

 

 

隣町、歩いて5分とかからない距離に、
個人でTNRや子猫の保護を行っている、
ユミさんという20代後半の女性が住んでいます。
以前、ユミさんが子猫あみちゃんを保護した際に、
近所のTさんを介して知り合いました。
その後も捕獲器や備品を貸し出したり、
ユミさんが保護した子猫の里親探しをお手伝いしたり、
猫のお届けに車で付き合ったりと、交流があります。

 

 

 

6月半ば、とある場所で見つけた親子猫を
近々捕獲するつもりですと、ユミさんから連絡が来ていました。

とある場所とは、近所の高齢者施設の駐車場で、
このブログにも繰り返し登場する、
2か所の野良猫製造工場、重田邸と居酒屋の
真ん中あたりに位置しています。
そして、この施設の裏側にあるマンションに隣接して、
こむぎちゃん他たくさんの猫達がいた小さな公園があります。

ユミさんが発見した親子猫は、その公園付近に住んでいる、
野良猫達の仲間のようです。
個人ボランティアのNさんもその場所のTNRを始めたらしく、
ユミさんは今後、Nさんと連携してTNRを進めていくとのことでした。

 

 

高齢者施設の駐車場で、ユミさんが保護した子猫は、
生後1.5カ月、600gの黒猫で、ルミちゃんという名前になりました。
保護からまもなくして、ユミさんの知人が貰って下さったそうです。

 

ルミちゃん

 

 

ユミさんがルミちゃんを保護した翌日、
(上村さんがりんちゃんを保護した6月17日)、
そのユミさんから連絡が来ました。

「上から赤ちゃん猫が降ってきました。」

 

はい?

 

 

 

残った母猫(ルミちゃんの親)の捕獲に出向いたユミさんが
自宅近くを歩いていた時、突然、頭上から猫が落ちてきたそうです。
見上げると、その住宅の1階と2階の間には換気扇ダクトがあり、
赤ちゃん猫はそこから転げ落ちてきたようです。

ユミさんは落下してきた赤ちゃん猫を拾い上げ、
近くの病院に連れて行きました。180gの未熟児です。
検査やら何やらの為に赤ちゃん猫は入院となりました。

 

 

 

換気扇ダクトの入り口付近に、赤ちゃんの子育てをしている、
白キジの母猫が見えました。

 

 

 

 

ルミちゃんの母猫の捕獲はひとまず中止して、翌日、
ユミさんは換気扇ダクトのあるお宅での捕獲作業を開始。
近所に住む、ベテランボランティアのKさんが、
ご主人と一緒に脚立を持って現場に駆けつけました。
しかし、ダクトは脚立以上に高い場所にあり、
ダクトに手を突っ込んでの捕獲は難しい。

そこで、消防署員さんの登場です。
約1時間かけて、ダクトの中に潜んでいた猫一家を
ネットを使いながら1匹づつ保護して下さったそうです。

 

母猫はKさんが預かり、避妊手術の為病院へ。
子猫達3匹はユミさんが自宅に連れて帰りました。
前日、落下してきて入院した小さい赤ちゃんは、
検査の結果、検査骨折等の以上が見られず退院となり。
ユミさん宅で他のきょうだい3匹と再会。
生後2週間程の赤ちゃん達です。

 

●ささもち♀ 白キジ
●くさもち♂ 白キジ
●すんだもち♂ キジトラ
●ぼたもち♀ キジトラ(落下してきた子)

 

仕事で留守時間の長いユミさん宅に乳飲み子4匹。
これはちょっと難しいです。
ねこ藩の方で、隣ちゃんの保護主・上村さんか、
サラの飼い主・ANさんにお願いした方がいいのかどうか…
と考えましたが、Kさんから、なるほど!の提案がありました。

不妊手術が終わり退院してきた母猫をすぐにリリースせず、
赤ちゃん達が離乳するまでの間、子育てしてもらうのです。

 

手術から数日後、Kさんがユミさん宅にケージを運び入れ、
母猫・さくらもちはケージの中で赤ちゃん達と合流しました。

 

 

 

 

 

保護から2週間後、子猫達の離乳を見届けて、
ユミさんは母猫・さくらもちを外にリリース、

4匹の子猫のうち、白キジのささもちは、
個人ボランティアNさんの
知人に早々と貰われていきましたので、
残った3匹の子猫達の里親募集を始めました。

 

 

 

 

上から降ってきた未熟児の子猫・ぼたもちは、
元気で食欲もあるのに、他のきょうだい達のように
なかなか大きく成長してくれません。

とても可愛らしい顔をした小さな子。
頑張れ、頑張れとユミさんは世話をしましたが、
保護から1ヵ月後。ぼたもちは亡くなりました。

 

 

直前まで元気て過ごしていたのに、
ユミさんが短い仮眠から目覚めてぼたもちを見ると、
もう呼吸をしていなかったということです。

 

 

 

先天性の疾患を抱えていたのかもしれません。
彼女はそういう運命のもとに生まれてきた子だったのでしょう。

でも、ぼたもちが空から降ってこなければ、
ユミさんは換気扇ダクトの中の猫一家の存在に気付きませんでした。
ぼたもちは、「私のきょうだい達を助けてください」という
メッセージを伝える為に生まれてきた子だったのかもしれませんね。

 

 

 

換気扇ダクト騒動後、ユミさんは新たに1匹の子猫を保護しました。
野良猫製造工場である、例の困った居酒屋です。
数日前に2匹の子猫を見かけ、気になっていたそうですが、
1匹は車に轢かれてなくなっており、三毛の子猫だけが残っていました。

(居酒屋は交通量の多い道路に面しており、昔から、たくさんの猫が
店の前で轢かれて亡くなっています。)

 

 

 

ユミさん宅には換気扇きょうだいのくさもちとずんだもちがいます。
そこに三毛の子猫・あんみつが加わり、子猫3匹になりました。

 

 

7月27日、ねこ藩の保護猫「まめとたい」を連れて、
千葉ニュータウンのイオンペットでの譲渡会に参加しました。
ユミさんから預かった3匹も、一緒に譲渡会に連れていきました。

譲渡会ではキジトラ率が高めで、
三毛と白キジはユミさんの保護猫だけでしたが、
残念ながらお申し込みはありませんでした。

譲渡会は生後3~4ヶ月程の子猫中心。
どうして、この3匹には声がかからなかったのだろう。

やっぱり、人というのは、まず見かけから入るのかな。
隣にとても可愛らしい長毛の子やグレーの子がいたから、
ユミさん保護猫は、普通過ぎて見劣りしてしまったとか?
いやいや、くさもちも、ずんだもちも、あんみつも
充分に可愛い子達です。

まだ生後2ヶ月に少し足りず、
参加子猫の中では一番月齢が低かったから、
ちょっと小さ過ぎたのかもしれない。

 

 

人間から見れば、あまり気にもしてもらえず、
寂しそうな後ろ姿に見えますが、
本人達にとっては、邪魔されることなく、
静かな状況でお昼寝出来て良かったとか?

 

その後、ユミさんは、個人保護主の為の譲渡会を主催する、
都内の団体に申し込み、ご自身で譲渡会に参加しました。
保護から少し時間はかかりましたが、
くさもちは1匹で、あんみつとずんだもちは2匹一緒に、
ご縁が舞い降りたそうです。

 

 

ユミさんは、現在も、2-3ヶ所の現場で、
ご自身のペースでコツコツとTNRと保護を継続中です。

 

ねこ藩ではユミさんに捕獲器を貸しっぱなしでしたが、
やはり、ボランティアとしてTNRを続けていくのであれば、
捕獲器、療養させる為のケージ、入れ替えのキャリー等、
最低限の備品は、自分で持っているべきでは?と提案し、
ユミさんも少しづつ必需品を揃えつつあります。

また、ユミさんの自転車は、荷台のないタイプでしたので、
後ろに荷物を載せることができませんでした。
しかし、今後、自分で猫を病院に運搬することを考え、
別売りの荷台を購入して取り付けたそうです。

同じ方向を向いて活動している者同士ですから。
手を貸したいし、出来る範囲での協力は惜しみません。
こちらで提供出来るものがあれば、提供します。

ユミさんは、滅多に見かけない、若いボランティアさんです。
ご自身で色々と考え、自分に出来る形でのボランティア活動をしています。
そこは応援してあげたいというより、しなくては、と思っています。

 

 

 

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猫ボランティアと一言でいっても、皆それぞれ、活動内容は違います。
自分から率先してどんどん活動エリアを広げる方もいるし、
とにかく決まったエリアを徹底的に洗い、管理する方もいます。
他の方々と一緒に行動する方もいれば、一人で進めたい方もいます。

また、自分の活動計画がしっかりと定まっている方もいらしゃるだろうし、
他のボランティアさんの手伝い専門で「指示待ち状態」の
方もいらっしゃいます。

ボランティア同士、お互い助け合うもの。
それは本当にその通りだと思います。

どんなボランティア活動も、やるかやらないかは
ボランティア自身が決めることです。
いくら猫の為だからといって、最初から、
他人の労力と時間をあてにしたボランティア活動は、
他人を振り回すことになりかねません。
自分本位な行動は、時と場合によっては、
他のボランティアさんの迷惑になることもあります。

自分でTNRをやりたいと思っている場所がある、
自分が保護したいと思っている猫がいる。
自分はこういう活動をしていきたいと思っている。

そういう考えをしっかりと持っていても、

「現場に見にいってくれ」
「猫を預かってくれ」
「これをやってくれ、あれをやってくれ」

と、他人の現場の手伝いばかりが延々と続く。
他人の活動に巻き込まれて抜けだせない。

そんな状態では、自分自身の活動はどんどん後回しになり、
不完全燃焼のような気分になってしまいます。

 

ボランティア活動をしていると、
「自分のしていることが唯一の正義」と、
勘違いをしてしまうこともあります。

それを何年も続けているうちに、
「やって当然」の感覚が一般人と大きくかけ離れ、
はたから見ると、極端な動物愛護者にしか見えない、
となることもあるでしょう。

そうなると、離れていく知人友人は必ず出てきます。
そして、ボランティア関係の人間達としか
付き合えなくなってしまいます。

ボランティア活動をする自分と、それ以外の自分。
このバランスは保っていかなくてはいけない。

常に自分に言い聞かせて、気をつけるようにはしています。

 

 

To be continued・・・